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道化の僕が勇者の君を救いたい~追放された転生遊び人はゲーム知識で無双する~  作者: 藤七郎(疲労困憊)


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第11話 貢献ポイント

本日3話目。


 次の日。

 木漏れ日を通して降る朝日を肌に感じて、僕は木の上で目を覚ました。

 けれどしばらくは動けなかった。

 イーリスの明るい笑顔が瞼の裏に光り、その余韻に浸っていた。


 とはいえ、ずっとまどろんでもいられないので目を開けた。

 隣の太い枝を見れば、シェリルも枝にもたれるようにうつ伏せになって寝ていた。

 大きな胸があふれるように潰れている。


 目のやり場に困って、僕は目をそらしつつ木の枝から降りた。

 魔物の襲撃に備えて木の上で眠ったのだった。



 朝の日課のストレッチをしたあと、続いてお祈りをしようとした。

 ふと、お祈りも神への課金――貢献ポイントになるかと思い、ステータス画面を開いて確認する。


「えっ?」  


 思わず変な声が出た。

 貢献ポイントが75ポイントも増えていた。

 昨日からしたことを思い返す。

 ――どうやらシェリルを助けたことが、貢献したことになったらしい。

 やっぱり人助けが貢献ポイントを得る方法なんだ。


 続いて朝の祈りをしてみた。


「慈愛のまなざしで世界をあまねく見守る創世神 新しい朝を迎えられたことを感謝します」

 

 課金ショップを開くと、貢献ポイントが1増えていた。

 続いてもう一度同じ祈りをしてみたが、ポイントは増えなかった。

 祈りは一日一回1ポイントか。

 ――たった1かと思う反面、毎日すれば一年で360ポイント、十年で3600ポイント。アイテムボックスが一つ買えると思った。この世界の人は知らない情報だ。



 枝の上に寝ていたシェリルが目を覚ます。

 目をこすりながら僕を見下ろす。


「おはようございます、ユートさん」


「おはよう。朝ご飯食べたら、また練習しつつ西へ向かおう」


「途中、薬草を見つけたら摘んでいってもいいでしょうか?」


「うん、いいと思う。収入にもなるし」


「ありがとうございます」


 シェリルは笑顔で答えた。朝日を浴びて輝くような笑顔だった。


 その後は、適度な速度で歩きながら練習もした。

 薬草や解毒草も見つけたら二人で採集した。


       ◇  ◇  ◇


 次の日の昼頃、森の端まで来た。

 真上から降る日差しに照らされた草原が、遠くの山並みまで広がっている。老エルフの家は確かあの山の麓だ。


 僕は振り返ってシェリルに言う。


「どうだろう? 夜までに山の麓に着けるかな?」


「難しいと思います。この草原を抜けるだけで丸一日かかります」


「見た感じ魔物はいなさそうだけど、草に隠れてネズミ系や虫系が出るはず。草原での野営はやめた方がよさそう」


「少し早いですけど、休みますか?」


「そうだね。追っ手もないし、スキル上げの練習しよう」


「ありがとうございます、ユート先生!」


 シェリルは目を輝かせて言った。大きな胸が弾む。

 魔弓士のスキルのことを教えていたら、先生と呼ばれるようになっていた。


 シェリルは弓士の練習ばっかりしていたので、Lv17ぐらいあるのにスキルポイントをほとんど振っていない状態だった。

 そこで僕が指示を出しつつ、同じスキル動作を繰り返させる。そうするとスキルポイントが振られてスキルレベルが上がるようだった。



 パンと干し肉と水という、貧しい昼食を取った後、シェリルの練習に付き合った。


「ライトアローはスキルレベルを上げすぎないで。バーストアローが打てるようになったら、もう練習しなくていいから。――ただ、どんな魔弓士になるにしろ、攻撃速度が二倍になるマジカルベロシティと、複数同時攻撃になるパラレルグリッドはマスターしよう」


「はいっ、先生!」


 シェリルは額に汗を光らせつつ、魔法の矢を打ち続けた。

 しかし。『鑑定』か『鑑定:人』の効果が付いた装備がないと、細かいスキルレベルの数字まではわからない。

 『鑑定』さえあれば、もっと細かく指示出せるのに。


 ――欲しいなぁ、鑑定。

 一応、『鑑定』が付与されたアイテムが100%手に入るダンジョンがあるけれど。

 今いる場所からは遠かった。たぶん最短で移動しても数ヶ月かかる。


「しかも杖だしなぁ。遊び人は装備できない」


「どうされました、先生?」


「あ、いや。なんでもない。続けて」


「はい」


 シェリルは素直に魔弓スキルを繰り返す。

 それを見ながら『鑑定』が手に入る場所を思い返す。

 MISOならゴミみたいな値段で買えたのに。この世界じゃ『鑑定:人』だけでも国宝級の扱いだ。


 近場で拾えるのは『鑑定:物』か。

 『鑑定』は自力で取るしかないかな。運キャラならできるはず。

 そんなことを考えつつ、日が暮れていった。



 練習を終えて夕飯の準備をしているとき、何気なく貢献ポイントを確認した。

 すると今日だけで50ポイントも増えていた。

 いや、シェリル一人分としては増え過ぎでは?


 思うに、シェリルの命を助けた分と、シェリルに正しい職業を教えて助けた分が加算されたのではないだろうか?

 確かにこの世界は下級職の人ばっかりだ。僕が神様なら、せっかく上級職があるのに……と頭を抱えているだろう。

 今後も職業スキルで悩んでいる人は助けようと思った。


感想や評価ポイントありがとうございます! 執筆していく励みになります!

次話は明日「第12話 草原の覇者!」

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