華奢なお嬢様 お小遣い
領地の執務室でレオンがお祖父様の仕事を手伝っていると。
「やっぱりこの万年筆は書きやすいな。」
とお兄様が呟いた。お祖父様のお膝に座っていたリリーは聞き逃さず
「同じ万年筆はあるの?お祖父様?」
「いや、こちらに移る前に王都で特別に作ったんだよ。ここからではなかなか買いに行けないからね。」
いい品は王都に集まる。それは知っている。わたしもあと一年で買いに行けるわ。お兄様にお祖父様が使っている万年筆を内緒でプレゼントしよう。そうと決まれば今から頑張ってお手伝いをしてお小遣いを貯めよう!エイエイオー!!
そしてリリーの内緒?のお手伝いが始まった。
「お祖父様肩叩きする。だから10リラ頂戴!」
は?10リラ?(10円)
「リリー、欲しいものがあるのか?お祖父様が買ってあげよう!」
ウキウキ
ナイルはなにも欲しがらない可愛い孫娘に何か買ってあげたくて仕方がなかった。だがいつもいらない、と言われていたのでおねだり待ってました!とばかりに喜んでいた。
「違うの!お兄様に万年筆をプレゼントしたいからお小遣いが欲しいの。」
「じゃぁお祖父様が買うよ。そうだリリーも同じ万年筆を買おうか!」
「えっそうじゃなくて、わたしが貯めたお金で買ってあげたいの。あの万年筆いくらぐらいするの?」
「5万リラぐらいかな、。」
「そんなにするの、、、。」
もう泣きそうに悲しむリリーに提案する。
「一回肩叩き100リラにして、本当はいやなんだがイザーク夫妻にもやってあげなさい。」
「うん!お祖父様ありがとう!」
ぱぁっと顔をあげ喜んでいるリリーを可愛くてたまらず膝にのせて頭を撫でる。
本当はリリーには増えていくばかりの財産があった。マーガル軟膏やリップバームなど発案していき今や誰もが手にしたことがある品物になっていた。自分の為ではなく兄の為にお金が欲しいとは優しい子に育ったな。。もう孫にメロメロである。
後日肩叩きをしてもらったイザークとアリスがナイルに詰め寄った。
「なんでリリーがお金を欲しがるんだ!」
「あんなに可愛いリリーになにもあげないなんてひどいわっ」
「そうだ!一回100リラだと、わたしは1万リラ払おうとしたら断られたぞ!」
「はぁ?1万リラですと?バカですか。あの子が喜ぶわけないでしょう。」
そしてナイルが事情を話すと、
「成る程な。リリーらしいな。」
「ふふっそれであんなに嬉しそうに瓶にお金を入れていたのね。」
「あの瓶がいっぱいになれば買えると言ったんですよ。まぁレオンに隠しておくのが大変なんですがね。」
あのレオンじゃな、納得する夫妻であった。
お祖父様に協力するよう書簡をもらっていた息子夫婦。レオンに見つからないように侯爵家でもお父様とお母様に肩叩きし、1年貯め続けて瓶がいっぱいになった。丁度レオンの誕生日に間に合ったのだった。




