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『キング オブ マスターズ』  作者: 大和大和
~ニューカラーズ・エントリー~
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75/91

第75話 ゴブリンの反撃




 俺のデッキの光が弱まる。

 そうすれば、今度は相手のデッキが光る。

 自分のターンが回ってきたことを確認した金髪イケメンは、その瞳をキラキラと輝かせた。


「僕のターン! ドロー!」


 金髪イケメン

 マナ0→5

 手札7→8


「僕は2マナを使い、手札からスペル『ゴブリンスマッシュ!』を発動!」


 マナ5→3

 手札8→7


「げっ、そのスペルは」

「『ゴブリンスマッシュ!』は相手のバトルゾーンにいるコスト2以下のユニット1体を選び破壊できる! 僕は『死皇帝の側近』を選び、破壊する!」


 金髪イケメンが発動したカードが光り、そこから一匹の『ゴブリン』が飛び出す。

 片手ほどの小さなこん棒を軽く一振り。

 ふんすと鼻息を荒くした『ゴブリン』はそのまま『死皇帝の側近』に向かって掛け寄ると、その頭をコテンと殴り付ける。

 頭を抱え、逃げるように走り去った『死皇帝の側近』はその先でぱぁっと光になって消えていった。


(そういう感じなんだ……)

「さらに!」


 うっ、と思わず口から苦虫を噛み潰したような声を出す。

 そう、確かあのカードは。


「『ゴブリン』ユニットがいることで第二の効果も発動! 相手のフィールドにあるカード1枚を選んで破壊できる! 僕が選ぶのは――『スターヴ・ゴースト』だ!」

「そっちを狙ってきたか」


 消えずに残っていた『ゴブリン』がグルンと首を回して『スターヴ・ゴースト』を睨みつける。

 そして、勢いよく駆け寄ったかと思うと、『スターヴ・ゴースト』を巻き込む形でグルグルと転がりながら二人仲良くフィールドの端へと消えていった。

 いや、てかそんな感じなのね。


「さらに僕は手札から2マナを使い、『タンクゴブリン』を召喚する!」


 金髪イケメン

 マナ3→1

 手札7→6


 『タンクゴブリン』

 コスト2/土属性/アタック1/ライフ4

 【効果】

 『ガード』

 ①このユニットは攻撃できない。

 ②このユニットが破壊された時に発動できる。カードを1枚ドローする。


(『ガード』持ちを出してきたか……)


 おまけにライフも高い。

 これはちょっと困ったかもしれない。


「最後に僕は1マナを使い、スペル『興奮するゴブリン』を発動!」


 金髪イケメン

 マナ1→0

 手札6→5


「このスペルは僕のバトルゾーンにいる『ゴブリン』ユニット全員のパワーを+2できる! さあ、興奮しろ! 僕の『ゴブリン』たち!」


 スペルの放った光と共に大きく声を上げる金髪イケメン。

 まるでその声と呼応するかのように。

 『ゴブリン』たちは大きな唸りを上げる。


『グムォォォォ!!』


 『キングゴブリン』

 アタック5→7


 『タンクゴブリン』

 アタック1→3


(うわ、本当に興奮してら。俺、女の子じゃないんだけど……)


 思わず遠くを見る俺。

 だが、そんなことはお構いなしとばかりに金髪イケメンが叫んだ。


「さあ、お待ちかねのアタックフェイズだ! 僕は『キングゴブリン』で相手に直接攻撃!」

「っ!」


 流石に『7』点のダメージは許容できない。

 あまりにもデカすぎる。


「俺は自分のライフに3ダメージを入れてドロップゾーンにいる『スケイルゾンビ』の効果を発動! ドロップゾーンから『スケイルゾンビ』をノーコスト召喚する!」


 左手に浮かんでいた数字が『9』から『6』へと変わる。

 それと同時に、フィールドに黒い渦がゆらりゆらりと少しずつ広がっていく。


 その時だった。






「ならば! 僕は『キングゴブリン』の効果を発動! 手札から相手が発動するカードと同じタイプのカードを破壊することでその効果を無効にして破壊する!!」





 パリン、と。

 音を立てて金髪イケメンの手札から一枚のカードが消える。

 それと同時に。

 『キングゴブリン』の持ち上げた杖の先端が広がっていた黒い渦に狙いを付けた。


「くらえっ! ゴブリンド・リサイレンス!!」


 金髪イケメンの号令と共に輝く『キングゴブリン』の杖。

 するとそこから一筋の光が伸び――ることはなく。


『グムン!!』


 駆け寄った『キングゴブリン』の杖を振り下ろす攻撃。

 それを受けた黒い渦はあっという間にその場から消えてしまった。


 金髪イケメン

 手札5→4


「いや、どうなってんだよ!?」

「これが僕の『キングゴブリン』の力だ! どうだ? すごいだろう! これは相手の効果を無効にする効果で『キングゴブリン』の……」

「違う! 俺聞きたい話違う!」


 くっそぉ。

 こいつもこいつで人の話を聞きやしない。

 まるでおふざけしている時のシーラレベルの話の聞かなさだ。

 ……あれ?

 ということはコイツとシーラって結構相性良いのでは?

 俺は訝し……ひっ!?


(なんだ今の冷たい視線は!?)


 慌てて視線が飛んで来た方を見る。

 具体的には商品棚の後ろから顔を覗かせるシーラの方に。

 だが、件の本人は俺と視線がかち合うや、ひゅっと商品棚の後ろに消えていった。

 何だアイツ。


(てかさ! お前が戦えよ!? なんで俺が戦う羽目になってんだよ!? 元はお前の相手だろ!?)


 推定婚約者め。

 と、心の中で文句を言っても答えは来ない。


「僕は破壊した『メイジゴブリン』の効果を発動し、カードを1枚ドローする」


 金髪イケメン

 手札4→5


 あ、まだ処理終わってなかったのね。

 悲しみに暮れた俺は改めて手元で光っているカードをスライドさせた。


「その効果に合わせて手札から『ダークナイト・ガメシス』の効果発動。このユニットは自分のライフにダメージを受けた時、自分のライフが15以下であれば手札からノーコスト召喚できる。来い! 『ダークナイト・ガメシス』!」


 クロハル

 手札2→1


 『ダークナイト・ガメシス』

 コスト4/闇属性/アタック2/ライフ2

 【効果】

 『ガード』

 ①自分のライフにダメージを受けた時、自分のライフが15以下であれば発動できる。このユニットを手札からノーコスト召喚する。

 ②このユニットがバトルゾーンに出た時に発動できる。相手のバトルゾーンにいるユニット1体を選んで3ダメージ与える。


「なっ、『ガード』ユニット!」

「バトルゾーンに出た『ダークナイト・ガメシス』の効果発動。『キングゴブリン』に3ダメージだ」

「くっ!」


 『キングゴブリン』

 ライフ6→3


「さらに俺は『ダークナイト・ガメシス』で『キングゴブリン』の攻撃をガード。迎え撃て、『ダークナイト・ガメシス』!」

「ちっ! そのまま叩き潰すんだ『キングゴブリン』!」


 俺と金髪イケメン。

 その姿を真似するかのように小鬼の王と黒の鎧を着た騎士が向き合う。

 そして、杖と剣。

 両者の構えていた得物がお互いの体を打ち抜いた。


 『キングゴブリン』

 アタック5/ライフ3→アタック5/ライフ1


 『ダークナイト・ガメシス』

 アタック2/ライフ2→アタック2/ライフ0


(ふう、危なかったぁ)


 攻撃を防いでくれた『ダークナイト・ガメシス』の姿が消えていく。

 それを見ながら俺は小さく流れた汗を拭う。


 なんとか生き残れたか。

 でも『キングゴブリン』が残ってるんだよなぁ。

 とりあえず生きてるだけラッキーってことにしておこう。


「くっ……『タンクゴブリン』は攻撃できない……ターン、エンドだ」


 金髪イケメンがターンを終了したことで、俺のターンが始まる。


「俺のターン、ドロー」


 クロハル

 マナ3→5

 手札1→2


(どう動くかね)


 あの金髪イケメンのライフは残り『1』。

 だが、俺の手札には有効打がない。

 ヤツのライフを削り切るには二体の『ガード』持ちと『キングゴブリン』の無効効果を突破する必要がある。


 そこまで考えた俺は――ふと笑ってしまった。


(ははっ、久しぶりだな。この感じ)


 さて、どうやって攻略してやろうか?















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