憤怒と呆れ
納得いかない、なんだこれは。折角来てやったと思えばなんだこの仕打ち…
「どういうことだ王さんよ、なんで俺たちは...いや俺はなんにもしていない。が、文也は村一つ助けた。なのになんで俺と同じ銀貨五十枚だ、こいつらは何をした。俺は知らないぞ、ボス直行じゃないのか、こいつらのことだ。」
「ふざけんなよ翔也!俺たちがどんな戦いをしてたかを知らずに!」
「そうですよ、それにあなた今何もしてないと言いましたよね。」
「何もしてないやつに言われる筋合いはないっつーの。」
「皆さんのいう通りだと私も思います、翔也さん。」
「おいおいおい、だからといって俺たちは銀貨五十枚ずつ、お前らは銀貨六百枚ずつって明らかにおかしくないか。」
「少し、黙ってもらえるかな。翔也君に聞きたいことがある、ここをどこだと心得ている、」
どういうことだ、何を聞いている、そんなの分かりきっていることじゃないか
「謁見の間だ、まさか王に対する無礼だとかほざくのか!?」
「いや、君の不満はわかった。君たちには銀貨百五十枚ずつ追加で渡そう。問題はそこじゃあないんだ、どうして絶華族如きがここにいる!答えろ!」
そうか。そういえばレジリアの種族、絶華族は差別対象、ここまで頭が回らなかった...頭回らないな、俺。そんなことはどうだっていいんだ、この状況をどうにかして
「帰ろうぜ文也。少なくともここじゃあろくにレジリアのことやこの"偽王"の情報収集も出来ねぇよ。」
「それはどういうことだ翔也!!事と次第によっては貴様を!」
「やれるもんならやってみろ、本物じゃないと勝てないだろうがな。」
「なぁ待ってくれ翔也、一つ引っかかる。なんでレジリアが絶華族ってわかった。」
これはただ単純な疑問だ、何かあるわけでもない。ただ気になったなんでなのかって。それにこれ以上こいつに話させたら絶対に撃つ...
「絶華族は目が透き通る赤や紅の色をしておる、さぁ答えたぞ。さっさと行け。」
「言われなくとも、行こうぜ翔也。」
腹が立つ、俺たちが奴隷商を襲った事がバレてるから知らんが俺たちに対する接し方はまだしも彼奴は腐っても王だ、普通奴隷開放とか言うもんじゃないのか!?もうあのクソ偽王にはため息しか出ない。
「ありがとうな、あそこで止められてなかったら撃っていたかもしれない。」
「いやいいんだ、それもあったからな。それよりもこれからどうするかだ、とりあえずあの村にでもいくか?えーっと...」
名前が思い出せない...色々あったからな、そんな事覚えてられないんだろう。そういえばボスはなんだったんだろうかな。ソウルイーター、魂捕食者。生きるやつを...喰うんだろうか...みたところ俺が手の異形化に使うのはHPとMP、基本MPだが喰うなんてやった事...
「おい、聞いてるか?レジリアちゃんがお腹空いたって言うからどこかでご飯食べるぞ。」
「そんなこといってないです...!大丈夫です...!」
「いいんだよ、せめて俺たちの近くにいる時ぐらいは大した悩みなく過ごしてほしいからさ。そんなわけで文也行くぞ〜...お〜い...、レジリアちゃん、文也には内緒だぜ。ここに文也の銀貨がある、これで美味しいもの食べに行こうぜ。」
「でも文也様が...」
「いいんだよ、ずっと無視するだろ?きっといらないんだよ。ほら行こうぜ。」
「でも...」
「大丈夫だって、文也なら優しいから許してくれ...」
「奢ってくれるの?優しいなぁ翔也君、それじゃあ美味しいもの食べに行こうかレジリア。」
「はい!」
「なんで俺のときはしょんぼりなのに文也のときは元気なの〜!?」
「だって翔也さんのときは人のお金だったじゃないですか。」
「そうそう、これは翔也が奢ってくれるって言うんだから。」
「ええええええええぇ!!」
正直やりすぎたとは思ってるが入ったのは普通の定食屋だし頼んだものも安いのだし許せ翔也。何より笑わなかったレジリアが初めて少し笑ったんだ、良い収穫だ
「さて、雰囲気がすごく悪くなったところ以外はいい店だったなぁ。
さて、ここで二人に言っておくことがある。俺はパーティを一旦離脱する。」
「なんでだ、翔也。」
「そうですよ!文也様と翔也さんがいて始めて楽しいのに!」
「すまないな、レジリア。それでも俺にはやることがある、念の為に俺がテレポートする弾丸はいつも通り渡すとして、今回俺がするのはやばい詮索だ。正直な話呼んだ後来るのが正気を保ってない俺かもしれない、そんな時は迷わずやってくれ、一思いに。」
まさかこいつ、あの時やろうとしていた国、それも本当の国王やら世界の全てを詮索する気か!?
「またいつか会える、元気でな、お前ら。次の魔物の襲来を凌ぐレベルもいるだろう。お互い頑張ろうぜ、な。」
「あぁ、わかった。」
あいつの目、決意した目だった。あれを変えることは困難を極めるだろう、それだったら俺たちが強くなって再会した時にレベリングを手伝う方がいいだろう、きっと。
「行こう、レジリア。もしかしたら翔也のおかげで絶華族への差別がなくなるかもしれないからな、だから俺たちで迎える準備をしておこう、な。」
「...はい、文也様。」
明らかに悲しそうな顔だがしょうがない、しょうがないんだこれは。
とりあえずここは居心地が悪すぎる、レジリアには多分もっと悪い、早くここをでてフラエブリ村に行ってみるか...あれ。
「おい、俺が止めてた馬車は何処だ。」
「さぁな、風にでも飛ばされたんじゃあないのか?」
「いやいやもしかしたら誰かが持っていったかもな!」
こいつらなんなんだ、笑ってやがる。俺はこいつらに何かしたか?親でも殺したか?なんでこんな目にあわないといけないんだよ、なんならここでこいつらを...!
「あっちにある...、はず。」
レジリアが指を指す方向をみた、ただの民家...に見えるが実は違うかったりするのか...?でも明らかにこいつらの反応が変わった、なぜわかったと言わんばかりだ。
「道案内頼んでいいか?」
「わかりました...!」
ついていくと民家に入るような形にはなったがそこから翔也と別れた通りにでた。
「なんで...わかったんだ、ヒントもないのに...。」
あった、隅に止めてあった。なんでわかるんだ、記憶にしては無茶がすぎる、見えてないところもあったはず
「役に立ちたくて頑張りました...!文也様と翔也さんがおはなししてたところから馬車を動かしているのが見えたのでその記憶を頼りにあとは下に落ちてる毛や型などで...頑張りました!」
忘れることはない...思い出すのに時間がかかる事もあるが忘れることはない...実は相当に、便利なものなんだな...型まで覚えるなんて...。
「それじゃあな。お前ら、ちゃんと仕事しておけよ。」
「...さよなら、もう、文也様に意地悪しないでね...。」
さて、それじゃあ出発するか。フラエブリ村に、再び!




