限界が来る
っ、体に違和感…右腕、多分全て。こいつを失うのはやってられない、仕方ない…腕で直接手を下さず原理はよくわからないけど大量に出せる武器で戦うか…これなら左腕を動かしてどこにどういうふうに攻撃したいか考えるだけで飛んでいく、威力は低くてもこれだけいるならこっちで全然いいだろ。
…とは言ったものの、もうそろそろ終わりか。城に入れるのは小さいサイズの魔物だけ、基本的に屋根上から武器を降らしてるだけで終わるからな…中はまあ、あいつらがやってくれるだろ。
異世界に来て、こんなことができるなら、普通の人間なら喜ぶのだろうか、それがたとえ幾多の犠牲の上、手に入れることができる罪深き力であっても…
いや、そんなこと、考えないだろうな。俺だってそうだ、泣いてすらないのに、生命を憂いた感想を…だとか、それは、おかしい。
だんだん…だんだんと、感情がなくなっていってる気がする。まるで、水の底に沈むように…それはよくわからないな、何言ってんだか…さて、終わりか。すまないが俺が生きるための糧に…あれ、何でわざわざそんなことを…。
「っと、お疲れ、もう終わったよ、あとは喰って終了だ。大して面白くもない…今回得られる情報は全て集めて後で送っておく、もう好きにしててくれしばらく。手間かけさせてすまなかったな、5人とも。」
さて…と、まだやることがあるからな。ここと、こことここと……六箇所か、よく見つけれたなこんなの…何か既視感を感じる…気のせいなのか、それとも気のせいじゃないのか。ああ、誰かの記憶とこんがらがり過ぎた…もしかしたら前にも、同じことをしていたかもしれない…ああ、クソ。
雨…か、俺の新たな仕事を祝福するような…ああ、クソ。何が異世界だ、何が仕事だ祝福だ!俺を…俺をこんなにしやがって!ああクソ!!一体何なんだよクソクソクソ!!
…何をそんなに怒ってんだ、俺……何を、泣いてるんだ?なんで…笑ってるんだ?ダメだ、頭がおかしくなりそうだ、いきなりなんなんだ、なあ…。
指が今、まるで何か…別の人間が動かしたような、何なんだよ、何なんだよ、気持ち悪い…まるで、右腕が何かに乗っ取られていくような…いや、それ以上、めちゃくちゃに接合されたキメラみたいなものなのか…これは。
意外と、引っ張られるな…だがこの程度、何ら問題はない。そうだ、落ち着け、何も問題はない…ないんだ、妙な気を起こすな。
ああ、クソ…馬鹿みたいだ、辛い、憎い、楽しい、悲しい、嫌い、許せない、好き、侘しい、これが…私!
誰だお前ら…いきなりなんで、いままで何も、なにも問題なかったのに!!なんで、なんでだ!?ああ、クソ、クソクソクソ!誰なんだ、お前らは!
俺は人間を喰ったとはいえ一部…殺してしまったのも数十人、やめろよ、正当防衛だろ、なあ!!わたさない、わたさないぞ、俺の体は、肉体は!
ダメだ、やめろ、これは俺のだ、ふざけんじゃないぞ、おい。クソ…体が、思うように動かない…っ!膝を…つくだと、この、程…度…あああ!意識を飛ばすな、死ぬ、このままなら、死ぬ!
落ち着け、俺にはまだ手がある…こんなところで、こん……な…と………で………ああ、あ………お……は………
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誰かの記憶、哀れな…哀れな人間たちの……ああそうか、お前らあの時の、あの時は世話になったな、クソ、操られていた凛に、操られていた…なんだ、マトリョーシカみたいだな、はは…。クソ、お前らか、お前らが…面白い。
「お前ら、そんなに俺に復讐したいか?残念だけどな、俺はお前らに復讐なんかされるつもりは微塵も無え!これが俺の、お前らに対する罪の山だと言うなら、俺はその山なんか…根から崩してやるよ!"零距離150%波動砲"!!!」
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………ここは……さっき、膝をついて、倒れた…倒れてない?雨が…止んでいる……全部、気のせいなのか…?どうにもそうは思えない感覚だったんだが……アクセサリー?なんだ…これ、あいつらがつけていた、腕に剣が刺さったような君の悪い……
なるほどな、許してもらわなくって結構だ。だが…な、俺は、お前らに見せてやるよ、そんなに…そんなにソウルイーターが悪いものじゃあないってことを。
お前らがどうしてそんなに俺たちのことを嫌いに思ってるかなんて知らないけど…さ、俺はお前らを殺した、それは変わりないんだ。だから…だからせめて、平和な世界を、見せてやりたい、それまで待っててくれ。
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俺が、俺の同胞が、瀕死になりながらも解き放ったというのに…文也、お前…面白い、お前を選んで、正解だった。ーーとして、楽しみに思う…この腐れきった数多の世界をどうにかできるのは…
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