50 緑のポーチ
無事に入学式も終わり今日は剣魔学校は1日休みの日だ!と、言っても今居るところは剣魔学校だったりもする。
今日は休みなのは休みなんだけど、俺が受ける学科の記入シートを提出し、それぞれの学科の授業場所を確認しに来たのだ。
結局何だかんだで、午前中は潰れてしまうな・・・休みは何処に・・・。
それにしても、どのクラスも提出は今日までの筈なんだが、学生の数はかなり少ないように見える。
早く来すぎたか?
「学科選択用紙です。確認お願いいたします」
そう言って、剣魔学校の事務員さんに書類を渡す。
事務員さんはふくよかなおばちゃんだ、おばちゃん以外にも4人ほど事務員さんは居るが、提出書類の処理でバタバタとしているみたいだ。
「はいよ、えっと・・・F-2のハンス君だね。確かに受け取ったよ。」
「よろしくお願いいたします。それにしても、提出期限は今日までなのに、生徒の数は少なすぎません?」
「んっ?あぁ、確かに提出期限は今日までだけど、殆どの子達はメイドや執事それにね、部下を使って提出しているからねぇ。まぁ、貴族様に限るけどね。ただ貴族の中にも自分で持ってきてくれる方達もいるんだよねぇ」
執事にメイドに部下に持って行ってもらったら、確かに午前中は潰れてしまう事もない。
俺達平民は自分達で持っていかないといけない分、その時間分が無くなる。
そう言った積み重ねもあり、勉強でも差が開いていくんだろうな・・・。
待てよ?俺もそれ、出来るんじゃね?例えば、ゴータとか・・・駄目だ不安しかねぇ。
頼むなら聖魔人達は問題無さそうだが、今の聖魔人一人一人に俺達の将来が掛かっている分、下らないことはお願いできない。
盗賊奴隷は?うん、これもなしで・・・他の仲間の魔物も一人でうろうろさせたら討伐されてしまう可能性しかない。
無理だ、やはり自分で持ってこないといけないみたいだ。
・・・結局、自分でか・・・あっ!分身を使えば良かったのか。
俺が使っている分身はスキル『分身Ⅴ』『並列思考Ⅳ』のお陰なのだが、2号・3号・4号は探索チームのサポートに行っているため、俺が使える分身は後1体。つまり5号のみだ。
『並列思考Ⅳ』がレベルが上がれば後1体追加が出来るが、どのスキルもⅣから中々上がらない現状で、
『分身Ⅴ』『並列思考Ⅳ』は俺が率先的に使っているスキルなのだが、まだまだ上がっていない。
だが、『分身Ⅴ』のお陰で自我はないが、簡単な行動だけなら更に1体出来るが、このスキルは戦闘などで役立つ囮レベルのみ。
つまり歩いたり、走ったり等で複数の事が出来ない。
立ち止まって剣を振るうって行動をさせたときは、ただその場で、剣を振るうだけ。
間違って複数の行動をさせるものなら分身が維持できなくなり消えてしまう。
なら、『分身』と『並列思考』を持っているものなら誰でも、俺みたいに出来るかと言ったら無理だろう。
その二つに大きく関わっているのは『神格』だ。
『神格』がなければ俺の用な分身は産み出せない。
本当に『神格』には感謝している。
だから、常時耐性スキル育成のための身体に流れる微弱魔法どうにかなりませんかね?
1日間で俺の身体に流れる魔法は一定の時間で属性が異なるが、常に魔法により属性ダメージを受けている。
だから、常に若干痛いのだ。どうにかなりませんか神格様?
※※※ハンス様の為なので、妥協できません※※※
無理でした。はい、分かってたけど、無理でした。
「ちょっと、あんた?大丈夫かい?急に泣き出したりして」
事務員のおばちゃん、このままにしといて下さい。
今、いろんな意味で痛いんですから。
「それよりも、この選択学科は無理なんじゃないのかい?もう一度、親御さんに相談して今日の夕方までに来なよ?」
「えっ、ああっ、選択学科はそれで大丈夫ですので、お願いします」
「大丈夫に見えないんだけどね・・・とりあえず受理しとくから、無理なときは学科を減らすんだよ?」
「もしかして、学科って途中で増やしたり、減らしたり出来るのでしょうか?」
「出来るさ、ただ、増やすのは担任の推薦があればだけどね。減らすのなら学科教師に申し出て、ここに書類の提出が必要だけどね。まぁ、あんたの場合は増やしたりはしないだろうがね」
「はははははっ・・・書類の受理お願いします」
そしうして、書類の提出が終わりハンスが受ける学科の場所を確認が終わったのは、昼を大分過ぎ、夕方に差し掛かろうとしていた時間だった。
結局、休みが潰れてしまった。
途中で、昼飯を挟んだのは仕方ないにしても、何もできなかったな。
選択学科やり過ぎたか?いや、神格と決めたんだ。
これは俺のためだ、頑張らないとな。
とりあえず、俺が受ける学科は、武器術・魔術・錬金術・商業術・鍛治・料理・薬学・造船技術・土木建築・農業・冒険技術・設計技術・情報技術・乗船技術・操車技術・畜産・林業の17の学科だ。
・・・うん、多いな!あの受付のおばちゃん曰く、一般の学生は多くても5個。優秀な上位クラスでも、7~8個と言われている。
中には授業の時間帯が被っている場合は、希望学科の第一候補優先にして、そのときの授業の内容は自分で調べるか、従者等に調べさせるのだという。
むぁ、武器術等の実戦経験型の授業ならそれは出来ないので、やはり自己練習となるようだ。
俺には分身があるから、全部の授業に出れるのが他の新入生と違うことだろう。
あっ、因みに昨日神格に言われるがまま買い物に行って、あれを手に入れたんだったな。
緑のポーチ ランク:1
沼蛙の皮とビッグラヴィの皮で作られているポーチ。
沼蛙の皮を内に使っているので、保温性に優れ、水を弾くので中の物が濡れない優れものであるが、見た目が悪いため、外装はビッグラヴィの皮を使っている。
そう、冒険者の必須とも言われる小物入れ。
小さなポーチだが、場所もとらず何かをプラス2個位でも持っていけたら、探索は少しは楽になるだろう。
そんな緑のポーチを2つ購入し、ちょっと魔改造してみた。
お陰で魔物から集めた魔石をかなり使ってしまった。
持っていた魔石の殆どはFランクの魔物ばかりだったが、中にはCランクの魔石もちらほらとは手に入れていた。
これも、探索チームのお陰だな。
今回使った魔石はCランクの魔石を7つとFランクの魔石を30ほど。
そして出来上がった品がこちら。
緑のポーチ(魔法収納) ランク:5
沼蛙の皮とビッグラヴィの皮で作られているポーチ。
沼蛙の皮を内に使っているので、保温性に優れ、水を弾くので中の物が濡れない優れものであるが、見た目が悪いため、外装はビッグラヴィの皮を使っている。
※空間魔法が付与されている。
容量:小 魔石消化:微
となった。それを2つ用意出来た。
まず、容量:小なんだけど、どのくらい入るかまず確かめてみたら、拠点にあるうちらの家それの一部屋がパンパンに埋まる量の水が直接入れれた。
どうやら、限界を超えて入れようとしても入らないみたいで、バックの上まで水が貯まった様子も見て取れた。
次に、魔石消費:微これが問題で、どうやらこの空間魔法を維持するために、常時魔石を消費しないといけないらしい。
だが、どのくらい消費するかは分かってないので、要注意が必要である。
で、探索組の二人、コクセキとハクに渡している。
勿論、ゴータには渡してない。ライフは最近仲間に加わったが、物凄く頼りになるが、ゴータには分身の監視が必要だ。ジンキラーも最近仲間に加わったが、力仕事は任せるが、大雑把なところがあが、もう一度言うと、ゴータには分身の監視が必要だ。
戦闘はゴブリンという枠からはみ出まくりな強さがあり、問題はないが、普段の行動と言ったら困ったことに、自分の欲望に忠実な奴だ。
それにゴータは何気に『時空魔法Ⅰ』を覚えている。
そう、ゴータにはポーチは必要ない。必要なのは監視のみだ。
と、思ったが、ゴータの時空魔法には余り物が入らないのだ。
何故なら、自分の食料を隠し持っているからだ。
未だに、もう一人の母親でもあるベルナートさんの手料理等かなりの数を溜め込んでいるみたいで、一人になった時にそれを食べているのを、俺は見ている。・・・なんて羨ましい奴なんだ・・・俺もまだ沢山ベルナートさんの手料理を食べたいっていうのに・・・
そして、ハンスは拠点へと戻ってきたが、今からダンジョンに行くにしても時間が遅すぎるし、何をするにしても微妙な時間となってしまった。
どうするかな?とりあえず拠点を見て回るか?うん、そうしよう。
まず始めに来たとこは、奴隷が住んでいるとだが、まだ皆は働いているらしく、全員居なかった。
改めて奴隷が住んでいる所を見てみるが、寂しく感じる。
ただ、住む家が並んでるだけだから。
一度、レイン達を誘拐した人達なので、未だにイライラはするがあまりにも何もないので、そこは同じ人として可哀想と思っているところもある。
せめて、奴隷の仲間内が集まってご飯食べる所だけ創ってみるか。
そうして出来た、のは奴隷が座れる椅子とテーブル。
日差しを遮るための建物で、家ではなく壁がない全て木で出来た建物だった。
次にハンスが足を運んだのは牧場だ。
ここにいるのはメルガイ周辺で捕まえた動物達。
まだ余り種類は少ないが、小動物から中型の動物ばかり。
何気に数は揃いつつある。
牧場を見渡したハンスはその足で農場へとやって来た。
ここはコープルやメルガイで買い付けた野菜や果物の種を植えている。
それ以外にも、マギシャル第7森林に生息していた、木の実や果実なども植林したり、数多くの薬草も栽培している。
ここの管理は主にソウシュに任せっきりだ。
ソウシュもソウシュで、コボルトや奴隷。それに、この前仲間になったゴブリンやベビーゴブリン達を使い管理している。
そのお陰で順調に農場は拡大し続けている。
食料の確保が軌道に乗ったら、人員を増やさないといけないかもしれない。




