8 試験官バルトール視点と魔力試験
俺は第一次試験で体力試験官のバルトール!
剣魔学園で普段は体術を中心に教える教師でもあるんだが、入学試験では毎年体力試験官として任期に着いている。
まぁ、なんだ、実は剣魔学園の全試験科目の中で一番の不人気科目と言われているのだ。
来るのはグランドの手前で重りをつけて試験に挑む・・・というか、試験中に訓練か?試験受ける気あるのか?と言う疑問がある二人組にの他、ここに来るやつは大抵他の科目が合格出来なかった者が藁にすがる思いで受けに来る者しかいない。
試験が始まったばかりの時は本当に毎日が暇だったんだが、アイツには驚いた・・・と言うよりなに者だ?って冷や汗が止まらなかったぜ・・・教官歴が長い俺でも初めての体験だったのは間違いない。
俺の名はバルトールこの剣魔学校の実技の教師の1人だ!
今日も清々しい日だぜ!
それにしてもだ、いくら剣魔学校入学試験で体力を試験するにあたり一番きつく、合格率が悪い不人気の《体力》試験でもアイツらはなんだよ!
受かる気あるのか?今日でアイツらが来て3日目だが何だろうな?身体にあんな重りを付けてからに・・・。まっ、実戦は確かに体力はいるが今ここでやらんでも良かろうに。
確か去年もあんな事してた奴らいたよな?
「あの、試験を受けに来たんですが?」
んっ?受験者か。
「よく来た!試験管のバルトールだ、受付で貰ったプレートを出してくれ」
コイツは他の項目がダメだったのか?
「はい、これですか?」
えっ、ダメだった訳では無いな、登録は先程行ったのか。
「おう、これだよし、ハンスか!確認できたぞ!それにしても珍しいな、体力の試験を受けずに他の試験を2つ合格し二次試験に行く奴らが多いに?」
コイツは受けるの初めてなのか?
「そうなんですか?すみません知らなくて・・・。でもよろしくお願いします!」
やはり初めてか、だがここの種目から選ぶ奴は度胸があるな!
「うむ、よく言った!それじゃ腕にこのバントをはめてくれ」
「これは?」
「ああっ、コレか、コレは不正防止の魔道具だよ。ここでは走り込み10キロに腕立て100回腹筋100回をしてもらう。チンタラしてたらタイムアップで不合格だからな?まっ、何回も受けれるから心配はしないことだ。全力で行ってこい!更にそれぞれが完了したサインはその魔道具が教えてくれるから、サインが出たら俺の所まで持ってくるんだ。それで体力試験は合格だよ!」
「はい、分かりました!行ってきます!」
うむ!いい返事だ!受かるといいんだがな、見た感じではそこそこってとこか。
「もし、怪我しても心配無いからな!治療班も居るからよ!がっはっは!」
「バルトール先生!」
保険教官のイリーダ先生か。
「おっ!イリーダ先生どうされました?」
「はぁ、昨日の体力受験者で運ばれて、バント型魔道具をそのまま付けたままだった人達のリストと受領の書類です。今日までに作成出来ますか?それと、今日もその子達が来たら無理はしないように注意をお願いしますね」
「了解!任せな、相変わらず人少ないから試験中にでもやっとくよ!がっはっは!」
「もぅ、ちゃんと受験者達も見ててくださいね?」
「大丈夫だ今4人しか居ないから余裕だよ」
「分かりました、よろしくお願いします」
はぁ、にしても書類作成苦手なんだがな。よし!パパッと終わらせるか!
**体力受験者サイド**
「サイモン!もっと重りを追加するぞ!お前は魔法がからっきしなんだ。責めて武術と体力で合格し剣魔学校に入学するんだ!その為にも後1ヶ月はあるからなゆっくり体力と力をつけて行くぞ!」
「はぁはぁ、それにしても両手両足に重り20kgはやりすぎだと思うんだけど」
「ん!俺も同じ重りをつけてるから我慢しろ!何なら冗談で持ってきた50kgを付けるか?」
「うっ、頑張るか」
「どれから終わらせるかな、んっ?重り、そっかこの重りを付けての試験か!なかなかハードだな」
「君は?」
「あっ、俺はハンスって言いコープルから来たんだけど・・・よっ、なかなか重いな、まずは腕立てから腹筋に最後に走るか」
「おい!それは俺た、はぁ?」
「サラミス」
「ど、どうしたサイモン」
「あれって1つ50kgだよな」
「あ、ああ、両手両足で200kgのやつだよ、な?」
「俺も持ってくるのにやっとだったんだが、アイツ四つ全部つけてないか?俺の見間違いか?」
「いや、見間違いでは無いようだが」
***
「ふぅ、腕立てに腹筋がやっと終わった、最後は10キロ走か、なかなかキツイな、よし!やるか!」
「なぁサラミス。」
「ど、どうしたサイモンよ?」
「俺はちゃんと起きてるか?」
「だ、大丈夫だ、俺もお前もちゃんと起きてる、はずだ」
***
ドスン!ドスン!
「はぁはぁはぁ、きっつ!流石剣魔学校の試験、はぁはぁ、こんな重りを付けてなんて、合格率低いわけだよ。はぁはぁ」
ドスン!ドスン!
「はぁはぁはあっ、ふぅ」
「んっ?さっきの?ああっ、やっぱりリタイヤか?あーあそんな汗だくでなぁに後1ヶ月地道に頑張りな!」
こんなに早く早速リタイヤか、結局は勢いは最初だけだったか。
「はぁはぁ、いや」
リタイヤでは無い?なら休憩か?
「んっ?どうした?リタイヤじゃ無くて休憩中だったか?それはすまん事を言った!」
「はぁはぁ、終わったんだが?」
「はぁ!何を言っている!?お前が中に入ったのは3・40分位前だったじゃないか?嘘をつくな!全て魔道具に記録されてるからそれも出来んぞ!」
馬鹿な!こんなに早く終わる奴なんてなかなか居ないぞ!
「はぁーこれを」
疲れた体でバント型魔道具を渡す
「・・・」
10キロ走20分 腕立て5分 腹筋5分
「えっ」
「合格だ」
バルトールが合格と言いプレートに魔力でその内容を書き込んでいく
今のハンスの記録について、もしそれぞれ同じタイムを出そうとして出来る出来ないと言えば出来ると言える。が、物凄く身体を鍛えた人や獣人にとってはだ。
しかも、年齢も考えなく更には強化魔法を使えば更に簡単になる。
だがそれはそれぞれのタイムを出そうとするならの話で、全てを一気にとなるとかなり難しく。
しかもこのバント型魔道具は純粋な体力や力を試験を測るために、ある程度の魔力を封じ強化魔法を使えなくするといった機能もある。
結果ハンスの記録は剣魔学校始まって以来の大幅な数値で、この数値なら冒険者ランクC-からC+に値するとバルトールは考える。
再度バルトールが声を掛けようにも既にふらふらしながらも次の試験場所に向かって行った。
ここでバルトールの誤算はハンスに当てはまる冒険者ランクを考えたのはいいのだが、ハンスが重りを付けて試験をしてた事を見ていない。
そのまま書類を確認し、受領のサインをしていたのだから。
その事も踏まえ試験管として受験者を見ていなかった事がバレ、給料が一定期間下げられる事になるとはまだ彼は知らない。
****
一方ハンスは次の試験場所まで移動していた。
体力の試験があっていた隣のグラウンドは特殊で端に大きな建物がある。
その場所こそ次の《魔力》の試験場所だった。
因みにだが建物の隣では魔法の実技の試験を行っているようで、そこそこの受験者が集まっていた。
「んーっ、魔法の実技って第何時試験かな?あれは火の魔法、みんな割合的に火属性が多い見たいだけど、何でなんだろ?何かあの人達の魔法、
・・・違和感があるな。」
「おっ!君も受験者かい?」
ハンスが独り言を言っていた時、急に知らない男から声がかけられる。
「えっ、あっ、はい」
「あー、急に声かけてスマンな!俺は剣魔学校ニ学生のオロロギ・ナイドウ・カリスって言うんだけど。因みに剣魔入学試験の手伝いをしてるんだよ。」
この男はオロロギ・ナイドウ・カリスと言うらしい、見た目は12~14歳位で体格は引き締まっていて身長も高い。
「ハンスって言います」
「おっ、ハンスかよろしくな!でっ、さっきのハンスが言っていた内容なんだが?」
内容?ああっ。
「あの試験は第何時試験かと火系魔法の事ですか?」
「その事だ、もし時間があるなら教えれるが?」
「良いんですか?良かったらお願いします」
「もちろんさ、まず、あれは第二次試験の内容で《魔法実技》だよ」
「第二次試験か、なら次か」
「はっはっは、気が早いな!まずは第一次試験をクリアーしないとな!でっ、次に何故火属性の魔法が多いかは、受験者の中では噂が流れてて、魔法実技で火属性にすると他の魔法より目立って合格しやすくなるってな」
「噂ですか、初めて聞きました、本当に火属性だったら合格しやすくなるんですか?」
「只の噂でデマだからそんなことは無いよ、見てるとわかるが火属性に適性がない受験者でも無理に覚えて威力が無かったり、制御出来なかったり、そもそも使ったら瞬間に倒れる奴まで居るだろ?」
「そう言われてみれば、変な違和感はそれだったのか」
「魔法が疎い奴は気付かないものも多いさ、魔法を使える者はかなり貴重だからね。実際は生活魔法しか使えなくてもあの試験は合格出来る。が、生活魔法ですら覚えるのが大変だからな」
「そういえばうちの街も同い歳の子供なんか使える子は少なかったな」
「まっ、そう言う事だよ。でっ、ハンス君は試験はなにか受けたかい?」
「あっ、さっき体力の試験受けて合格したから次は魔力の試験に行こうかと」
「珍しいね、かなりキツイ体力から受けるなんて、次は魔力なら場所は分かるかい?」
「はい、大丈夫です」
「あっ、言い忘れていた」
「どうしたんですか?」
「第一次試験はどれか2つ合格したら第二次試験に移れるが、移る前に全て合格しといた方が良いクラスに振り分けられるぞ!
1度第二次試験に移ったら、第一次試験は受けれないから注意だな。」
「やっぱりクラスによって良いも悪いも有るんですか?」
「ああ、あるぞ!」
オロロギ・ナイドウ・カリスが言うには。
クラスは上はSSからHまでクラスがあり以下のようになっている。
SS クラス 10名 (10名×1クラス)
S クラス 20名 (20名×1クラス)
A クラス 40名 (20名×2クラス)
B クラス 40名 (20名×2クラス)
C クラス 60名 (20名×3クラス)
D クラス 80名 (20名×4クラス)
E クラス 80名 (20名×4クラス)
F クラス 90名 (30名×3クラス)
G クラス 120名(30名×4クラス)
H クラス 120名(30名×4クラス)
その他には試験を全部受けなくても、かなりの実績が残せればそれだけでも上位のクラスに入れるとかで、他の受験者は自分の得意な項目を受ける者が必然的に多いという。
クラス分けの話を聞きハンスはオロロギ・ナイドウ・カリスと別れ、魔力の試験があっている建物へと入る。
中に入ると既に沢山の受験者で溢れていた。
少し試験の内容を観察すると、試験管の前には大きな水晶玉が置いてあり受験者が魔力を流しているみたいだった。
ここでは単に魔力の容量を測るための試験だった。
ここに来る以上は殆どの受験者は魔力があるのだがその容量次第で合否が確定されている。
1通り試験内容を観察し終えると受験者の列へと並ぶ。
流石にその列は1列だけでは無く何列もあり、その先にはそれぞれの試験管+水晶玉が用意されている。
魔力を測るだけなので、1人あたりにかかる時間も短くそう時間もかからずハンスの順番となった。
「ここは魔力の試験だ、受験プレートを出してくれ。」
試験管の男性にプレートを渡し簡単な説明を受ける。
やはり、ここでは魔力の総量を測るための試験で、水晶玉に向かって全力で魔力を流さないといけないとの事だ。
「本当に全力で魔力流して良いんですか?小さい頃測った時に異常に魔力は高かったんですが?」
実際は全力での魔力は隠したいとも少しは思っているんだが・・・
「ん?試験に落ちたいなら全力でしなくてもいいが?」
「じ、じゃぁ、徐々に魔力を上げて規定値を超えたら教えてもらうってのはどうです?」
次の瞬間聞いたことのある声が聞こえる。
「誰か、変な事をいう奴がいると見てみればお前か!」
その急な大きな声に試験管もソイツの方を見る。
ハンスは先程の名前を思い出しながら声に出す。
「ドドリアン・バカ・スカンク・・・だったか?」
びきっ!
「どんな間違い方だよ!バカってそんな名前あるか!!舐めやがって!それに言葉の意味はわからんが、臭そうな名前にしやがって!俺の名前はドドリアス・バッカ・ワープスだ!」
茹で蛸みたいに赤くなり叫んでいる。
「ああ、それそれ、そんな名前だった。でっ、試験管さん始めても?」
「い、良いのか?あっちは何か騒いでるが?」
「興味も無いし、只の他人なんで大丈夫ですよ。」
「くっ!華麗に無視しやがって・・・大体何だよ!自分は魔力の総量が大きいから合格規定値になる迄ゆっくり魔力を上げていくだと!そんな魔力コントロールは熟練の奴しか出来ない!お前みたいな糞が出来る訳がな・・・・・・」
ドドリアン・バカ・スカンク、基、ドドリアス・バッカ・ワープスが叫んでいる間に水晶玉へ魔力を流す。最初流す魔力も注意をしながら最小な魔力を流していた。
魔力を徐々に上げていく途中でドドリアス・バッカ・ワープスが目と口を開け固まる。
魔力を少しづつ流してたがハンスが思うに、規定魔力量が足りないのか試験管が教えてくれない。
余り後の受験者も待たせる訳にはいかないと判断したハンスは
「規定値までまだ時間がかかりそうですか?それなら流す魔力を増やしてみます。」
試験管にそう告げると水晶玉に流す魔力量を増やす。
魔力量を増やした結果、試験管の顔色が変わっているのに気づかないハンス、試験管も何とか思考回路が少しづつ戻り
「え?あ、いや、あー、その・・・合格です」
「ん?終わったのか?良しクリアー出来たな。」
遂に魔力試験も合格か!
にしてもあのドドリアン?だっけ?こんなに受験者居るのによく会うよな・・・日頃の行いだろうか?
正直なところ面倒な奴は嫌いだ・・・取り敢えず無視に限るか?
4/3句読点等の見直しをしました。




