第51話 蜘蛛退治!
その後も森の中をあちこち歩いて蜘蛛を倒すこと一時間。時刻は昼過ぎになっていた。
レベルが上がったのは嬉しく思いつつ、いつしか森の南東にある山裾まで来た。
目の前には見上げるほどの高い崖が立ち塞がっている。
そして崖と高い木々の間に巨大な巣が張られていた。高さは五メートル以上ある。
青空を背景に透明な糸がキラキラと光っていた。
「むっ」
僕は顔をしかめて唸った。
崖側の上、岩の影に蜘蛛が隠れているけど、たぶん毒竜の蛇剣が届かない。
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種族名:ハイマウンテンスパイダー Lv45
攻撃力540 防御力1500
HP1500 MP460
スキル:『浮遊』『吸血』『鋭糸刺突』『糸伝電撃』『絡め取る』『落下圧撃』
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「レベル高いなぁ……」
しかも普通のマウンテンスパイダーじゃなくて、上位版だ。素早さが高くて攻撃が当たりにくいぞ。防御も高くてダメージが入らない。
でも即死率は75%か。当たれば倒せそう。
どうしますか? と言いたげにハニービーがブブッと羽根を鳴らす。
「崖を登る? ……うーん。崖に張り付いたまま片手だけで戦うのは危険だなぁ。もう少し降りてきてくれたらいいんだけど……」
少しばかり考える。
一応、おびき寄せる方法はある。
遊び人のスキル『口笛』だ。ただし、特定の場所かつ周囲に魔物がいないところで使うと、凶悪な敵を呼んでしまうことがある。
「でもまあ、レベルも上がったし、取ってもいいか――少し待ってね」
ハニービーに断りを入れて、僕はステータス画面を開いた。
そして、まず中級スキルの『ジャグリング』をLv10まで取る。すると『アクロバット』と『コミカルダンス』が開放されるので、両方10まで上げる。そしたら初級の『口笛』が開放されるので5まで上げた。
ステータスはこんな感じなった。
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名前:ユート(ユーティウス・プエル・コムス・ド・ラランティウム)
種族:人間 性別:男 年齢:15歳
職業:遊び人 Lv:40
筋力:C 敏捷:C 智慧:D 運:A
HP:1084 MP:212
攻撃力:342 防御力:447
スキル+10(SP13)
攻撃スキル:
下級:『突きLv10』『投擲Lv10』
中級:『マジックスライスLv30』『ラッキーショットLv15』
補助スキル:
下級:『みかわしステップLv15』『口笛Lv5』
中級:『ボックスハイドLv30』『ジャグリングLv10』『アクロバットLv10』『コミカルダンスLv10』
その他スキル:
『鑑定』『創造』『気配探知』『危険感知』『状態異常攻撃25%』
『攻撃25%』『防御50%』『HP増加51%』『魔防25%』
『攻撃速度15%』『回避80%』『移動速度190%』『回復率50%』『魔力回復上昇25%』
『状態異常抵抗30%』『毒抵抗10%』『火抵抗5%』
『筋力+25』『敏捷+145』『智慧+100』『運+102』
『筋力比率上昇×2(80)』『敏捷比率上昇×2(80)』『運比率上昇×5(200)』
『即死25%』『2の倍数即死25%』『3の倍数即死25%』『5の倍数即死25%』
『毒攻撃:毎秒96ダメージ』『火攻撃+15』
装備:
『毒竜の蛇剣』『エルフの礼服』『疾風のマント』『鱗ベルト』『イダテンブーツ』
『力の腕輪』『第六感』『まごころチョーカー』『マジックバッグ(ポーチ)』
『ハーデスリング』『フォルトゥナリング』『ラクシュミリング』『【鑑定】【状異抵】スピードリング』
『ブラフマリング』『バトルリング』『ファイアリング』『アイアンリング』『命の指輪』
称号:下級ダンジョン踏破(土抵抗2%)
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「よし。準備は出来た」
僕は蛇剣を持つと、地面を見渡した。
適度な長さの枯れ枝を拾って、ハニービーに言う。
「この棒で巣を突ついてくれない? 糸に引っかからないように」
ハニービーはブブブッと了承の羽音を鳴らして、枝を手に持って頭の上から飛び上がった。上空にある巣の方へ向かっていく。
僕はその間に巣の下に行った。
ハニービーが枝で巣を突つくと、岩陰から蜘蛛が出てくる。体長は僕より大きい。足先まで入れると数メートルはありそうだ。
複数の目が、揺れる巣と下にいる僕を訝しげに睨んできた。
「どうした、かかってこい」
そう言いながら僕は口笛を吹いた。下手くそな口笛。でも効果はあったようだ。
ザザザッと小石を蹴飛ばしながら、蜘蛛が駆け下りてくる。
僕は射程に入った蜘蛛目掛けて蛇剣を振るった。
すばやく身をかわされる。
「くっ!」
僕は素早く斜め後ろに移動した。このままだと押し潰されかねない。
蜘蛛の落下地点から離れつつ、僕は二撃目を振るう!
――が、体が予想に反して、変な動きをした。盆踊りとロボットダンスを足して二で割ったような動き。
「ここでコミカルダンスかっ」
ランダムで発動するゴミスキルの一つ。
Lv1では『アクロバット』だけだが、Lv20になると『ジャグリング』が増え、Lv40からは『コミカルダンス』が増える。
ちなみにLv60で『呆ける』、Lv80で『挑発』だった。
おかしな動きを続ける僕に、蜘蛛が糸を数本、針のように飛ばしてくる。
回避が発動してかわしたものの、マントの端に糸が刺さった。
ぐいっと力強く引き寄せられる。
慌ててマントを外すと、ボロ布は広がりながら蜘蛛へと飛んでいった。
――チャンス!
蜘蛛の視界が覆われる!
ダンスが終わった僕は、蛇剣を横一文字に振った。
ガンッと重い音がして、逃げ遅れた足の一本を叩いた。
ドクロの顔が浮かんで蜘蛛は力なく地面に巨体を横たえた。
――倒した。
すぐに素材となって飛んできたので、アイテムボックスを確認する。
「よしっ!」
普通のスパイダーシルクじゃなくレア素材の『空の蜘蛛糸』が入っていた。
喜んでいると、ハニービーが傍へ来てブブッ? と羽音を鳴らして首をかしげた。
「空の蜘蛛糸とフェアリーの羽根で、『天の羽衣』っていう最終装備が作れるんだ。だから嬉しくて」
――まあ。フェアリーの羽根が、シェリルたちフェアリーエルフの羽だとわかったので、入手が格段に難しくなったんだけど。
確定で手に入るダンジョンの宝箱を取りに行くか、フェアリーエルフに貰える方法を考えないと。
でも羽根を切ると生えてこないし、切られるのは罪人の証だそうで。難しいだろうなと思った。
僕はハニービーに確認する。
「それで、蜘蛛は全部倒した?」
ブブブッと肯定的に鳴らして、僕の頭に乗ってきた。
「そっか。じゃあ、帰ろう」
僕はハニービーに案内されて、女王の待つ蜂の巣へと向かった。
ブクマと評価ポイントありがとうございます。100ポイント超えて嬉しいです。
こつこつ頑張ります!




