華奢なお嬢様 人たらしなお嬢様
お嬢様ももうすぐ13歳になる。だから今こそ心を鬼にして提案しなければならない。今日こそはと決意をして執務室をノックする。
コンコン
「入っていいぞ!」
機嫌のいい旦那様の声で中に入ると、クッキーを眺めてニヤニヤしていた。
「気持ち悪いですよ。その顔。」
「何を言われても痛くないわっ見ろっリリーが初めてのお小遣いで買ってくれたんだぞ!」
「私共もいただきました。とても優しいお嬢様に癒されましたね。」
「そうだろっそうだろ!後半年で寮から帰ってくるのが楽しみだな~」
るんるんっ
「旦那様、、その事でお話がございます。お嬢様ももう婚約者を決めなければなりません。もうお気づきでしょう?皇室の動向を。」
「やめてくれっ聞きたくないし、リリーはずっとこの家にいればいい!」
「現実を見て下さい!お嬢様の婚約者になりたい人たちが列をなしているんですよ。今は殿下とレオン様が学院にいて守っていますがそうでなくなればどうでてくるかわかりません。」
「皇室なんて、、いやだぁ~~うっぅっ」
「泣くな!うっとうしい!お嬢様の為です!守れるのはあちらだけです!殿下も18歳まで婚約者を置かずよく耐えたと思っていますでしょ!」
「ちっっリリーに会う前にどこかの令嬢と婚約してくれていればよかったものを!」
「いい加減にして下さい!たとえ婚約していても、破棄してますよ。お嬢様だけは気付いてませんが、もう外堀は埋められてます。レオン様も側近になられますから今まで通り会えますので了承してますし。」
「なぜ、、まだ12歳なのに、、」
「もう、12歳です。遅いぐらいです!」
「レオンは側近で学院卒業後王宮に登城し、リリーは来年から我が家から学院に通うんだよな?」
「いえ、残念ですがお嬢様はこちらから学院には通いません。王妃教育でレオン様と登城します。学院は特例で卒業試験を受けたら合格したそうでそのまま卒業資格が得られましたので通う必要がありません。学院長が優秀な成績で誉めていらっしゃいましたよ。」
さすが、お嬢様!
「つまり最初から自分達が在学している1年は通うことが許されたけれど、卒業したら目の届く城に一緒に来いということか!!ルイお前それでいいのか!リリーに自由はないのか?可哀想だと思わんか?」
「旦那様がそれをおっしゃいますか?屋敷から出さずに育てたのは旦那様でしょう。」
「それが間違っていたのか?普通にお茶会に出していれば好いた相手ができ婚約できたかも知れぬ。」
「お嬢様はこの甘い檻に気付いておりません。一生わかることはありませんよ。それにのびのびと優しい令嬢に育ってくれました。わたくしはあとはこの先守って頂けるかたに役目を譲るべきだと思うのですよ。」
「そうか、、、、はぁ、、、婚約了承したと伝えろ。だだリリーにはまだ伝えるな。殿下に懐いているが兄としてだしな。さて、カレンに慰めてもらってくるか、、、」
はぁ、、俯き深いため息をつく。
「早急にお伝え致します。」
忙しくなりますな。あちらは念願叶って喜んでお嬢様を今まで以上に大事に囲うだろう。
ルイは未来に苦笑し旦那様を見送った。




