華奢なお嬢様 領地9歳
夕方ゆっくりと馬車が領地にある領主館に着いた。
朝からはしゃぎっぱなしでついに一時間ほど前に眠ってしまったリリーを抱き抱えレオンが宝物のように優しく微笑んでいる。
あれは、誰だ?
お祖父様は勿論のこと出迎えに出ている領主館の使用人が固まったまま見ている。レオンがこの地に来たのはリリーが生まれるまえだ。10年前とのあまりの変貌に驚きが隠せない。
「久しいな、レオン。それはお前の妹のリリーか?」
「お祖父様、お久しぶりでございます。僕の天使リリーですよ。今日は初めての体験ばかりではしゃぎすぎて、寝てしまったんですよ。寝ている顔もとても可愛いでしょう。」
いい笑顔で言われ
「とりあえず部屋に案内させよう。」
落ち着け、落ち着け、、天使って。
領主館執事が名乗り出た。
「わたくしが抱えて行きますゆえお嬢様をお預かり致します。」
「いや、けっこうだ!!僕のリリーは羽のように軽いのだよ。」
冷たい微笑で威嚇する。
触らせるわけがない。メイド頭が
「では、こちらでございます。」
案内され広々とした部屋の大きなベッドにリリーを寝かせ額にキスを落とす。にこりと微笑み部屋から出ていく姿を見ていたメイド頭が悲鳴を上げそうになるのを必死で堪えていた。
うわー何あの笑顔。何あの変わりよう。自分の目が信じられないわっ
!!とにかく驚きすぎて固まらないように皆に通達しなければっ思い立ち部屋をそっとでていった。
その頃レオンは応接室で祖父といた。
この祖父は冷たい印象のナイスミドルで切れ者宰相であったが、息子に代を譲ると早々に王都を離れ祖母が好きだった自然豊かなこの土地に移った。祖母はレオンが生まれる前に他界しており一人でこの地を治めている。
「お前随分変わったな。みな驚いておったぞ。」
「お祖父様、僕はリリーが生まれてから世界が色づいたのです。リリーのおかげで楽しくて仕方がないのですよ。ふふふっ」
「お前作り笑いではなく笑えるのだな。。」
この孫は感情などないと思うくらいいつもポーカーフェイスでつまらなそうにしておったが、、、妹とはすごいものなのだなぁ。
「それはそうとお祖父様はお痩せになられましたか?」
「最近は暑いし少し食事が進まないだけだ。」
「こちらの方がずいぶん涼しいですがね、、」
そして少し遅い晩餐が始まろうとした所でリリーが目覚めたと報告が入った。




