華奢なお嬢様 領主9歳お客様
今さらだが領地は緑で溢れている。広大な庭の芝生に西を見れば花壇があり今はヒマワリによく似た黄色い花が咲き乱れ、東に行けば小さいが湖がある。休憩できるように木陰にベンチも置いてあり、リリーはすっかりこのお庭がお気に入りである。今日も本を持ちベンチで読書を楽しもうとしていたが、先客がいたのである。この10日間で領主館の皆は覚えたので見知らぬ老夫婦はお客様だと思って声を掛ける。
「いらっしゃい!初めまして、孫のリリーです。おじいちゃまとおばあちゃまはお祖父様のお友だち?」
急に声を掛けられビックリしたが、
「そうだよ。ナイルを驚かせてやろうとこっそり来たんだよ。」
「えぇ、一目見て帰るつもりでしたけど、見つかってしまいましたし挨拶しましょうか。」
「あぁそうだな。わたしはイザークだよ。君のおじいさんのナイルとは子供の頃から友人なんだ。」
「わたくしはイザーク様の妻のアリスよ。よろしくね。」
「ええ、イザーク様とアリス様お祖父様に会いに一緒に行きましょう。案内するわっ」
「いやいや待っておくれ!この庭は広いのでな休憩していた所だったんだよ。それに内緒できたから叱られてしまうな。」
「えっお祖父様は叱ったりなんかしないわっとっても優しいのよ。いつもお膝に乗せて本を読んでくれるもの!」
「「は??」」
聞き間違えか、、優しいとか、、氷の侯爵だぞ!!
信じられないわっ!
言葉が続かず止まってしまった二人にきっと疲れたのだと思い
「ちょっと待っていて!飲み物もらってくるわっ」
リリーは庭を走っていく途中で冷やしたミネアードを用意し運んでいたハワードにあった。
「おや。お嬢様どちらに行かれますかな?只今ミネアードと一口ムースをお届けにうかがう所でした。」
「ハワード!ちょうど良かったわ!お祖父様のお友達がいらしてるの!ミネアードをもらっていくわっ」
コップにミネアードを注ぎ両手に持って走っていく。
今日は来客予定はなかったが、、。あぁではあの方達だな、、相変わらずお耳が早いですな。ハワードは引き返し執務室にいるナイルとレオンに伝えに行く。
はぁはぁはぁっ
「お待たせ!冷たくて美味しいから疲れがとれるわっはい、どうぞ!」
目の前で息を切らし、蒸気した真っ赤な顔見上げこちらに飲み物を渡してくれる!
なんなのだ、この天使は!!なんて可愛いの!
「あ、ありがとう。ちょうど喉が乾いていたんだょ。」
「ええありがとう。お嬢さん。」
ところでこの飲み物は何だアリスよ。
わたくしも初めて見たものですからわかりませんわ。
受け取ったはいいが小声で囁きあい飲もうとしない二人に
「これはねミネアードっていうの!さっぱりしておいしいのよ。」
にこにこ飲むのを待っている。まぁまぁ、毒味は必要ありませんわっ!わたくしから飲みますわっゴクリッ
「美味しい!!スッキリしていて身体が冷えるわ!」
「うまい!こんな飲み物があったのだな。ぜひ我が家に持って帰りたいものだな。」
「イザーク様もアリス様も気に入ってくれた?」
首を傾げて聞いてくる天使に
「「もちろん!!」」
と、答えているとすごい勢いでやってくるナイルとレオンとハワードがいた。
はぁはぁっはぁっ
「これはこれはお久しぶりでございます。イザーク様アリス様。ご連絡もなくお越しになるとは、相変わらずでございますな。」
明らかに怒っている口調で言うナイル。
「お祖父様どうしたの?イザーク様とアリス様は驚かせたかったんですって!ミネアードもご馳走したら美味しいって言ってくれたのよ!おもてなしできた?」
飲んだのか!毒味もなしに?ナイルは笑顔でリリーの頭を撫で
「ありがとう、リリー。完璧だよ。」
うん、完璧にばれている。隠して置きたかったが無理だったか、、
「いや、ナイル、噂は本当だったのだな。この目で見てもあまりの衝撃に信じられないよ。お前のその顔も実物の天使も!」
「相変わらず素晴らしい情報網ですね。感服いたします。」
全く誉めていない
「見たくてこっそりきたのよ。ばれなかったでしょう。」
いやいや身分考えて、、レオンとハワードはため息をつく。
この二人、前国王陛下夫妻なのである。面白そうだから暇だし来たのだろう。誰か回りが止めろよっ隠れている護衛に苛立ちが隠せない。
ひぃっすごい冷気が漂っている。
「お友達なんでしょう。仲がいいのね!」
いや、リリー違うんだよ。
「リリーこのお二人はね、むぐぐっ、っ、」
訂正しようとレオンが口を開いたがイザークが無理矢理手でふさぐ
「とっても仲のいい友達なんだよ!今日は庭からお邪魔してしまったよ。綺麗な庭だからね、、。」
「そうでしょう!ここのお庭はとっても広いし湖で泳ぐのも楽しいの!」
「「こらっ今言ってはダメだろう!」」
「えっっなんで。?」
狼狽える二人に
「「ふはっ」」
「もうよい、、いいのだ!誰にも言わないと約束しよう。ナイル、レオン声をあらげるでない。」
「とても、氷の侯爵とは思えませんわね。仲が宜しくて何よりですわっふふふっ」
「ところでリリーと呼んでもいいかな?わたしのことはイーザと呼んでおくれ!」
「まぁずるい、わたくしはアリーと呼んで欲しいわ!」
「「「はぁっなに考えてんだ(ですか)」」」




