込められた封印
「…だんまりか、それはそうだろうな。心当たりなんてないもんな、みんな。なら、隼人と一番行動を共にしたのは誰だ、いつからおかしかった、それでわかるかもしれない。」
「でしたら私でしょうが…隼人さんは誰かと行動するような人じゃなかったんです、とは言ったものの大して記憶が残ってるわけではないのですが…」
なるほど、となると普通に考えるのであれば単独行動の間に内通者としてやっていたんだろう。だが隼人も馬鹿じゃない、そう思わせる為の行動かもしれない…一長一短でなんとかなる相手じゃなさそうだ。
「腹の探り合いなんてよそう、俺の銃弾で記憶を共有すればいい。俺も今回の件以外の記憶は見せないよう善処するからさ、それでいいだろ。」
…よく言えるな、そんなこと。プライバシーの侵害で元の世界ならブーイングの嵐だぞ…。
「私は大丈夫です、逆に私は知りたい、記憶がない間何をしていたのか!」
「私は…この件に関することだけなら構わない。」
「俺も同意見だ、文也、お前はどうだ?」
「俺も大丈夫だ、やってくれ、翔也。」
「了解、少し痛いかもしれないが我慢してくれ。」
そう翔也が言うと俺から順番に記憶の譲渡が始まった、結果としては誰も怪しくはない。どっちかというとまだ復興が終わってないところもあるんじゃないかとそういう疑問ばかりが残った…。
「…この中に、裏切り者がいない……か。正直もうわからない、誰なんだ…一体。天災も忘れてはならないことの一つ…とりあえず天災の対策を考えよう、魔王は天災でくる魔物の支配もしているって話だ、被害を最小限にしたいっていう話なんだが」
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やっと…やっと終わった、死にかけた…今まで俺はアビリティに頼り切りだってわからされた、この霧雨一本で……返さないと。
「遅かったですね、文也様、お疲れ様です。」
「ああレジリアか、すまない、途中で抜けて。もう…動けるのか、よかったよ。あと霧雨だ、お前がその状態なら武器だって出すのは容易じゃないだろ。俺は…レイのおっさんにでも作ってもらうよ、まあその前に翔也にもらった遺跡の戦利品…この禍々しいビー玉みたいなのが何か調べないとならない、用ができたら呼ぶからそれまで好きにしててくれ。」
「なら私は文也様の…その……」
「どうした、邪魔しないのなら何してたっていいぞ?」
「いいんですか!?なら私文也様について行きます!」
…いいのか、なにも…何も面白くないぞ…気を使わせたかな、ならこのタイミングでレジリアの過去とか…聞いてみるか。
「…なあレジリア、お前、自分の故郷に行きたかったり…親に会いたかったり…しないのか?」
流石にまずかったか?タイミング…いやそんな問題じゃないのか…?
「…両親は最初の天災で……私を庇って。故郷は…いい思い出が、あまり…私たち絶華族を奴隷にするためだけに大量の兵士が毎日毎日…最初出会った時、私は相当傷を負っていたと思います。あの時はなんで私がこんな目に…って考えていましたが大した意味なんてなかったんでしょうね、でも今は私たち絶華族が奴隷となることは文也様が禁止してくださいました、だからもう…私みたい子は少なくなってくれるんでしょうね。ありがとうございます…文也様。」
…そうとも限らない、今の貴族たちの実態は大して変わらないって聞いた、エルレタールからの情報だ、間違いはないだろう。その現状…毎晩毎晩案を考えてはいるがどれもパッとしない、そもそも現実的にいきなり奴隷っていう格安動力源をなくして成り立つわけがない。それも踏まえてどうするか…後回しにしてこれを……ダメだな、後回しにしすぎだ、だがどうする。元の世界であった単純な雇用関係、それを施行してくれる貴族はごく少数、最初から奴隷というものに嫌悪感があったやつだけ…すこしずつ、すこしずつどうにかならないものか…無理か?いや、諦めるな、歩みを止めるな、俺が帰った後でもエルレタールがやってくれる。それなら俺がするべきは知るもの全てを残していくこと、それがレジリアのためにも…なるだろ、うん。これは、掘り返さない方が…よかった、よかったものなんだ…ああ、クソ………。
「さて…この世界には機械もないし魔法とか本で調べるしかないよなあ……多いな、これは…気が遠くなりそうだ。」
この指輪を使って入れる場所、ここも複製だが奥に原本がある、この複製は本物と思わせるためのダミーと見た。だが俺にはダミーで十分、それっぽいのを探しておくか…。
「レジリア、暇だろやっぱり。」
「いえ、大丈夫です、文也様といれればそれでいいんです。」
そういうものか…レジリア、何か読んでるな、何かそういうのあったか…なんならついでだ、手伝ってもら……馬鹿なのか俺は、さっき墓穴を掘ったというのに…全く、どうかしてる。
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何も…何も載ってない。どうかしてる…一体なんなんだ…これは、遺跡二つにサタンズサーヴァントが封印されていたんだ、となると…まさか魂の結晶体みたいなのか!?わからない、見たことないからわからない。そもそもそんなのあるのか?それかこの中に多大なる力が封じ込められていてこれを捨てる事により弱い魔物と認識されて封印から抜けれたとか…わからない、どうするべきなんだこれは、壊すべきか保管すべきか…
「文也様、それって…これに似てませんか?」
「どれどれ……本当だ、よく見つけたな…。文字は読めないが絵は似てる、エルレタールに見せにいくか…。すまないがそれ持って着いてきてくれ。」
「わかりました、勝手に持ち出して…いいんでしょうか?」
「……まあ、いいだろ。」
「その時の文也は後に起こる大災害など知る由もなかった…」
「何言ってんだ…お前。」
玲…そっちの世界にもこういう冗談はあるんだな、俺は好きだぞ、そういうの。
「なに、たまたま話が聞こえただけさ、誰でも付け足したくなるものだろ、じゃあな。」
「あ…ああ、それじゃ。」
「さようなら…。」
……なんだか変な奴だな、第一印象と全然違う…人ってすごい…妙な生き物だな。そうだそうだ、目的を忘れる所だった。
「いつも謁見の間の隣の部屋…会議に使った方の反対側にいるはず、すまないな、苦労をかけて。」
「いえいえ、問題ありません。」
…生き物を、この手で殺す。どうしたものか、生きるために食わなきゃならないのに、殺すとなると殺せないし食えもしない…覚悟は決めたつもりだが…また緩むかもしれない…どうにも、嫌だな、自分の弱さに…嫌気が刺す。
「エルレタール、大丈夫か?少し聞きたいことがあるんだが…」
「ああちょっ、ちょっと待ってください!はい、なんでしょ……あれ?レジリアさん、王は…」
「…さっきの扉を開ける勢いで…そこに……」
「も、申し訳ありません!ほんと、急いで出ないとと思って…申し訳ありません!」
「いや、いいんだ。わざとじゃないならいいんだ、それに出向いたのはこっちだからな…」
…まさか、こんなことあるなんて…な、頭が……痛い。足の指をぶつけた時ぐらい痛い…そうだよな、外開きだもんな基本的に…なんで、なんでいつも後ろに下がるんだ、最初から下がっておけよ…俺、次はないようにしないと…命がいくつあっても足らない……
「レジリア、それ貸してくれ…ありがとう。この本の…このページのこれなんだがな、この石、翔也が遺跡でとってきた石と似てないか?…どうした、青ざめて。」
「それは…それは……どうして、そんなところに………!?」
なんなんだ、これは一体なんなんだ、ただの石とも思えないんだがこれは…何が込められてるんだ。
「…それは、過去に勇者様たちが封印したとされる伝説上の禁忌の生物…ソウルイーターのものと、思われます。」
「なんだと!?それは…それは本当か!ならどうやったらここらそのソウルイーターを出せる!?」
ゼルスは言ってた、仲間が殺されようと、この世界が好きだって。そんなわけないだろ、レザイアだって助けるよう俺に頼んできた、故にゼルスだって仲間を失っていいはずがない、やってやる、やってやるぞ。
「それは…まあ王なら勝てるでしょう、しかし今の王は…その……戦えるんでしょうか、アビリティが使えないと聞きましたが…」
「…それも、そうだな。これは、厳重に保管しててくれ。」
「わかりました、お任せください。」
「ありがとう、それじゃあレジリア、戻るか。」
…まさか、ゼルスの仲間があれなんてな…待ってろ、あの封印は解いてやる、そして、共存できるようになんとかする。お前見たい奴がいるんだ、共存程度、いけるだろな、ゼルス。




