第6話 蛇退治とレベルアップ!
本日3話目。
僕は毒蛇のナイフを手に入れた後、地下一階に続く階段を目指していた。
でも、ただ帰るだけじゃない。
地下墳墓の半分ぐらいまで来て蛇の数が減った頃合いで、僕は前屈みになった。
毒蛇のナイフの切っ先を床すれすれに配置する。
そして僕は蛇を踏まないように避けつつ駆け出した。
ナイフの切っ先が床を這う蛇に当たっていく。
「シュウ――ッ!」「シャワッ!」「シィィィ――!」
攻撃された蛇たちが先割れ舌を伸ばしながら威嚇音を発した。
シャーっと唸りながら、僕へと飛びかかってくる。
でも僕は敵のモーションは全部覚えている。
攻撃を危なげなくかわしつつ、さらに駆けていく。
それから地下二階の入り口である階段まで来た。
階段を半分まで上がったところで座り込んだ。
ゲームでは体を半分ずらして階段に乗り込むと同じことができた。
――MISOと同じ設定ならば、ダンジョンの魔物は階段を上がれない。
安全地帯のはずだった。階段下に蛇が集まってくる。
でも僕は動じずに座って、そのときを待つ、待つ――待つ。
数分たった頃だろうか。
地下墳墓の向こうから細長いベルトが飛んできた。僕の傍で空間へ吸い込まれるように消える。
それを皮切りに、ベルトやネックレス、お金が飛んできた。蛇肉や蛇皮、蛇の牙も。
毒ダメージによって蛇たちを倒したのだった。
僕はアイテム画面を開いて、どんなアイテムがあるかチェックする。
蛇は腰と首の装備品をドロップする。
しかし、ほとんどがノーマルのアイテムだった。
――まあ、今は運が低いからしかたないか。
運がSSの801以上になれば、確定でノーマルレア以上をドロップするようになる。
それまでの辛抱だと思った。
しばらくしてアイテムが飛んでこなくなった。
毒状態にした蛇を全部倒したらしい。
ステータス画面を見ればLvが15まで上がっていた。
STが9、SPが12(合計21)入っていたので、まずはSTをすべて運に振る。
それから『みかわしステップ』を上限のLv15にまで上げた。残りSP16。
それから『突き』と『投擲』をLv10まで上げた。残りSP1。
突きをLv10にしたことで新しいスキルが開放された。中級スキル『マジックスライス』。
『投擲』をLv10に上げたことで、中級スキル『ラッキーショット』が解放された。
どちらを取っても今は意味がないから、SP1は残しておく。
結果、ステータスはこんな感じになった。
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名前:ユート(ユーティウス・プエル・コムス・ド・ラランティウム)
種族:人間 性別:男 年齢:15歳
職業:遊び人 Lv:15
筋力:F 敏捷:F 智慧:F 運:E
HP:58 MP:12
攻撃力:40 防御力:27
スキル(SP2)
攻撃スキル:
下級:『突きLv10』『投擲Lv10』
補助スキル:
下級:『みかわしステップLv15』
中級:『ボックスハイドLv21』
その他スキル:
『毒攻撃:毎秒48ダメージ』
『筋力2倍』
称号:
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続いてアイテムを確認する。
ノーマルのアイテムばかり。しかも品質は最低。ベルトで言えば紐ベルトがほとんど。売値も当然安い。
運が低いうちは仕方ない。
ただ『敏捷+15』『毒抵抗10%』が付いたノーマルレアの鱗ベルト(防御12 スタック数3)があったので、今の紐ベルト(スタック数1)を外して鱗ベルトを装備した。
あとノーマルだけどチェーンベルト(防御18 スタック数5)があったのでアイテムボックスへ入れる。
それ以外のノーマルアイテムは捨てることにする。
なんせ同じ紐ベルトでも防御が+1と+2は別アイテム扱いになる。スタック数が1と2でも別アイテム扱い。同じ形でもデザインや色が違っていたら別アイテム扱い。
マジックボックスのアイテム欄は一つにつき同じアイテムを255個まで重ね置きできるが、現在百個しかないアイテム欄がすでに60個ぐらい埋まっていた。
このまま埋まると貴重なアイテムが出たときに自動取得できなくなる。
だから整理して捨てるしかなかった。
10個ぐらいある首装備も全部ノーマルに見えた。
だいいち首装備には防御力や効果が付きにくい。
でもデザインが全部違うので別アイテム扱いになっている。ゲームより指定が細かい。
だからネックレスやブローチ、チョーカーやらを捨てて――いや、宝石が付いてるネックレスがあるぞ?
ゲームでは一律同じ値段でしか買い取ってくれなかったけれど、ここは現実世界だ。
宝石付きなら高く買い取ってくれるかもしれないと思ったので、宝石付きは残すことにした。
「いや、その考えで行くと……」
僕は捨てるためにアイテムボックスから出していたベルトの山に手を伸ばした。
革ベルトについている革製のポーチを外した。それを今装備している鱗ベルトに装着してみる。
「できた」
ベルトの左右にアイテムや小物を三つずつ入れられるようになった。スタック数6だ。スタック5以上あればかなり使い勝手が良くなる。
ゲームじゃアイテムのカスタマイズなんてできなかったけど、ここは現実世界だからポーチや小袋の付け替えもできるんだ。
当たり前かもしれないけれど、ゲームの設定や攻略法を知りすぎているからこその盲点だった。
ちなみにスタック数とはベルトについたポーチや小袋に差し込めるアイテムの数を指す。
ヒールポーションやマナポーションなど消耗品を入れておく。
――まあ、今は仕方ないけど将来的には『自動補填』が付いたベルトが欲しかった。
『自動補填』はベルトにだけ付く付与効果で、その名の通りベルトのポーチから取り出して使ったアイテムをマジックバッグやアイテムボックスから自動でベルトに補填してくれる。
いちいち鞄やアイテム欄を開いて補充しなくてもいいので、戦闘中にアイテムを消費する冒険者にとっては必須装備と言えた。
「……もしかして」
僕は閃きのまま手を動かした。
紐ベルトを選んで、小袋を外すと紐の端を一本になるよう結んでいく。
――ロープ代わりにするつもり。
「果たして、どう判定されるか」
僕は紐ベルトを繋いで30メートルぐらいになったロープをアイテムボックスへ入れた。
するとロープとしてアイテム欄が1枠だけ使用された。
成功だ。場所を取らないし、死の森をぐるっと囲む崖を越えるのにロープはあったほうがいいと考えていた。
アイテム欄がすっきりしたところで僕は立ち上がった。
「さて、と。行きますか」
僕は地下一階へ続く階段を上っていった。




