77 騎士が見た特訓・・・
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再来月の武勲際と、もうすぐある武道大会に向け特訓は更に厳しくなっていく。
それはハンスから申し出たことではなくて、特訓に参加している者からそうするように言われたためである。
特訓の内容として、体力強化は勿論の事、各武器の基礎の型の訓練は序の口で、チームに別れての模擬戦、個人同士の模擬戦だ。
だが、そこまでは普通だ。
内容以外はだが、普通は致命傷を避けてそれらは行われるが、ここでは命を落とさないギリギリでの模擬戦だけあって、皆の上達も鰻登りに早い。
いくら模擬戦用の装備でいくらか安全だと言っても、命を失う事もあれば一生物の怪我を負うことだってある。
だが、ここでは違う。
「ロックバレット!」
「ぐっはっ!」
土属性の魔法であるロックバレットにより生み出された、人の頭程ある大きさの岩が、模擬戦の相手に当たり弾き飛ばす。
弾き飛ばされた生徒は血を口から吐き出し、地面に転がっていくが、突如、身体が白く光出したと思われたら、転がる体制を立て直した。
「お返しだ!ウォーターアロー!」
体制を立て直した生徒はそのまま、水魔法のウォーターアローを使い、水で出来た矢が一本、二本と徐々に数を増やし対戦相手に射出していく。
「あまい!」
対戦相手はその行動が分かっていたようで、軽やかに避けながら距離を縮める。
が、先程自分が放ったロックバレットの残骸に足をとられ、ついにはウォーターアローの的となった。
「グッ!」
咄嗟に武器で致命的な傷は回避したようだが、満身創痍の状態になる。だが、次の瞬間にはこちらも身体が白く光何もなかったように、模擬戦が再開される。
そんな光景があちらこちらと見られる中、今日から訓練に参加していた騎士団の10名は戦慄を覚えていた。
この10名は国王直属の騎士団員であり、実力はかなりあるがハンスはそれぞれがどんな動きで、どんな武器を使うか分からなかったため軽い基礎練習をさせられていた。
剣魔学校の生徒と言ってもまだ子供だ。
そんな物達より軽いメニューを指示されたときは、舐めているのかと心では思っていたが、この訓練に参加するように命令したのは国王からだ。
いくらここの指導者がハンスという子供でも、言うことを聞かないと行けないのだ。
だが、いざ訓練が始まると後悔した。
この地獄のような訓練に対して。
そして騎士団のだれもが思うことと言えば。
(((((俺達、ここで死ぬんではないだろうか・・・・・・ここは地獄か何かか?)))))
正に心の中で騎士団の団員が一つになれた瞬間だった。
「ほら、エリオット!止まらない!相手をよく見て!君が出来ることは他にもあるだろ!!スキルは持ってれば良いんじゃない!使わないと、使えないと意味はないよ!」
「り、了解した」
(((((だ、第二王子!!!!鬼や!あの子鬼や!!)))))
訓練中には貴族も王族も関係ない。
そんな甘えは死に、怪我に繋がるからな。
ハンスは分身をフルに使い、神格のサポートにより訓練場の全てを把握している。
ハンス本人と2号が、回復等の魔法を担当し、3号と4号が当たり処が悪い攻撃に対して、当たる瞬間に防御力強化の魔法や逆に弱体化の魔法等も担当で、5号と6号が皆の注意点をその場で言い渡し、7号のサポートに当たっている。
だが、この模擬戦組と実は対象で隣のスペースでは、7号が唱える魔物召喚により、本物の魔物と戦闘をしているチームもいくつもある。
ここのサポートとして、5号と6号も魔物召喚を唱えていた。
「ヤック離れて!」
「おう!」
「ファイヤーボール!」
魔物一体に当たった魔物は火柱を上げ魔物を焦がしていく。
が、炎の中からダメージは与えたものの致命傷にはなっていないロックタートルは口から石礫を吐き出し周りを攻撃してくる。
「任せろ!」
そう前に出てはスモールシールドを構え、他のメンバーを後ろに下がらせる。
「ぐっ!」
だが、所詮はスモールシールドでそれで防げる箇所といったら少ないので、致命的なダメージのみを防いでいるレーベンに対して、メンバーの一人から回復魔物が飛んで来る。
「助かったレーベン。後は任せろ!」
そう言ってロックタートルの前に飛び出し、頭をハンマーで叩き潰すブロン。
そこで、ロックタートルは倒され光になって消えていく。
だが、分身7号が新たに魔物の素材を使い、新しい魔物を召喚していく。
そんな光景が何度も何度も繰り返されて行くのだった。
そしてそれを見守る様に監視席に座る人物とそれを見守る騎士数名は、ただ、ただ、その光景を見るだけしか出来なかった。
(何なのだ!この訓練内容は!エットめ!何が小さい子供ながらも将来が有望な人材を見つけただと?話を聞くのと見るのでは全く違うではないか!有望?はっ、有望処ではないわ!あのハンス見たいに皆を特訓が出来るものは、この国・・・いや、この大陸どころか世界には居ないだろう。そんなレベルだ。だがゆえに恐ろしい子よ。あの力がいつ我々に向くかもしれないと考えたら、末恐ろしいもんだ。話してみると良い子ではあるがな。待てよ?ハンスには他にも仲間が居ったはずだが・・・そうか、学生の身分ではないので居らんだけか。はて?なら何処におるのだ?)
フリゲル国王はそう考え、騎士の一人を近くに呼ぶ。
「剣魔学校の新学期が始まったくらいで、このメルガイに現れた目立つ人物を探して見てくれ」
「はっ!・・・冒険者ギルドに聞き込み調査してきます!」
そう言って騎士の一人が訓練場から出ていく。
※※※
「なに?それはどういう意味だ?」
時間は過ぎフリゲル国王の書斎に、冒険者ギルドで調査をしていた騎士から報告を受けていたフリゲル国王が、腑に落ちないといった表情で、騎士を見る。
「当初、ギルドに登録に来た者が3人居り、その一人はハンスに間違いなく、他の二人はソウシュとセキメと言うみたいです。
ただ、二人にはギルドのクエストの受注履歴がなく、冒険者ギルドではそこまで注目していない人物のようです。ただ、それっきりソウシュにつきましては、何処に居るのか分からず、セキメにしては、毎日のように個人商会に魔物や薬草等を売っている見たいです。コボルトを連れてですが・・・」
調査をした騎士は手に入れた情報をフリゲル国王に報告する。
にしても騎士が調査した時間は、遅い時間に始めたものの多くの情報が手に入った。
まず、騎士は冒険者ギルドに行き情報を集めた。が、元々冒険者ギルドでは個人の情報を守秘義務とし、如何なる相手にも情報の提供はしない。だが、その者が犯罪に手を染めてない場合だが。
ギルドに直接聞いてもやはり教えてくれないので、ギルドに併設されている食事所・・・ほとんど居酒屋と化しているが、そこで食事している冒険者に聞き込みを始めるも、怪訝な様子で騎士を見てくる者ばかりだった。
そこはやはり冒険者といえるが、お酒を奢ったり、チップを渡すと先程の様子が嘘のように情報を落としてくれた。
地元の冒険者だけあって、情報をしっかり集めているものも何人も居て、欲しい情報が手に入る事に騎士は安堵していた。
「いや、ハンスがコボルトやゴブリンをティムしているのはエットから聞いていたが、そのソウシュにセキメだったか?ギルドに登録に来たと言ったな?それこそ本当なのか?」
報告を聞いたフリゲル国王はソウシュとセキメのメルガイで行った冒険者登録に対して違和感を感じた。
「本当見たいです。その時Cランクの冒険者相手にランクアップ試験をしたらしいのですが・・・圧勝だったとか・・・」
「うむ・・・ハンスだけじゃなくその者も規格外の可能性があるな・・・仲間は2名のみか?」
圧勝・・・新人の冒険者の中には確かに腕がたつ者も居ないではないが、そういった者は何かと有名だったり、何かしらの功績を上げていたり、違う業種からの転向で何処かのギルドに入っていた者ばかり。
詳しく調査出来なかったから、他のギルドに加入しているかどうかは分からないが、調査するなら後日となり時間もそれなりに掛かるだろう。
そんななか騎士はもう1つの情報を報告した。
「いえ。ギルド違いではありますが、大工ギルドにもハンスを含めた3人が来ていたみたいです」
「なに、大工ギルドにか?」
フリゲル国王が全く考えていなかった所だったため、少し声が上ずってしまった。
「はい、今はゴルダにトウカなる者がギルド登録をしクラン【酒と仕事】で働く姿が確認されているみたいです」
「そこではゴルダとトウカとな・・・しかも大工ギルドか、全く分からん。何故大工ギルドなのか・・・他にはあるか?」
いくらフリゲル国王も考えても意味が分からない、そのため他に情報があるか騎士に尋ねる。
「はっ、時は同じくらいに冒険者ギルドに登録した者が数多く居ますが、ハンスとの繋がりは今の現状分かりませんでした」
「そうか・・・ご苦労。引き続き調査を頼めるか?」
「はっ!了解致しました!」
そう言って騎士は部屋を退出・・・
「ちょっと待て!」
出来なかった。
「は、はっ!」
何かしたのか騎士は緊張していた。
「いや、すまぬ。エットの話を思い出したんだが」
「団長のですか?」
「うむ、ハンスの従者の中にはコクセキにハクなる者も居たそうだが、追加でその者等も頼む」
ラザト村でハンスと共に居たハクと、コープルから騎士団とラザト村に向かったコクセキの話を思い出したフリゲル国王だった。
「了解致しました!」
そう言って騎士は部屋を出ていく。
「何もなければ良いが・・・」
何故かハンスの知らぬところで評価が上がったり、悪評があるのではないか?何か企んでないのか?と思われて居た。




