華奢なお嬢様 領地9歳お祖父様
「ここは?お兄様どこ?えっと誰かいる?」
コンコン、
「お目覚めでいらっしゃいますか?お嬢様。」
「ええ」
「では失礼致します。」
ガチャ
「お初にお目にかかります。領主館メイド頭を勤めさせていただいております、マーサと申します。」
少し白髪の混じった髪を高い位置でお団子にしている清潔感ある女性であった。急いでベッドからおり
「初めまして。リリーです。お世話になります。」
にこっとお辞儀をする。
うわぁっっ可愛いいいい!信じられない低姿勢な態度にもビックリしたが、お可愛いらしくスカートの裾をつまんで礼なんかされちゃ直視できず、すぐに返事を返せない。リリーは前世からお世話される側だったのでつい癖でお辞儀をしてしまうのだ。
「うっっはっはぃ。では旦那様と坊っちゃんがダイニングでお待ちですので衣装はそのままで構わないそうなので、参りましょう。」
立て直し案内する。
コンコン
「失礼致します。お嬢様をお連れ致しました。」
言い終わると同時に駆け寄りリリーを抱っこしたレオン。
「リリー。ごめんね、側を離れて。身体は大丈夫かい?まだ疲れているだろう。このまま休んでもいいんだよ?」
レオンの首に抱きついたままふふっと笑う
「お兄様大丈夫よ!お祖父様に挨拶しないと失礼だわっ。」
その様子を見て胸がいっぱいになった。
「お兄様降ろしてちゃんとご挨拶したいの。」
レオンの顔をじっと見つめて言う。ますます強く抱き締める。
「ははっいいんだよ。そのままで、レオンは離さないだろうしな。」
そうだわっとにかくご挨拶しないと
「初めまして。お祖父様。リリーです。やっとお会いできて嬉しいわっ」
にこにこっと微笑みペコリと頭を下げた。
おおっなるほどこれ程とはな、、息子家族が出さないわけだ。
納得したお祖父様。
「わしも会えて嬉しいよリリー。ようこそ、我が領地に。ゆっくりしていっておくれ!さぁ晩餐にしよう!」
いつも通り妹の世話をやく。その様子を旦那様及び使用人、はじめは驚きはしたがそうせざるを得ないだろうなと納得した。このお嬢様は進んで食べようとしない。よってレオンが食べなければならないものを選び皿に盛っていく。分けられたごく少量の料理を美味しそうに食べていく。リリーは自分の事は棚にあげ、
「お祖父様はあまり食べないの?お腹いっぱい?」
「いや、わしはちょっと気候のせいで食欲がないだけだよ。」
「そうなの?大丈夫?あっっわたしのとっておきをお祖父様にもあげるわっとっても食べやすくておいしいの!!」
うんっそうしよう!そうと決まれば、アンはどこかしら?
「こちらでございますね。お嬢様。調理場を御借りして冷やしておきました。」
「アン、ありがとう!今ねちょうど話していた所なの。」
「それは何よりでございました。」
お嬢様命のアンである。食が細いリリーの為一口栄養ゼリーを持ってきたのだ。このゼリーは最初はフルーツゼリーだけだったのだがお嬢様の体調に合わせ栄養、野菜、薬、と色々なバリエーションができていた。一重にお嬢様命である調理場の努力の賜物である。リリーも喉に詰まらせずに食べられる栄養価の高い飲み物をよく前世で飲んでいたので慣れ親しんだ味で好物となっていた。
「これは、初めて見るな。ゼリーかい?」
「そうなのっ、これを食べれば元気になれるのよ!はいっどうぞ!」
ん、、、これは口を開けろと言うことなのか?リリーがナイルの横に行き背伸びしてスプーンを差し出している。
レオンは何も言わずいつもの妹の様子にあぁお祖父様羨ましい。位にしか思っていない。ギョッとしているのは領主館の使用人のみである。
「あぁ頂くよ。」
ゴクリ。味も喉ごしもいい。
「どう?」
緑色の瞳を上に向け不安そうに聞いてくる。
ああこの優しい子は間違いなく侯爵家の宝だな!レオンが変わるわけだ。
「とても美味しいよ!ありがとうリリー。」
頭を撫でてくれ膝にのせるナイル。
「軽いな。もう一口食べさせておくれ。」
「ええ、たくさんあるのよ。食べて元気になってね!」
にこにこお膝に座っているリリー。侯爵家では当たり前の光景。
それからおかわりを3度し、デレデレになってしまっている前侯爵にレオンがチッと舌打ちし
「そろそろ、休もう!おいでリリー!」
お祖父様の膝から脇に手を入れ抱きあげる。相変わらずお嬢様のことになると心がせまいぞレオン様!バッチリ舌打ちが聞こえていたアンである。
「それでは失礼します。」
「お休みなさい!また明日!」
笑顔のリリーを見送る一同であった。




