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道化の僕が勇者の君を救いたい~追放された転生遊び人はゲーム知識で無双する~  作者: 藤七郎(疲労困憊)
第二章 カスティーニャ編

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第90話 地下墓地ダンジョン攻略


 次の日。

 午前中の青空が広がる下、僕は平原にある丘の前にいた。

 冒険者ランクを手っ取り早く上げるため、未発見のダンジョンを探しに来たのだった。


 しかし、コメルシアから南西に普通の人の歩く速度で二時間。平原にあるはずのダンジョン入り口が見つからなかった。

 代わりに目の前にあるのは、オムライスのように膨れ上がった丘。

 よく見れば盛り上がった地面のあちこちに、ひび割れが走っている。


「え、まさか」


 なんだか嫌な予感がしつつ、丘の周囲を歩いて探した。

 そしてダンジョン入り口を見つけた。地下へと続く階段。

 下級ダンジョン『地下墳墓《カタコンベ》』の入り口だった。


「すごく嫌な予感がするんだけど」


 頭の上でブブッとミツコが同意するように羽根を鳴らす。

 僕は慎重に階段を降りていった。



 カタコンベ地下一階。

 階段を降りている途中で、僕は立ち止まった。


「うわぁ……」


 地下一階に足の踏み場がなかった。

 スケルトンとゾンビが密集して押し潰されあって壁のようになっていた。

 誰にも見つからないまま、モンスターだけが増え続けたらしい。

 平地だった場所が盛り上がっていたのもダンジョンがパンパンに詰まっていたせいだろう。


「え? これ全部倒さないとダメなの?」


 即死が効くから別にいいけど。何千匹いるか想像もつかなかった。

 僕は毒竜の蛇剣を振るって壁を叩いた。

 どーんと音がしてドクロのエフェクトが浮かび、アンデッドが消えた。

 しかし密集した壁状態は変わらない。彼らは身動き一つ取れない。


「どんだけ時間かかるんだろ……」


 僕はうんざりしながら、それでも毒竜の蛇剣を振るい続けた。


 ここは下級ダンジョンだからアンデッドからのドロップは期待できない。

 かといって、宝箱にも期待できない。唯一、レベルアッパーがあるだけ。

 経験値も、僕のレベルが47にもなってるから、たぶん敵を倒しても経験値は1しか入らない。


 ――本来なら、さっさとダンジョンを駆け抜けてレベルアッパーだけ取ってボスを倒してクリアしたかったんだけど。

 壁状のゾンビやスケルトンを地道に倒していくしか進めなかった。



 半日はたった頃。

 ようやくダンジョンを埋め尽くしたアンデッドを倒して、地下五階にあるボス部屋に来た。

 途中の宝箱からアイテムも回収済み。手に入れたのはヒールポーション3本とレベルアッパー1本だった。


 ボスは死神騎士だったはず。骨になった馬に乗り、大きな鎌を振るってくる。


 しかしボス部屋もアンデッドで埋まっていた。

 ボスもいるだろうけど、たぶん埋まってて身動き取れなさそう。


 僕は蛇剣を振るう作業を開始した。半日振るい続けて、慣れた手つきになっていた。

 戦闘と言うより発掘作業だった。


 ボス部屋を綺麗にする頃、アイテム欄に死神の鎌が入っていることに気付いた。

 いつの間にかボスを倒していたらしい。


「なんか不憫」


 まともに戦うことすらできないなんて、ちょっと可哀想と思いつつ。



 そしてダンジョンコアがある部屋まで行き、コアを触って外に出た。

 外は相変わらずの平原。西の空が赤く染まっている。

 あの丘は平地に戻っていた。どこまでも平原が続いている。


 ステータスを見ると雑魚しか倒していないのにレベルが一つ上がって48になっていた。

 それに『下級ダンジョン攻略数2』の称号と、闇抵抗2%をゲットしていた。


「まあチリツモで頑張ろう」


「ブブッ」


「さて、帰って報告しよう」


「ブブブッ」


 僕は頭の上に疲れ気味のミツコを乗せたまま、夕暮れ時の平原を走って帰った。

 15分ぐらいで街へ帰った。


 その後、冒険者ギルドに新ダンジョンを報告した。

 調査する冒険者グループとギルド職員が派遣されて、本当に新ダンジョンがあると認められた。

 結果、僕の冒険者ランクはCに昇格したのだった。


 念願のCランク!

 これで他国への移動も格段にやりやすくなる。

 この街に来た一番の目標は達成されたと言っていい。


 しかし。

 ギルド職員は驚き、居合わせた冒険者たちには絶賛された。

 狩場が増えるから喜ばれたのだろうけれど。

 目立ちたくない僕には居心地が悪くて、冒険者ギルドを早々に逃げだした。

 その後、宿に戻って寝た。


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