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冒険者クエスト  作者: チョコミルク
剣魔学校入学試験
5/87

5 盗賊退治、スキル分身

初めての対人戦か・・・よし!俺はやれる、俺はやれる、俺はやれる!


「「「わぁーーーっ!」」」


 盗賊団に1人立ち向かうハンス。

相手は斧・剣・短剣・弓等それぞれの装備であったが、気にすることなく相手していく。

 全員ショートソードで相手してもいいが、あえて素手で盗賊団に突っ込む。


「ガキが!舐めるなよ!素手で来るとは、根性はいいが、死に晒せ!」


 剣を装備した盗賊が、俺の初めのお相手らしい。


 舐めるなって・・・今日で二回目か、舐めてはないんだけでなぁ。


 頭めがけて振られる剣の腹をそっと手でずらし、相手の懐に入りながら鳩尾に肘打ちを喰らわせる。

 お互い走って来たその力も加わり、大きく弾き飛ばされ、後方の盗賊達にぶつかる。


「ごっぶっ!」


「ぐあーーっ!」


 その後すぐに盗賊団の動きが止まる。

止まった盗賊団に向かい大きな声で挑発する。


「何だコイツら、雑魚か?知能はスライム、能力はゴブリン以下だな!」


「はぁ?」


「舐めるな!」ハイ3度目!


「糞ガキがほざきやがる!」


「くたばりやがれ!」


 物の見事に挑発される盗賊達は、怒りに任せてハンスに襲いかかる。

まず、ハンスの目の前には3人が襲いかかってきた。

その後にはまだ沢山の盗賊が接近している。


 真中の盗賊の斧が唐竹割りに襲い来る。が、ハンスは左右(・・)に避け、左右の盗賊を殴り意識を奪うと、両サイドから残った盗賊の横顔にそれぞれ拳を放つ。


「「「はっ?はぁぁぁぁつ!」」」


 その光景を見た残りの盗賊団と警備兵の声が綺麗にハモる。

 その光景を作り出したのはスキル【分身】だ。


【分身】魔力を分け、分身体を生み出す。

 分身体は簡単な命令を聞き魔力が尽きるとその存在も消える。

 スキルレベルが上がれば分身の個体数も増やせる。


 そう分身は簡単な命令を聞いてくれる。普通ならばだ。ハンスには神格があり、更にスキル【並列思考】を使い完璧にもう1人の自分を作り出すことに成功している。


【並列思考】1度で2つ以上の物事を考えられる。

 新たな人格を作り出すことも出来る。

 スキルレベルに応じて精度や数が増やせれる。

 それらのスキルに神格のサポート、まさに鬼の様な組み合わせであった。


 驚き怯んだ盗賊団をハンスとハンス2号は見逃さない!


「俺はこのまま右!君は左!真ん中は2人で!」


「了解!」


 スピードを上げ、殴るは蹴るはで確実に意識を刈り取って行く。

 盗賊団も、頭と思われる者を含めて残り3人となっていた。


「ば、バケモノめ!貴様等は何者だ!」


「ぐえっ!」


「ぎゃぁぁぁぁっ!」


 両サイドの盗賊の体にハンス達の脚がめり込む。


 よし!残り1人!


「何者?何者も何も・・・ただのか弱い10歳の人間の男の子だよ!」


「嘘つけーーぐぇぶ!」


 最後の頭と思える奴には、2人の拳が顔面と鳩尾にそれぞれめり込み、バウンドしながらはるか後方へ殴り飛ばされる。

 盗賊団を全て倒したハンスと2号はお互い顔を見て唸き


「作戦Bプラン!」


 そう言って笑いながら手をタッチさせハンスは1人で警備兵の所に戻って来ていた。

 その後の2号は揺らりと消え何も見えなくなっていた。


 盗賊団を倒し入口まで戻って来てみると集まった警備兵達とザルダスさんが固まっていた。


 何やってるんだろ?この人達、見物しに来ただけなんじゃ無いよね?


「ザルダスさん!ザルダスさん終わったよ!盗賊達は全員気絶してるから、さっさと捕えて下さい。・・・まさか、それも俺1人でしないといけないの?そういった話しならするけど・・・」


 仕方なく盗賊達のところに戻り、捕らえやすいように1箇所に纏めようとしていた所で我に返る警備兵達。


「いや、あの・・・残りは我々がします・・・ありがとうございます?お疲れ様でした?」



 言葉がたどたどしい、言葉も可笑しいし何か混乱してるのか?


 そうして、無事全員捕らえることが出来た。

ワームスさんが負傷したものの、とりあえずハンスが掛けた回復魔法で完璧に傷は塞がり実質、負傷者は出なかったと言える。

魔力はこの世界では当たり前に存在し、簡単な魔法なら殆どのもの達も使えるが、生活魔法と呼ばれるもの止まり。

修行をせれば全然違うらしいが、そうしてしまうとその間は稼げないので生活が出来なくなくなってしまう。

ましてや回復魔法は誰でも使えるが生活魔法の回復魔法は小さな傷の血止めや簡単な殺菌・消毒が限界。

ハンスが行った回復魔法のように傷跡も無くとはそうそう出来るものではない。

 それは奇跡としか警備兵達は言えなかった。


 また、盗賊の頭を捕らえる時に警備兵が気付いたのだが、倒れていた場所がおかしかったと言われた。


盗賊の頭が倒れていた所は、初め盗賊団が隠れていた岩の陰だった。

 結局何も分からず、ハンスに攻撃を喰らいそこまで逃げ、そこて気を失ったと判断されたのだった。


「ハンス君、私は警備隊長のナノガイラと言う。気安くガイラとでも呼んでくれ、この度はハンス君に助けられました。心からお礼を言わせておくれ」


「いえ、僕は出来る限りのことをしただけです」


「もしかして、ハンス君はここから南東にあるコープルで、神童と呼ばれていたハンス君なのかな?」


「あっ、その名は苦手なんですが・・・そう呼ばれてました。そう言えば、盗賊のアジト中の溜め込んだ物とアジトの盗賊を捕まえたらどうなるんですか?」


「おおっ!やっぱりそうだったか!君の名はここまで届いているよ、現に見るまでその噂も眉唾物と思っていたが・・・やはりあの噂はその全ては実話だったと再度認識出来るよ!で、アジトの話かな?そうだね~全ては捕えた人の物になるよ、わざわざ捕える人と捕える道具がなかったり、町等から遠かった場合は殺したりする場合も多く、そういった者を倒しても犯罪者にはならないんだよ」


 その後ガイラの話を聞いていたハンスだったが、ザルダスから盗賊団の身包みを剥ぎが終わったそうだ。また、その装備や所持金・物などは全てハンスの物になると言われた。

 それに今回は盗賊達はアジトの場所を喋らせそのまま奴隷落ちとなるらしい。

その際に自分で奴隷商人へ売る方法と多少金額は減るがここでも換金が出来るらしいが、そこまで時間が無いハンスはここでの換金を希望する。


 1人につき小金貨は5枚つまり5万貸円で合計金貨1枚と小金貨1枚だから11万貸円を貰う。


「で、どうする?ハンス?この品々、全部君のものなのだが・・・流石に全部は持って帰れないだろ?」


「気に入ったのがあれば取って、残りは売りに出すのがいいかもしれないが・・・店は明日の9時にしか開かないのだよ・・・」


「んーっ・・・じゃあ全部下さい」


「「えっ?」」


「いやいやいやいや!幾らハンス君でも全部は持てないんじゃ?」


「あっ、それなら収納スキルあるので大丈夫ですよ~」


 そう言って盗賊達の品々を収納し始める。


「えっ?」


 あわよくばとガイラは考えていた。ハンスが仕方なく諦めてしまったものを、後日売却し、そのお金で警備兵の装備を少しでも新しく買い替えたかったガイラだったが、その希望は音も無く崩れ落ちる。


「あっ、ガイラさん」


「ど、どうしたハンス君」


 ハンスの規格外な力とスキルにただ返事するしかないガイラだった。


「縄を少し譲ってもらえませんか?何なら購入しても良いですが?」


「縄?その位お安い御用だよ、ザルダス持ってきてくれ」


「いいんですか?貰っても?」


「この集落の恩人だからそれくらいはしないとな!」


「ほらハンスこれだよ、持っていきな」


 縄をアイテムボックスに収納する。


「それにしてもハンス君この縄何に使うんだね?」


「あの盗賊団のアジトに残っている者も、この縄で捕まえようかと思って」


「残念だけど・・・よっぽどハンス君の力が強かったらしく、未だ目を覚まさないからアジトの場所まで分からないんだよ」


「あ〜、その事ですが、相手のボスを倒した時に意識が無くなる前に、俺の分身2号が聞いてもらい、そのままアジトに行きもう殲滅したらしく・・・ハハハ・・・」


「ハハハハハハ、はぁ・・・・・・そういう事か、ハンス君、確実にボスを後方へ吹き飛ばしたのってその為だろう?」


「そうだったりもします」


「「ハハハハハ」」


「・・・で、相手は今回どのくらい居たのかね?」


「アジトには7名の盗賊に、監禁場所には女性が2人、商人が1人捕まって居ました」

 

  「なっ!監禁されているだと!それじゃ急いで警備隊から何人か向かわせないと!」


「あーっ、待ってください、ガイラさん監禁されていた方達は無事に保護して居ます」


「無事ったって、分身の2号君は1人なんだろ?盗賊も助けた人達も連れてくるなら人手がいるんでは?」


「アジトの中の物も回収済みで、盗賊は気絶してるから難無く移動が楽だったそうです。助けた人達は自分で歩けてるみたいですし」


「でっ、何処までが本当なんだねハンス君。流石に信じられんよ。分身は直に見たがスキル分身は簡単な命令を聞いてくれるだけのスキルの筈だが。それにアジトからここまでどの位の距離が離れているか分からんが、分身との会話が成り立つもんかね?」


「えっと、まぁ、本当なんだけど流石に信じてもらえないか?あの、これから見せる能力は他言無用でお願いして良いですが?もし話せば何らかの罰が下るって言う契約しません?それをしてくれたらみんなを連れてきますし、あっちの人達はこの契約を了承して貰ってるみたいです」


「ん、契約?罰?でも良いだろう、君の能力を人に伝え無いようにするだけで、監禁されていた者達が無事にたどり着くなんて安いもんだよ」


「でっ、俺は何をしたらいいんだ?」


「そのままでお願いします。」


「星闇の契約・・・」


 ハンスの手の平から作り出された二種類の物体は片方はキラキラと白く眩しく輝き、もう片方は形こそ似てはいるが全く光って無く真っ黒な物だった。


 ガイラの周りをグルグルと回り


「限定封印!」


 ガイラの身体へ吸い込まれ消えていった。


「何ともない?今の物体は何だハンス君?」


 いくら契約魔法を使っても暗黒魔法と神魔法の融合魔法です!とは流石に言えないよなぁ


「俺のオリジナル魔法的な?」


「ぬぅ、教えてくれないか・・・もし、契約を破ったら俺はどうなる?」


「聞きたいですか?聞かない方がいいかもしれませんよ?」


「嫌、逆に知らないと気軽に破ってしまいそうでな」


「そうですよね、まず髪の毛が全部抜け落ち、体臭がかなり臭くなり、歯が全て抜け落ち、1日中涎が口から垂れる様になります」


「はっ?」


「だからですね、まず、髪の毛が全部抜け落ち、体臭がかなり臭くなり、歯が全て抜け落ち、1日中涎が口から垂れる様になります」


「えっ?」


「ちゃんと聞いてください、まず髪の毛が全部抜け落ち、体臭がかなり臭くなり、歯が全て抜け落ち、1日中涎が口から垂れる様になります」


「んっ?」


「・・・聞いてます?もし聞こえなかったりするなら、今その効果を確かめてみますか?」


「いやいやいやいや!ちょっとまて!どんだけ立ちの悪い能力なんだよ!寄りによって全て即精神的にもダメージがいってしまうような・・・・・・あぁ、最悪だ」


「ちゃんといい点もありますから、それに喋らなきゃいいんですし」


「何!いい所もあるだと!そ、それはいったい何なんだ!」


「顔に吹き出物が出来ないようになり、便秘が治ります」


「いや、何か微妙だな・・・、うん、やっぱり微妙だぞ?」


「そうですか?効果を考えてくれた、監禁されていた人は喜んでくれたそうですが?」


「どういう意味だ?」


「秘密を守って貰える様に契約魔法をしたい。っては言ったものの、どんな効果なら絶対に嫌なのか逆に、今身体の事で治したいとこは何なのか聞いたらこの内容になりました」


「むぅ、罰はともかくとして、いい点の方はそいつらの悩みだったからこんな事になったのか・・・。だが、そお言っても簡単に魔法を作り替えるのもとんでもない事だぞ?」


「あの、それの事も秘密で、そろそろ助けた人達を連れてきても良いですか?」


「あ、ああ、問題無い。が、どうやって連れてくるのだ?」


 今更だがここは警備隊長の専用部屋で、盗賊や助けた人達を入れても問題無い広さはある。

今この部屋には警備隊長のガイラとハンスの2人きり、ザルダスは縄を持って来ては直ぐに先程捕まえた盗賊の処理があると出ていったのだった。


 ハンス2号は盗賊団が貯めた武器や金品等をアイテムボックスに収納し、今は空間の拠点に盗賊と助けた人達を移動させ待機中。

後は簡単でその空間を警備隊長の部屋に開くだけ。

その後も無事引渡しも終わり助けた人達から何度もお礼を言われた。


 盗賊団の金品の中には商人の元持ち物も含まれていたそうで、初めは買い取ると言われたが返す事にした。

 困った時はお互い様なのだから。


 追加で捕まえた盗賊の代金も貰いハンスは宿へと帰り深い眠りにつく。


 朝になり、2号に起こされ今は乗合馬車に乗り大都へ目指す。


 時に2号と言えば、盗賊団のアジトから手に入れた物で、不必要な物を換金する為、未だ存在も継続中だ。神格のサポートがあるからそっちは心配無いが問題は乗合馬車の中だった。


 夜中の盗賊討伐で話題が持ち切りだった。


 ハンスって名前は聞いているが、姿が分からないから乗客はこっち迄話題を振ってくる。何とも居辛い雰囲気だった。


 その話題のハンスは集落に残り、盗賊団の金品を換金で奮闘してるのをばれている様で、情報はぇーと思いながらも心では「すまん!2号頑張ってくれ」とこっそり応援したのは秘密だ。


 その後は無事何事も無く予定通りに大都市メルガイへ辿り着く。

「2号?」

「どうした?本体」

「さっきまでここにおいてあった俺の昼飯知らないか?」

「い、いや?み、見てないぜ?」

「・・・。

分身解除して2号の記憶を見てみるが良いか?」

「ちょっ、疑うのかよ本体!」

「良いんだな?」

「・・・美味しゅうございました」

「この、バカちんが!」



3/19日 誤字・脱字当修正致しました。


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