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冒険者クエスト  作者: チョコミルク
剣魔学校入学試験
4/87

4 旅立ちそして盗賊

俺はこの四年で鍛えまくったんだ!

自信?勿論あるさ!何たって神格のいじ・・・特訓にも耐えたのだから。

 二月も始め、ハンスは大都市メルガイに向かう為、乗り合い馬車の駅まで来ていた。

 そこにいるのは、ミトや鍛冶師のトーマス、幼馴染みのレイン、更に領主であるトデインが来ていた。


 オールドとローズは緊急依頼を受けている為ここにはいない、両親がいない事は寂しかったが、そこは仕方が無いと割り切るハンス。


「ハンスや気を付けて行くんだよ。これは私が書いた薬学書だ、ハンスなら問題無く使えるだろうから持ってお行き」


 ミトから今まで書いた薬学書を貰う。


「お前なら何処へ行っても心配はしてねぇが、これを持ってけ!」


 言葉ではそう言ってるが、実際は涙を流し怖い顔が更に怖くなっているトーマス。

そんなトーマスからは鍛冶道具でもある鋼のハンマーを貰う。


「ハ、ハンス、たまには手紙を頂戴・・・心配してるんだから」


 幼馴染みのレインもトーマスと流石親子と思わせる。何故かって?だって涙に鼻水を流しているから・・・まぁ、10才の女の子だから仕方が無いんだろうけど。

 そんなレインにハンスは無言で手を出す。

 レインもそれに気付き手をだしてくる。が、その手を軽く叩いてやり


「違うよレイン、何かくれるもの無いの?」


 俺は笑顔でそう言ってみたが


「ハンスのバカぁー」


 泣きながら怒られてしまった。


「あははっ、冗談だよ!卒業迄の5年間元気でな!ほら、コレをやるよ!」


 それは錬金術で作った自信作のペンダントだ。

 ゴブリンの魔石を付けて簡易結界の付与をしたから高価に仕上がっているのは仕方が無いが、ハンスもレインが心配だったからこの位はしたかった。


「いいの?貰って?」


「当たり前だよ、材料はトーマスさんから貰って、持ってたゴブリンの魔石をはめた安物だけど俺の自信作だ!」


「ありがとハンス。」


 レインはかなり嬉しくハンスに抱きついて来る。

 そのペンダントを横で見ていたトーマスは


「鉄のインゴットを少し分けてくれって言うから何に使うかわからなかったが・・・ハンスは器用だな、いくら魔石が付いているからと言っても、強い魔力を感じるんだが、大丈夫だよな?」


「ああっ、問題ないよ、治癒魔法の付与をしてあるだけだから」


「「「ぶっ!」」」


 汚いなぁ、大の大人3人が吹き出すなんて!


「ハンス、お前何言ってるか分かっているのかい?」


「ミトお婆ちゃんどうしたの?」


「そのペンダントの価値の事さね、素材は安物だろうけど、問題は付与の方さ、そうなった物はダンジョンの宝箱か、大陸の何人かしかいない付与術者に頼まないと出来ないんだが・・・誰が付与をしたんだい?」


「えっ、俺だけど!」


「すまんハンス、年取ると耳が遠くなってね、誰に付与を頼んだんだい」


「俺が付与したんだけど。治癒魔法か、リジェネレーションどちらか迷ったけど治癒魔法にしたんだよ。魔石の質があんまり良くなかったから1回使ったら壊れるからね。もっとましな魔石持って無かったから・・・ごめんねレイン」


「ううん、すっごく嬉しいよ!ありがとハンス!私、待ってるだけじゃ無く、ハンスに負けないくらい頑張り、お父さんに鍛冶を鍛えてもらうから!」


「おう!頑張れよ」


 レインと話している間、大人3人は口を開けたまま固まっている。

 そろそろ馬車の出発の時間みたいだ。


「そろそろ馬車が出るみたいだから行くね!みんなありがと、頑張って合格してくるから!」


「あ、あー、ちょっと待て!あまりの事に意識が飛んでいた!ハンス、メルガイ迄の旅費と入学試験料と俺からの餞別だ!」


 袋の中は金貨11枚が入っている。旅費で2枚、入学試験料で5枚はかかるみたいで、残り4枚は領主のトデイン様からの餞別だった。

 金貨1枚でもかなりの高価であり、金貨4枚をくれるのは太っ腹何だけど・・・実際には初対面でもあった2人。


 ちなみにこの国でのお金は、小銅貨・銅貨・小銀貨・銀貨・小金貨・金貨・白金貨・光金貨で単位は貸円(カエン)だ。


 小銅貨1枚が1貸円

 銅貨1枚が10貸円

 小銀貨1枚が100貸円

 銀貨1枚が1000貸円

 小金貨1枚が1万貸円

 金貨1枚が10万貸円

 白金貨1枚が100万貸円

 光金貨1枚が1千万貸円


 トデイン様から合計110万貸円も貰えた事になる。

 白金貨は商人達の買い付け等で使われる為、一般ではなかなか見られない。

 光金貨にしても国通しの支払いや、それこそギルト間の支払い等でしか使われてないため、主に国やギルトの金庫に眠っているのが殆どだという。


「ハンスすまんな、両親の件は俺が指名依頼を出さなければ、見送りも出来たのだが・・・」


「仕方が無いですよ。それが冒険者ですから、俺自慢の両親ですし」


「ありがとう、そして頑張って来てくれ!後、五年後になるがお前に話があるから、コープルへ戻ってきたら両親と一緒に俺の所に来てくれないか?」


「分かりました・・・忘れるかもしれないって感じもするのですが・・・そん時には罰則とか有りますか?」


「そうだよな、5年間だもんな、それなら戻ってきた頃に使いを出す事にする。そん時は宜しくな!」


「分かりました、ありがとうございます。それじゃ皆さん行ってきます」


 全員に挨拶をした後、馬車に乗り込もうとしたが、貰った荷物が多過ぎるのでアイテムボックスに収納し乗り込む。

そんな中、更に騒いでいるようだったが気のせいだろう。

乗り合い馬車には既に何人か載っていて、どっかに出掛ける冒険者だろう・・・そんな中男性が1人。

同じく冒険者の女性が2人。

着ている装備がボロボロで冒険者と思わせる男性が1人。

馬車を走らせている御者が1人。

そして俺ハンス合計で6名となっていた。


 全員が人間では無く、冒険者の男性はドワーフで武器に斧を持っている。

 女性の片割れは犬の獣人らしく尻尾が生え頭に耳が付いている。

この世界にはそういった種族や、それ以外の種族まで存在している。


 コープルから北西に8日ほど進むとプルツと言われる都市があり、更に北東に2日行くとアリアルの町、更に北西の山を迂回しながら10日進むと都市ノボノ、そこから4日北西に行くと大都市メルガイだ。


 馬車は全部で3台で行くみたいで、1台につき1人の専属護衛が付いている。

ハンスが乗っていない馬車2台には、ギュウギュウと人が詰め込まれているが、その人達がこっちに来ることは無い。


 何せこっちは高い料金になっていて、1日2食はご飯まで出される。こっちに乗れるのは領主でもあるトデイン様のお陰だった。

充分に金貨を貰いこっちに乗りこんだのだ。

 まぁ、代金は金貨2枚を支払ったのだが、試験受験料さえもってればどうとでもなるからな。

 それに家からも餞別や自分の貯金まであるからね。


 餞別で金貨2枚と貯金で銀貨5枚に銅貨60枚、それだけあれば充分だろうと考えていた。

 各町や都市の間には小さな村や集落なんかがあり、そこに泊まりながら移動する。

こっちはそういった所で宿に泊まりながら。

あっちの馬車は野宿をしながらだったが、慣れていないものはそうとう堪える。

それに馬車は車輌が岩に乗るだけでもかなりの揺れる。

街道があるがそこまで綺麗な道では無く、ボコボコしているから中には気分が悪くなり吐き出す人まで居るとか・・・。


 皆は大変だな、良かったよ俺は耐性があるからな。



 この4年の間、耐性やスキル、魔力量の向上を目的として神格がオートで周りに被害が無いように俺の体を苛められた。

 初めは、神格=鬼って言う認識だったが、今となってはかなり助かっている。


 そのお陰で俺のステータスはこの様になっている。


 個体名 ハンス 種族 人間-神 年齢 10歳

  所在地コープル

 装備

 ショートソード 革の鎧 毛皮のマント 革の靴


 固有スキル【時空間創造操作III】【従える者Ⅰ】【生命の息吹III】【能力向上Ⅳ】【聖魔召喚Ⅱ】【武器使いIII】【身体能力upⅥ】【忍ぶ者IV】


 耐性スキル【物理攻撃耐性V】【属性魔法耐性V】【聖魔攻撃耐性V】【精神攻撃耐性V】【状態異常耐性V】【神魔法耐性V】


 常時スキル 【不屈Ⅲ】


  スキル【怒りⅢ】


 ゴッズスキル【神格】【聖魔覇気】【森羅万象】【大魔術III】


 加護【バルベリア】【ベルナート】【ハデス】


 称号【時空使い】【創造主】【神界の力】【魔界の力】【武器師】【製作者】【万物の王】【魂の器】【結界師】【大魔術師】


 が今のステータスだ。勿論、神格に統合されたスキルなんかもかなり順調で上がっている。


 耐性スキルの上げ方はいたって簡単だった。

属性魔法耐性なら属性魔法を微弱に流し続け、状態異常耐性は毒や麻痺等を微量流し込まれ続けるだけでいい。

まぁ、初めは地獄だった・・・。


 そのお陰で【不屈】【怒り】を覚えてしまったが。


 話は戻るが、馬車の旅はなんとか順調だった。

 ゴブリンやキラーアントが道中何回か襲って来たが、護衛の3人が相手をし倒していった。


 順調にプルツとアリアルを過ぎ、ノボノに向け出発した乗り合い馬車は、更に1台増え合計4台でノボノを目指していた。


 アリアルを出て2日が過ぎたあたり、今日も1日が終わろうとしていた。

順調にここまで来て無事に宿に泊まり、今は夜の10時を過ぎた頃だった。

乗り合い馬車の出発は朝6時と早く、明日の準備をした後寝るのがこの頃の日課になっていた。


 町や都市では散策したり、珍しい物があったりと楽しむことが出来たのだが、村や集落はそうもいかない。

そこそこ旅人や冒険者等でにきわっているものの、めぼしいものも無く退屈であった。が、今は違う。


 こんな事は初めてだ。

何だこの気持ちは。

何かあるんだろうか?このままでは寝るに寝れないな。

眠くなるまで散歩してくるか


 寝ようとしても寝付けれず、何かしら嫌な予感がする。

 この集落はそれ程大きくない。

人口は200人程度で、集落の周りには頑丈な柵が何重にも張ってある。

 ここら辺の魔物は弱く、今まで強い魔物が出た試しが無いとか。

だが油断は出来ないと夜の警備の巡回には何人も使っている。


 その証拠に


「おい!こんな夜にどうした?酒場に行くような年齢でも無いと思うのだが」


 外に出たら声掛けられるんだもの


「何か、妙にそわそわして眠れないんだ、散歩して来たいんですが・・・?」


「んっ?いつもの枕じゃないと寝れない奴か?ハッハッ!」


「嫌、それは無いけど、何か胸騒ぎがするんだ」


「胸騒ぎ?不吉な事言うなよお前・・・。

後1時間で交代で、その後のエールが俺を待ってるのに」


「すみません、1人で散歩がダメなら一緒に見回らないですか?」


「そんなに心配か?本当は駄目なんだが、今回は良いぞ!その代わり変な事したらすぐ詰所に連れていくからな」


「ありがと、俺はハンス!よろしく頼みます」


「俺は警備隊長補佐の部下の部下のザルダスだ、宜しくな。ハッハー」


 ったく、警備隊長補佐の部下の部下って、ただの警備兵じゃないか。

まぁ、それはいいとしてこの胸騒ぎ・・・俺の気のせいならいいが。


 ***敵意に満ちた個体が、数体感知出来る範囲に存在してます***


 っ!神格、場所をマップに表してくれ!


  ***了解、マップ表示します***


 ここは集落の外か!神格、敵意の数を教えてくれ。

まだ増えそうだったらそれも教えて。


 ***了解しました。現段階の敵意の数は7体です。感知出来るギリギリの所に居るから増えたり減ったりしています***


「ザルダスさん!しばらく交代出来そうにないかもです」


「それはどう言う意味だ?」


「集落の外から敵意ある感情が流れて来ている。今は7体位だが、俺の気配察知にギリギリ届いている場所にいて、まだ増える可能性がある。今から警備兵を集められないですか?」


「ちょ、ちょっと待て!気配察知?敵意?集落の外で人数が7体?すまんが・・・信じてやりたい気持ちはあるんだがな・・・。

ここから集落の外までは、ざっと400mは離れているんだぞ!そんな高度な気配察知は聞いたことがない」


「信じてもらえないの?」


「そんな情報では警備兵は集めれない。すまない、だが、俺が敵意ある者を確認したら警備兵達を集められる。それでいいか?」


  ***報告敵意あるものは9体になりました***


「ザルダスさんありがとうございます、それでお願いします」


 集落の外まで2人は全力で走って行く。

途中で他の警備兵二人と出会い、何故か追っかけられることとなったが・・・。

何はともあれ警備兵の数が増えて助かったと思うハンスだった。


 **ザルダス視点**


 妙な子どもに声かけたがいいが・・・やけに圧迫するような存在だな、怪しいと言えば怪しいが・・・。


 何?敵意を持った奴が集落の外に7体居るだと!絶対嘘だろ?だが、何だコイツの自信は?


 仕方ない、確認してみるか。

もし、この子どもが変な事すれば、即詰所に連行したらいいしな。


 マジか!ちょっと足速すぎだろ!俺もこの集落の警備する為、体鍛えてるんだが・・・。

一緒に走るどころか、見失わないのがやっとだと!


「はぁ、はぁっ、はぁっ、ちょ、速すぎだろ!待て!嫌、スピードを落とせー!」


「んっ?すみません、1人で行き過ぎた、この位でいい?」


 確にスピードはかなり落ちた。が、それでも、追い付けないって・・・化物かアイツは?


「おい!ザルダスさんじゃないですか。どうしたんです?犯罪でも追ってるのですか?」


 すまん・・・今それどころではないんだ!取り敢えず、手で来るように合図は送ってあの2人にも来てもらうか・・・。



 **ハンス視点**


 全部で21体か・・・。

神格、種族は分からないか?


 ***岩や木の影に隠れているようなので、知能が低い魔物ではない事は分かりますが、どの種族かは分かりません***


 嫌、それが分かれば助かる。


「はぁっ、はぁ、はぁっ、おい!ハンスはぁっ、はぁ」


「んっ?どうしたんですザルダスさん?」


「どうしたも無いだろ!はぁっはぁっ、幾ら何でも速すぎだよ!」


「かなりゆっくり走ったつもりだったけど・・・次は気を付けます、すみません」


「あれでゆっくりだと・・・」


 ザルダスは息も切れ気味でハンスへ話しかける。

あれでゆっくり走ったと言ったハンスに驚いていたが、よく見ると汗も欠かず息も乱れてないハンスを見て顔が引き攣る。


「ハ、ハハハ、お前は体力お化けかよ」


「はぁっはぁ、やっと追いついた。ザルダスさん、一体何が、はぁっはぁ、起こったんだ?はぁっ、はぁー」


「ちょっと、はぁはぁっ、待て、とりあえず息を、整えさせてくれ」


 ***


 少しの時が過ぎ、警備兵3人が息も整った所でザルダスは説明をする。

本当は時間をかけたくなかったが、それは仕方が無いことだった。

あんだけ息も切れていたら何かあっては役に立たないからと考え少し待っていた。


「何だって!このボウズの気配察知に敵意が反応したからって・・・それで、宿の前から走って来たってのか?ザルダス・・・お前は馬鹿か?いや、すみません、先輩に向かって。

でも、それは有り得ないですよ!宿の前からここまでの距離を考えると・・・」


「いや、すまない。それはそうなんだが、やけにハンスが自信あって不思議と信じれる様な感じだったんだが。でっ、ハンス、俺達は集落入口まで来たがお前が言う敵意のある奴なんていないじゃないか。どう責任取るんだ?」


「んっ?誰も集落の入り口って言ってないけど?」


「なっ!それじゃ嘘だったのか!いくら子どもでも詰所に連れて行かねばならないんだぞ!」


「だから、最初に集落の外と言ったんだよ?現にあそこの岩や木の影に隠れている奴等が全部で21体居る」


「ちょっと待て!あの岩や木の影にって、この入口から更に100mは離れてるんだぞ!流石に有り得ない話だ。ハンスには悪いが1度詰所まで来てもらう」


「分かった」


「じゃ来い、責めて縄をかけないから逃げるなよ?」


「だだ、あそこを調べてからで」


「まだ言うか!」


「信じられないなら俺1人で行く!それなら問題ないよね?」


「馬鹿野郎!問題あり過ぎだ!集落の外に子ども1人で行かせられないんだよ!・・・すまないが見てきてくれるか?」


 ザルダスは仕方ないとばかりに後から来た警備兵に見てくるように頼む。


「ちょ、危ないって!ザルダスさん、あの警備兵の人と一緒に行かせてよ!」


「舐めてるのか?ハンスとやら、これでも元冒険者なんだよ俺は!ランクCのワームスって言って腕には自身がある。子どものお前に心配される筋合いは無いさ」


 **盗賊視点**


「頭、妙なガキと警備兵が集落の入口まで来やした!」


「ガキと警備兵だと?どんな感じだ?」


「時たま大声を出している様子で、警備兵は3人とも疲れ切っているように座り込んでやがります」


「んっ?一体どんな感じか想像ができん・・・。少し様子を見るか」


 アイツ等か、確に警備兵達は疲れている様に見えるが、気になるのは子ども・・・アイツだけはどうしてピンピンしてるんだ?


 見れば見るほど意味がわからん。!?、今あの子どもと視線が合ったような感じがしたぞ?


 まさかな・・・、こっちは完璧に隠れて向からは見えない筈だ!んっ?警備兵が1人こっちに来るだと!


 しまった!やっぱり見つかっていたんだ!ちくしょう、どんな手を使った!だがまだ警備兵にガキしか見当たらねぇ・・・余裕だぜ!この集落は俺達のもんだ!


「おい!」


「へぇ、お頭どうしやした?」


「こっちに1人で来る警備兵に矢を打ち込めと伝えて来い!」


「分かりやした!」


「あぁっ、それと1発で仕留めろと伝えてこい」


「はっ」


「おい!頭から命令だぞ!この盗賊団で弓が一番上手のははお前だ。お頭は近付ずいてくる警備兵に矢を打ち込めだとよ」


「へへっ、お安い御用で!」


 どれどれ・・・アイツか、俺に狙われる何て運が悪かったようだが、楽に1発であの世に送ってやる。


 盗賊が弓を引き絞り狙いを定める。

そして矢が放たれる瞬間が来た。


「あっ、1発で仕留めろって言い忘れてやした」


「ビクン!」


 集中して放たれようかした矢は、驚きにより少しだけ狙いが外れることとなる。


 **ハンス視点**


「ザルダスさん危ないって!ワームスって人、一人で行かせて!責めて俺が行けないならもっと警備兵を集めてよ!」


「こっちまで聞こえてるよ!確認して戻って来たら覚えてろよ?ボウズ!いくら子どもでも我慢のげぎぁぁぁっ!」


 ワームスが叫びながらもその場で倒れる。

 その肩に深く突き刺さるのは一本の矢であった。


「「!?」」


 咄嗟の事で理解出来なかったザルダスともう1人の警備兵。だがハンスは違った。

ワームスにダッシュで駆け寄ると、引きずりながらも何とかザルダスの所まで連れてこようとしている。


 ハンスはアイテムボックスからショートソードを出し、更に飛んでくる矢を撃ち落とす。

 ワームスは意識があったが痛みでそれどころでは無い。


 そこでやっとザルダスが正気に戻る。


「ハンス・・・俺は・・・」


「言葉は後!ワームスさんの治療をしないと!それに応援を呼んで!直ぐに!」


「はっ、はい!」


 ハンスの気迫に負けたザルダス、その背には冷や汗が流れる。その気迫だけでも、もし戦っていたら確実に負けると感じながら照明弾の魔道具を天に放つ。


 空高く打上げられた照明弾は「ボン!」と言う音と共に激しく光る。その間にハンスはワームスの肩に刺さった矢を少し雑になったが引き抜き、回復魔法を唱える。


「ローキュア!」


 矢を雑に抜かれた時は「ぐわぁぁぁっ!」と叫び声を上げ、回復魔法をかけられるとその傷みも和らいだのか、話せるまでとなった。


「はあっ、はあっ、す、すまない」


「大丈夫です、取り敢えず傷は癒しました。何処か体調は悪く無いですか?」


「大丈夫だ・・・その、さっきはすまん・・」


「無事ならそれでいいです」


「「「「「「わぁーーーーーっ!」」」」」」


 照明弾が上がり、短期決戦に切り替えた盗賊達か姿を現し、集落に向け流れ込んでいく。


「くっ、何だよあの人数!ハンス逃げろ!」


「大丈夫!ワームスさん任せて!ザルダスさん達で入口を固めてアイツらが入れないようにして!」


「なっ!無茶だハンス戻って来い!」


 このまま乱戦になれば間違いなく警備兵や集落に被害が及ぶ。そう考えたハンスは1人盗賊達へと立ち向かうのだった。







【話には関係ありません】

はぁ、旅立つ前にもっと貯金してればメルガイで色んな物買えたのになぁ・・・向こうで稼ぐしか・・・盗賊だと!

おじちゃん、ちょっとそこをジャンプしてみな!


くっ、何も持ってないとは・・・



3/15日文章の見直し、誤字脱字等致しました。

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