7 試験開始!まずは体力試験
宿がうまっているなんて・・・もっと早くメルガイに着くべきだったな。
にしても、メルガイの現在の人口は凄いことになっていないか?
それに、今の時点で宿が空いてないに正門に未だ並んでいる人は何処に泊まるのやら・・・。
いかん、考えない考えない・・・。
「んーっ!よく寝た!」
さて、これからどうするかな?
とりあえず顔でも洗うか!
外も明るくなり自然と目が覚めたハンス、顔を洗い部屋の外へ出る。
そこは田や畑が広がりさらに奥には草原が広がる。
そう、昨日泊まる宿屋が無く思いついた事は、拠点に泊まることだった。
簡単な生活用品は盗賊のアジトから手に入れていたものを取り敢えず使い寝ることは出来た。
流石にそのまま使うわけにはいかなかったから浄化の魔法をかけたところ、臭い匂いや変な汚れも綺麗に取れ寝るだけなら充分となっていた。
「この拠点には広い畑があるから何か植えたいな。流石に俺1人だと流石にこの広さは無理があるし新しくゴブリンを創るか?いや、そいつらの食料も無いわけだしな俺1人でコツコツやるか。」
***ハンス様、開拓するにはいい方法があります***
「んっ?いい方法!」
***はい、まず1つ目は分身に作業をお願いすること、2つ目は召喚魔法です***
「その手があったか!分身は全部で4体まで出せるしね!」
さっそく3体の分身を作り出す。
「2号・3号・4号よろしくな!内容はさっきの通りだから」
「おう!任せな」
「それじゃ本体は召喚魔法をお願いな」
「後、農業に必要な道具と作物な!」
「よし来た!」
召喚か、どんな形が良いかな?
ハンスの固有スキルである召喚魔法は聖魔召喚。
ザックリした内容は
《聖魔召喚》
召喚の実行者の魔力・魂の力をもって最高で2体まで生命体を世界に権限させる。
召喚者によりその形は決められる。
人形なら聖人・魔人 獣型なら聖獣・魔獣と呼ばれる。
その力は召喚者により能力も変わる。
ざっと説明はこんな感じ!
世界にはその他の召喚魔法も存在する。
例えば、精霊と契約しその精霊を召喚する《精霊召喚》
最もポピュラーな召喚と言えば魔物や生き物を召喚する《召喚魔法》こちらは召喚の対象との契約が必要だが、ハンスの召喚魔法は《聖魔召喚》であり上位の召喚魔法と言える。
実際には精霊も魔物もその他生き物も召喚可能だがハンスと契約している者しかその場合は召喚出来ない。
《簡易召喚》もあるのだが、その場限りの召喚魔法でその内容は簡単。
召喚したいものの体の一部を持っていればいいとお手軽な魔法だ。
「しまった聖魔召喚って1人2体までしか召喚できないんじゃ・・・人員足りるのか?」
「いや、本体足りないことはないが2体では厳しすぎじゃね?」
※※※ハンス様それは大丈夫かと※※※
「神格か、大丈夫とは?」
※※※聖魔召喚は1つの魂で2体召喚が出来ると言うことはハンス様なら魂が融合したとはいえ3つ存在していたので6体まで召喚可能です※※※
「本当か?神格。」
※※※はい、間違いありません※※※
「よし、それなら!」
「聖魔召喚!」
ハンスの前には聖属性の大きな光と魔属性の大きな黒い光が無数に集まりそれぞれの形を整えていった。
結局召喚対象の形は人形に決めた、聖属性は3人で魔属性も3人だ。
「「「我らはあなた様の為に、この生命尽きる迄ご主人様を守ります!何なりと御命令を!」」」
聖属性と魔属性での属性に対して反発もせず聖人、魔人共に声を揃えて挨拶してきた。
「うん、ありがと、それじゃ説明するよ!皆の事は通称聖属性なら聖人、魔属性なら魔人と呼ばれているが俺達は両属性揃っているので聖魔人と略してもいいかな?」
「「「はっ!」」」
次に聖魔人達にこの空間の事、そしてその作業について説明をする。
そして分身にそれぞれ二名づつ召喚した彼等を付け、農業について学ばせる。
名前も無くそのままでは呼びにくいこともあり名前を付ける事にした。
まずは聖属性達
1人目-《ソウシュ》男性型で髪色は青く背は170cm
2人目-《ゴルタ》 男性型で髪は金色で背は170cm
3人目-《ハク》女性型で髪は白く背は160cm
次は魔属性達
1人目-《コクセキ》男性型で髪は黒く背は170cm
2人目-《セキメ》女性型で髪は赤く背は160cm
3人目-《トウカ》女性型で髪は桃色で背は160cm
に決定しそれぞれ誰もが振り返る美男美女達で年齢も20歳くらいにした。
班訳けは
2号-ソウシュ・セキメ
3号-ゴルタ・トウカ
4号-ハク・コクセキ と決め次に農具を創造し配る。
農具と言ってもまずは桑なのだが。
草が生えたとき用にザルや籠・鎌等も予備として創造する。
この空間も時間の流れは外と変わらず、そろそろ剣魔学校の受付も始まるとのことで拠点は2号達に任せハンスはメルガイに戻る。
2号達は別に食事をする事は必要無いが食べる事も出来る。
昨日買い置きした物があるから1食は大丈夫として、残りはメルガイにて現地調達するらしい。
昨日の受付があっている場所まで戻って来たハンスは順番の列に並ぶ。
「到着が遅れたのが痛かったな・・・」
その列には既に25人程並んでいた、受付自体は何も1つでは無く20以上の場所があったにも関わらずどの列も同じ位並んでいた。
まぁ、メルガイについたハンスは大通りの屋台等で軽い朝食を済ませ、美味しかったものは余分に買い込みそれで時間がかかっていたのだが。
「おい!お前、ずいぶんと汚い格好してるがどこの貴族だ?」
突然後ろから声を掛けられ振り向くと、そこには列にも並ばずハンスに声を掛ける少し太った体格の男がいた。
ん?なんだコイツ・・・汚い?俺が?ああっ確かに・・・父さんや母さんから剣魔学校を受けるからってそれなのにいい服を貰ってもここ迄の旅で多少なり汚れたからな。
「ああ、済まない、気付かなかった」
「浄化!」
浄化魔法を使い洋服や靴をまるで新品と間違える程綺麗にする。
それを見た周りのものは「マジか・・・」「何だ、アイツは・・・」等と言っているが、ハンスに声をかけた本人は
「浄化魔法・・・い、いや、そうじゃない、もう一度言う。汚い格好しているがお前は何処の貴族かと聞いている!」
「はっ?汚い格好?お前は何言っている?今綺麗にしたばかりなんだが?それに俺は貴族じゃないが?」
「貴族じゃないだと?まっ、お前のカッコを見れば分かることだったがな」
「・・・じゃなんで聞いたんだ?意味が分からん」
「お前、口の聞き方に気を付けろ!俺様はメルガイの貴族でドドリアス・バッカ・ワープスだぞ!」
「ん・・・すまん、始めて聞く名だ」
違う列では「おい、アイツ見ろよ、平民がワープス家に絡まれてるぞ!」「おい、やめろ!ワープス家と言ったらここいらで幅を利かせている貴族で、しかもいい噂がない。こっち迄目の敵にされたらたまらんぞ!」「それもそうだな・・・」など聞こえる。
んっ?周りの声が聞こえるにコイツはかなり偉いとこの貴族の家か?何でまた俺なんかに話し掛けてくるのかね・・・全く面倒臭いな。
「馬鹿にしてるのか!まぁいい、そこの場所を譲ってお前は後ろに並べ!」
ハンスの後ろには更に40人以上が並んでいる。
「意味が分からん」
面倒くさかったのもありハンスは無視することにした。
後前は15人と言ったところか早く受付終わらんもんかね・・・こいつ面倒くさいし・・・はぁ
「お、おま、お前!この俺様を無視するのか!」
「はぁ・・・お前なあ、剣魔学校は貴族も平民も平等なんだ。今からそんな態度でどうすんだ?しかもそのドドリアス・バッカ・ワープス?俺には全く関係ないな」
「くっ、馬鹿にしやがって!」
ハンスの言葉でキレたドドリアス・バッカ・ワープスは勢いを付けハンスの顔めがけ殴りかかってくる。
ハンスはぎりぎりの所でしゃがみこむ。
そうすると相手の身体がその上でバランスを失いその後はタイミングを見計らい勢いよく立ち上がる。
そんな行動をされたドドリアス・バッカ・ワープスは一瞬ハンスが消えたと錯覚しバランスを崩す、気が付いたら下から体を押し上げる力を感じながらその場で前転し背中から石畳に落ちる。
「かはっ!」
その衝撃は肺の空気が抜けるのに充分だった。
そのまま呼吸が出来なくなりその場で蹲り咳き込むドドリアス・バッカ・ワープス。
「ゲホッ、ガハッ、ゲホッ!」
「自業自得だな」
その全てを遠くから見ていた謎のお爺さんは
「ほう・・・これはこれは・・・」
と言い何処かに去っていった。
次第に息も整ってきていたドドリアス・バッカ・ワープスは
「はぁはぁはぁっ!ちくしょう俺様に恥をかかせやがって!お前の名は!」
「そんな面倒なやつに教えないって・・・」
そう言うと物凄く睨みながらも違う列へと行くドドリアス・バッカ・ワープス、違う列でも同じ事をやり、その列で目に付いた平民であろう女の子に順番を変わり。こちらより先の方へ行けたためか勝ち誇った顔をこっちに向けていたが、ハンスがその事も無視をするとすっごい睨んできた。
場所を強制的に変わられた女の子はすっごく悲しい表情をしていた。
その子が横を通り過ぎるくらいにハンスは
「ねえ、君大丈夫?なんかすまん・・・俺がアイツと変われば君があんな目に合わずに済んだんだが・・・良かったら俺と変わってくれないか?」
「へっ・・・!いえ、大丈夫ですよ・・・流石に平民は貴族に文句言えませんから・・・あなたは大丈夫なんですか?あの貴族に目をつけられて?」
「ん?俺は平気だが?それより本気で変わってくれない?並ぶのは慣れてるしな」
「本当に良いんですか?」
「ああ、もちろんさ!」
「あの、私はフルファート・カダリ・サラって言いますあなたは?」
「俺はハンス、ルファート・カダリ・サラ?その名前は・・・君は貴族じゃないのか?」
「少し前に没落したんです・・・、あなたはハンスって言うのね!剣魔学校合格する様に頑張ってね!」
「ああっ、ありがと!君もね!」
金色の髪をした容姿的にも整った女の子サラと列を代わりハンスは最後尾へ並び直す。
結局順番が来たのはそれから2時間後だった。
「こんにちは!こちらは剣魔学校入学試験受付です。受付料をお願いします」
剣魔学校入学試験受付料は50万貸円金貨で5枚だ。
それほど安くはない。
もちろん払ったとしても試験に合格しなければ無駄金になる。
平民でそれなりに実力があっても受験料を払えなければ試験を受けられない。
だが貴族優先に合格させる為のものでも無い。
その金額が高いばっかりに一時期は合格者は50人を切ることもあったらしい。
ハンスは受験料を払い受付の説明を聞いていた。
受験料を払った人には金属のプレートを与えられ、第一時試験として試験期間中に四つの試験を受けなければならないとかで、その中からまずは2つ合格したなら第二次試験へと進めるらしい。
試験は第4試験までありそこをクリアーすると実質の入学となるとの事だ。
今は試験期間中でもあり、後6ヶ月はあると言う。
入学は出来るとしても来年の3月だった。
期間だいぶはあるけれどそんなハンスもまずは第1時試験を受けに行く事にする。
第1時試験の会場は魔道グラウンドと武道館という場所で、魔道グラウンドは特殊な結界に覆われているところで武道館は大きな建物の中だった。
第1時試験内容は《体力》《実技》《魔力》《アピール》でまず向かったのは《体力》の試験があるところだった。
だがそこで受けている人数が3人と少なく、本当にここか分からず近くにいたマッチョな男性に声を掛ける。
「あの、試験を受けに来たんですが?」
「よく来た!試験管のバルトールだ。受付で貰ったプレートを出してくれ」
どうやら試験管らしい。
「はい、これですか?」
「おう、これだよし、ハンスか!確認できたぞ!それにしても珍しいな。体力の試験を受けずに他の試験を2つ合格し二次試験に行く奴らが多いのに?」
「そうなんですか?すみません知らなくて・・・。でもよろしくお願いします!」
「うむ、よく言った!それじゃ腕にこのバントをはめてくれ。」
「これは?」
「ああっ、コレか、コレは不正防止の魔道具だよ、ここでは走り込み10キロに腕立て100回腹筋100回をしてもらう。チンタラしてたらタイムアップで不合格だからな?まっ何回も受けれるから心配はしないことだ、全力で行ってこい!更にそれぞれが完了したサインはその魔道具が教えてくれるからサインが出たら俺の所まで持ってくるんだ。それで体力試験は合格だよ!」
「はい、分かりました!行ってきます!」
「もし、怪我しても心配無いからな!治療班も居るからよ!がっはっは!」
グラウンドに入ると魔道具がカウント始める、時間制限は3時間らしい。
3時間か、他の所も回りたいこら飛ばすか!
10キロ走・腕立て・腹筋を全力で行ったハンスは流石に汗もでて息も荒れていた。
途中で新たなスキルとして《ダッシュ》《持久力》《力》を獲得し更に高ペースで終わらせることが出来た。
「はぁはぁはあっ、ふぅ」
息を整えながらもバルトールのとこまで戻ってくる。
「んっ?さっきの?ああっ、やっぱりリタイヤか?あーあそんな汗だくで、なぁに後1ヶ月地道に頑張りな!」
「はぁはぁ、いや」
「んっ?どうした?リタイヤじゃ無くて休憩中だったか?それはすまん事を言った!」
「はぁはぁ、終わったんだが?」
「はぁ!何を言っている!?お前が中に入ったのは3・40分位前だったじゃないか?嘘をつくな!全て魔道具に記録されてるからそれも出来んぞ!」
「はぁーこれを。」
疲れた体でバント型魔道具を渡す
「・・・」
「えっ」
「合格だ」
有り得ないそれぞれのタイムにバルトールは固まりながらもハンスのプレートに合格を魔力で記入して行く。
それは流石に試験管に選ばれるだけの事はあったらしい。
ハンスが持ってきたバント型魔道具には
各タイム10キロ走 20分 腕立て5分 腹筋5分
そこには驚異のタイムが記録してあった。
その記録はバルトールから上の者に渡されそこでも騒ぎになったとか
ここにも先程の謎のお爺さんが影から見ていた。
「・・・はぁ?」
よっし!取り敢えず体力試験はクリアーだな!
にしてもあの道具を貸してくれた二人組に感謝だな、まさかあんな道具が試験に必要だなんて知らなかったからな・・・。
3/19日 誤字・脱字修正致しました。




