表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『キング オブ マスターズ』  作者: 大和大和
~ニューカラーズ・エントリー~
PR
74/89

第74話 小さき鬼は王様







「僕の、ターン……ドロー!」




 金髪イケメン

 マナ0→4

 手札7→8




 デッキから一枚のカードが舞い、静かに金髪イケメンの手札に収まる。

 そのカードを見た金髪イケメンはちょっとばかり目を開くと、すぐに不敵な笑みを浮かべた。

 もしかして、来るのか?




「いいだろう。君がそう来るなら僕もそれに答えるのみ!」

「ほむ?」

「僕は1マナを使い、手札から『モブゴブリン』を召喚!」




 金髪イケメン

 マナ4→3

 手札8→7




 『モブゴブリン』

 コスト1/土属性/アタック1/ライフ1

 【効果】

 ①このユニットが破壊された時に発動する。カードを1枚ドローする。その後、手札を1枚選んでデッキの下に置く。



「さらに! 僕は1マナで『ゴブリン』を召喚!」


 金髪イケメン

 マナ3→2

 手札7→6


 『ゴブリン』

 アタック1/ライフ2


「そして! 最後に2マナを使い『ホブゴブリン』を召喚する!」


 金髪イケメン

 マナ2→0

 手札6→5


 『ホブゴブリン』

 コスト2/土属性/アタック2/ライフ2

 【効果】

 ①このユニットが破壊された時に発動できる。カードを1枚ドローする。


 これで遂に三体の『ゴブリン』ユニットが金髪イケメンのバトルゾーンに並ぶ。

 ということは、だ。


(『ゴブリン』ユニットが三体……来るぞ!)


 ニヤリ、と笑みを深める金髪イケメン。

 その仕草から『ヤツ』が来ることを直感した俺はクッと唾を嚥下(えんか)した。


「見せてやろうじゃないか! 僕は手札から――『キングゴブリン』の効果を発動!」


 シューッと金髪イケメンの掲げたカードが光を放ち始める。


「このユニットは自分のバトルゾーンにいる『ゴブリン』ユニットを3体破壊することでノーコスト召喚できる! 僕は『モブゴブリン』『ゴブリン』『ホブゴブリン』を破壊する!」


 金髪イケメンがそう叫んだ瞬間、バトルゾーンに並んでいた三匹の小鬼が眩い光と共に弾ける。

 同時に。

 弾けた光は消えることなく一つ、また一つと集まり始めた。




「小さき鬼の魂。今ここに集いて王杖を掲げよ! ノーコスト召喚! 現れろ! 『キングゴブリン』!!」




 集まった小さな光が、少しずつ大きな光へと変化していく。


 やがて。


 大きく膨らんだ光の中から一匹の小鬼が現れる。


 自身の背丈よりも長い豪華な杖。

 自身の頭よりも大きな王冠。

 何もかも不釣り合いな小さき『王』は、静かな唸りと共にその姿を現した。







 『キングゴブリン』

 コスト7/土属性/アタック5/ライフ10

 『ガード』






(やっぱ来たか……!)


 そう。

 小鬼の王である『キングゴブリン』。

 あのカードこそが『ゴブリン』デッキの核にしてエースなのだ。

 高いステータスで『ガード』持ち。

 しかも厄介な効果まで持ってると来た。

 『ゴブリン』デッキを当時の環境トップ……までは行ってないか。

 でも、環境に食い込むくらいの影響力はあった。

 それぐらいのパワーを持っている、ということだ。

 ステータスもそうだが、効果も効果なだけに出せた時の安心感もひとしおってヤツだろう。

 その証拠に金髪イケメンは余裕のある笑みを浮かべていた。


「ふっふっふ。どうだ! この僕のエースたる『キングゴブリン』の姿は!」

「たくましいと思うぞ。うん」

「そうか!? そうだろう!?」

「あぁ、おう……」


 ヤバイ。

 適当に相槌打ったら意気投合したみたいになっちゃった。

 お、俺は別にゴブリンとかす、好きじゃないから。

 ほ、本当だよ?

 まあ嫌いでもないんですけどね。

 俺が好きなのは……なんでもないです、はい。


「おほん。さて! 僕は破壊されたゴブリンたちの効果を発動! まずは『モブゴブリン』の効果によって1枚ドローし、手札を1枚デッキの下に戻す!」


 手札5→6→5


「続いて『ゴブリン』と『ホブゴブリン』の効果によりカードを2枚ドローする!」


 手札5→7


 マジで手札減らねぇなオイ。


「そして、アタックフェイズ! ……と、言いたいところだが、『キングゴブリン』はバトルゾーンに出たばかりだから攻撃ができない。よって、このままターンエンドとさせてもらおう!」


 そうしてくれなきゃ困る。


「じゃあ、俺のターンだな。ドロー」


 クロハル

 マナ0→4

 手札3→4


(さて、どうしよう)


 デッキのカードが手札に入ったことで俺の手札は全部で四枚。

 フィールドには『苦鳴の龍ベルギア』『スターヴ・ゴースト』『死皇帝の使い魔』『ブラッディガール・リリィ』『死皇帝の側近』の五体。

 そして、墓地(ドロップゾーン)には『死皇帝の愛犬』と『死皇帝の愛猫』。

 状況的に悪くはない。

 デッキを回すために必要な最低限のリソースは確保できてるし、ハンドにも余裕がある。

 フィールドにいるユニットで総攻撃を掛ければ全部でダメージは『14』。

 ライフが『11』しかない金髪イケメンを余裕でボコれる数値だ。


(ただなぁ……)


 チラリと相手の盤面に立つ『キングゴブリン』を見る。

 厄介だ。

 マジで厄介だ。


 『ガード』持ちである以上、俺のエースであるベルギアの攻撃はほぼ通らないと見てもいい。

 しかもステータスで完全に上から叩かれる始末。

 となれば通るダメージは『10』点。

 なんと金髪イケメンのライフを綺麗に削り切れない数字である。


(あのさぁ……マジでふざけんなよ妖怪『1足りない』ぃぃぃぃぃぃ!!)


 そう考えるとどうしてもその『1』点を詰めるためのカードが欲しい。

 だけど、そこで今度はネックとなるのが『キングゴブリン』の効果。

 『キングゴブリン』が持っている効果は二つあって。

 そのうちの一つは正直言って、どうでもいい。

 問題なのはもう一個の効果の方。

 その効果を使わせなきゃベルギアの効果が()()()()


「はぁ……」


 マージでめんどくさい。

 溜め息をついた俺はとりあえず一枚のカードに全てを掛けてみることにした。


「俺は1マナを使い、手札から『不等価交換』を発動」


 クロハル

 マナ4→3

 手札4→3


「カードを1枚ドローし、その後に手札を2枚捨てる」


 手札3→4→2


(ダメ、かぁ)


 ドローしたカードを見て肩がっくし。

 うん、どうしよう。

 本当は『苦痛の一撃』あたりのカードが欲しかったんだけど来なかった。

 こうなったら諦めるしかなさそうだ。


「仕方ない……このままアタックフェイズ。俺は『苦鳴の龍ベルギア』で相手に攻撃」

「ならば『キングゴブリン』でガードさせてもらおう!」

「ですよねー」


 俺の声を受け、翼を広げて金髪イケメンに飛び掛かる『苦鳴の龍ベルギア』。

 しかし、突貫虚しく俺のエースは『キングゴブリン』の思いっきり振り下ろした杖で返り討ちにされた。


 『苦鳴の龍ベルギア』

 アタック4/ライフ4→アタック4/ライフ0


 『キングゴブリン』

 アタック5/ライフ10→アタック5/ライフ6


 パリン、と音を立ててはひび割れる。

 体が砕け、光の塵となった『苦鳴の龍ベルギア』はそのまま静かに姿を消す。

 それを見た金髪イケメンの顔に喜色が浮かんだ。


「どうだ! 見たか!? これが僕のエース『キングゴブリン』の力だ!」

「そうだな」


 正直、予想できてたからちょっと嫌だなくらいにしか思わない。

 俺は気を取り直してピシリと指を伸ばした。


「まだ俺のアタックフェイズは終わってないぜ。続いて『スターヴ・ゴースト』で相手に攻撃!」

「へっ? うぐぉ!?」


 『スターヴ・ゴースト』

 アタック4


 金髪イケメン

 ライフ11→7


「さらに『死皇帝の使い魔』で相手に攻撃!」

「うぶぉ!?」


 『死皇帝の使い魔』

 アタック2


 金髪イケメン

 ライフ7→5


「『死皇帝の側近』で相手に攻撃!」

「うぎぉ!?」


 『死皇帝の側近』

 アタック2


 金髪イケメン

 ライフ5→3


「最後に『ブラッディガール・リリィ』で相手に攻撃!」

「ふびぉ!!」


 『ブラッディガール・リリィ』

 アタック2


 金髪イケメン

 ライフ3→1


「……ふぅ」


 これで全部、だな。

 攻撃が終わったので軽く一息。

 あとはターンエンドの宣言をするだけ。

 このターンでは仕留めきれなかったけどここまで来れば次のターンで確実に終わる。

 そう頭の中で未来地図を描いた俺は、そっと手のひらを向ける。


「これで俺はターン終了。エンドだ」















評価や感想、誤字脱字や要望などありましたらよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ