53 魔術学科
武器術学科が終わり次は魔術学科がある。
ハンスはそそくさと逃げるように魔術棟へと急ぐ。
そうなったのは、ハンスが武器術学科でいれいろやらかしたからだ。
授業が終わってすぐに生徒達に囲まれ質問攻めにあったため、今は逃げるように移動中だ。
やばかった、本当にやばかったな。
初めは怪我を治した生徒のお礼から始まり、それを皮切りに生徒達が押し寄せて来た時はビックリしたな。
よかったよ、スキル『忍ぶ者』があって・・・本当に・・・
次は魔術学科か・・・今度は気を付けよう・・・。
そうしてたどり着いた魔術棟。
今日は座学からのため、教室へと入っていく。
良かった!生徒の数は少ないぞ!
教室に居たのは11人の生徒、その全員が席に座り教科書を開いて勉強をしている。
んっ?今居る11人って同じ教室の11人だよな・・・まさか・・・な。
「ハンスだったよな?さっきの魔法は・・・」
「ねぇねぇ、ハンス君って武器の扱いは・・・」
「さっき・・・途中で、見失ったんだけど・・・」
「ハンス君、ちょっとお願いが・・・」
「君に聞きたい事があるんだけど・・・」
「ハンス、君は今度の週末予定は・・・」
「逃げるなんて酷いじゃないか・・・」
「やっと見つけたぞ!さっきの続きなんだが・・・」
うがぁー!
逃げ切れなかった!うちのクラス全員集合とか何の冗談だ!
結局、武器術学科に居たクラスメイトも全員魔術学科を受けるみたいで、質問攻めにあったハンス。
唯一武器術学科不参加のクラスメイト達は皆の変わりように、ただただ、何が起こっているのか分からず、空気とかしている。
また、貴族組が率先的に質問しているため、平民組は回りを取り囲んでいる状況だった。
クラスメイト全員の質問攻めではなかったのは、せめてもの救いだったのかもしれない。
ガラッ!
ハンスが質問攻めにあい、あわあわしていると激しく教室のドアを開け入ってくる集団。
集団といっても6人組だが、その集団もまたハンスの方へとやってくる。
うわぁ、何だあいつら・・・厄介な匂いがするな、勘弁してよ・・・。
その雰囲気に教室に静寂が戻り、6人組に合わせハンスまでの道が開かれる。
「君はハンス君だったよね?ちょっといいかな?」
6人組の先頭に居た生徒がそう言ってくる。
「ブイエル君だったよね?ど、どうかしました?」
ブイエルは武器術学科に参加していなかったクラスメイトだ。だが、後ろの3人は武器術学科に居たため、ハンスは内心で深い溜め息をつく。
「おお、名前覚えてくれたのかい?・・・名前、以前に教えたかな?」
名前くらい『完全鑑定』のスキルがあればそんなものは簡単だが、だが、今回は
「教えて貰ったことは無いかな、 朝行うキリシマ先生の出欠でたまたま覚えただけだよ」
1番後ろの席はクラス全体が見渡せるから良いよな!
「そ、そうか、たまたま俺だけを覚えたのか。なるほどね」
「えっ?クラスメイトだったら全員覚えたけど?」
「「「えっ?」」」
「んっ?」
「いやいやいや!どんだけ記憶力いいんだよ!しかも、出欠の確認はまだ2回しかしてないだろ?俺でも半分覚えるの無理だよ!下手したら夕方には忘れてる方が多いんだけど?あれ、俺って馬鹿なのか?」
ん?2回もあったんだし、余裕だよね?
「大丈夫だ、ブイエルは普通さ。ブイエルはね」
い、いかん、変な風には目立ちたくないな。
話題を変えなくちゃ。
「えっと、俺に用があったんじゃ・・・」
「そ、そうだった・・・。ハンス君に聞きたいことと、お願いがあるんだけどいいかな?」
あっ、どっちにしても厄介事の匂いしかしないな・・・。
断るべきだったんじゃ・・・
「聞きたい事とお願い?俺に出来る範囲なら・・・」
「そうか!ありがとう、まずお願いなんだが・・・」
ブイエルが話そうとした時、教室のドアを開け入って来たのはどうやら魔術学科の先生みたいだ。
「待たせたわね!授業始めるわ、よ?・・・何んでそこに集まってるのよ」
先生は俺が大半の生徒に囲まれているのに対し、少し警戒する。
「くっ、時間か、ハンス君すまない。話は授業が終わってからでもいいかな?」
助かったのか?いや、後回しになっただけだよな。
約束を破るわけにはいかないし・・・
「構わないよ、授業が終わって昼休みに入るから」
そうハンスは苦笑いをする。
「すまない、じゃあまた後で」
ブイエルが離れると、回りも囲んでいた生徒も次第に離れ、席に着く。
「何なの?まっ、授業始めるわよ!席に着きなさい」
喧嘩ではない事を確認し、授業を始める。
「着いたわね。ここ魔術学科では私フローリンが担当ね。毎年余りにも学科希望者が多いから、クラス別の授業になるわ。それほど、この世界には魔術が重要って事は分かるわね?」
まぁ、これは一般の常識だから俺も分かる。
「そもそも魔術は魔力を消費し、現象を起こす。未だ魔力は何なのか魔術は何なのかわかっていないのよ。魔術も魔力も発見から何千何百年も経っているのにね。まぁ、ここら辺は一般常識だから、皆分かっていると思うけど」
うん、分かるな。
「そして、魔術の種類は毎年新しく発表されているのよ。もし、皆が新しく魔術を開発出来たら、それだけで大金持ちね。登録と本当に新しい魔術かは魔術ギルドが行っているわ。開発された魔術の重要度等によって、報償金や使用登録料が変わるみたいね」
ほぅ、報償金・・・
「話はそれたけど、まずは各属性の初級魔法とされている代表な魔術の名前・・・何だけど、どの属性でも答えれる人はいる?居たら手を上げて頂戴」
う、うーむ。ある程度の魔術は分かるが、どれが初級魔法かは確かに知らないな。
「はい!風魔法のウィンドから始まり、ウィンドアローそして、ウィンドボールです」
知ってはいるし、これは俺も使えるな。
「風属性ね。正解です。風属性は不可視の魔法だから相手が防ぎにくいのがメリットで、もう1つのメリットは魔術のスピードは1番早いってのは有名です。ただ、デメリットとして他の初級魔法の中では威力は1番低いのが難点なのよね・・・中級になれば威力は格段に上がる魔法なので、適正がある生徒は大事に育てるといいわ。他の初級魔法はどう?」
1番早いっては違うと思うんだけど?あれ?俺の間違いか?
「はい、火魔法だったら、ファイアからファイヤーアローにファイヤーボール?」
うん、これも使える。
「自信をもって、正解よ。火属性は扱いこそは難しいけど使いなれたら、とっても心強いのよ。火属性は魔法そのものの威力は属性魔法の中では2番目にあって、燃焼の追加ダメージがあるのは特徴なんだけど、魔力の消費量はどれも他の初級魔法より多少多いのよね。ただ、初級魔法で唯一ファイヤーボールが範囲攻撃が出来るのが、魔力消費が高くても使われている理由かしら。そういえば、最近冒険者ギルドに変わった火魔法の使い方をする冒険者が現れたらしいわ。何でも、全身に火を纏って戦闘をしたとか・・・ただ、戦闘は直ぐに終わったらしく、詳しくは分からなかったらしいわ。じゃあ、次は誰かな?」
確かに難しいな。
コープル裏の森で使ったら回りまで燃えだして、相当焦ったもんな・・・。
それにしても、ギルドにそんな魔法使いが?
「はい!水魔法はウォーター、ウォーターショット、ウォーターボールです」
おっと、いかんいかん!授業を聞かなくちゃ。
でも、ここまでなら問題なく使えるな。
「ん、正解よ。水属性は、ダメージよりも衝撃に特化した魔法なの。相手の足止めにはもってこいの魔法ね。ここでも、余談だけど、冒険者ギルドに凄腕の水魔法を操る新人が現れたらしいわよ。魔法スピードは2番目に遅いんだけど、その冒険者が使った魔法は、今までにない新しい魔法で、スピードは風属性よりも遥かに速かったそうよ。他の属性はどう?」
また、そんな魔法使いが・・・調べてみるか。
※※※その魔法使いは、ソウシュとセキメです。授業に専念をお願いします※※※
あっ、はい・・・あいつらだったのか。
いったいギルドで何してんの?
「はい!土魔法の初級はピット、マッドショット、ストーンショットです」
いかん!集中しないと、神格先生に訓練量を増やされる!
土、土!っと、大丈夫!使える!
「正解、土属性は、他の属性は魔法よりも使いづらい反面、物理的なダメージが1番高い魔法が多い魔法ね。スピードは1番遅いんだけど、相手の動きを阻害する魔法から、味方を守る魔法、威力が高い魔法いろんな魔法があるわね。そう言った内容からとっても魅力的な属性何だけど、ちょっと地味なイメージだわね」
あぁ、それは同感だな。
使いづらいが役に立つからなぁ。
「今答えて貰った属性は魔法が基本属性で、それ以外には光属性や闇属性の特殊属性に、基本属性の上位属性として、氷属性、木属性、雷属性何かもあるわ。また、今は使い手が少ない空間属性に、もう使い手がいない時空属性も有ったらしいけど、時空属性はお伽噺にしか出てこないので、本当に実在するのかも分からないわ。光属性の上位属性として、聖属性があり。闇属性の上位属性は空間属性ね」
あ、あかん、実在しとる!ここに実在しとる!まじか・・・本当にまじか・・・。
アイテムボックス普通にギルドで使ってたし、それ以外でもつかっていたぞ?セーフか?アウトか?今は何も問題が起きていない!つまり、これから気を付ければ大丈夫ってことは、セウトだな!
「そして最後に、意味嫌われてる死属性もあるけど、この魔法はおすすめ出来ないわね。この魔法は死んだものを操るって言うのが殆んどで、各地で、墓場などを荒らし死体が消える事が問題になっているんだけど、非人格者として使用者は言われているは。使い方を間違わないなら、頼もしい魔法なのは間違いないのだけれど、残念なことにそいじゃない者が多いせいで、この魔法は酷い扱いをされてるの」
ああ、死属性?勿論使えるよ?
ほら、パーフェクトじゃん?スゴくね?ヤバくね?
いや、セウトも良く良く考えてたらアウトだよな・・・。
ほら!あれだ!まだ、何か誤魔化しようがあるよ!そう、あるさ!きっと・・・た、多分・・・
「その属性魔法は適正がなければ使うことが、とっても難しいの。たた、訓練によってある程度は使えるようになるから、有能な魔法は覚えて損はしないわ。それに、適正魔術何だけど、ある報告では、意味ままで適正魔術がない人が、突然適正魔術が診断された事例もあるのよね・・・。今のところ適正魔術の診断には簡易的なものと、きちんとしたものがあるのは知っているかしら?」
来たー!ほら来た!適正!そう!全て適正がなければ、魔術は厳しいんだった!よし!・・・全属性適正あるな!コンチクショー!!父さん、母さん私が世間知らずなの、今分かりました。
はい、以後気を付けます。
これで、ステータスさえ皆にバレなければ、これからも乗り越えられる。
「見鏡石の簡易診断の事ですよね?」
「そうよ、皆さんは一度は確認したことがあるかもしれませんが、授業の一環としてもう一度診断してみましょう」
・・・お、終わった。
俺、駄目かもしれん。




