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冒険者クエスト  作者: チョコミルク
剣魔学校入学試験
48/87

43 ダンジョン②階層

 

 ハンスの前には鎧を身に付け、手にも剣を持った魔物と、少しボロボロだがローブを着て杖を持った魔物達と対峙していた。

 今までの魔物とは何処か雰囲気が違ったのは、見ただけでも分かるほどで、1階のボスでもあったマザーアント達みたいに簡単に倒せるような魔物達ではない。


 手に剣を持った魔物はゴブリンソルジャーって言うらしい。又、杖持ちはゴブリンメイジだ、スキルを見る限りあまり驚異ではないようだ。が、問題はゴブリンソルジャーの方だった。


 数はゴブリンソルジャーが2体にゴブリンメイジが3体と、数でもハンスが不利、しかもゴブリンソルジャーは今まで出会ったことはなく、どの位強く更にどんな攻撃をしてくるか分からない。


 この部屋はボス部屋らしいから弱い何て事はない。

 因みにこの部屋はあのベビーゴブリン達が居た部屋の奥に存在していた扉の先の部屋だった。


 ゴブリンソルジャーは【剣術】を所持し、ゴブリンメイジは【火魔法】が2体に【水魔法】が1体だった。

 ただ、スキルを見ただけではハンスもそう警戒を普通はしないのだが、ゴブリンソルジャーの1体には【進化種】と始めてみるスキルがあった。

 更には称号に【上位進化種】と持っていた。


 神格からの情報で【進化種】と【上位進化種】を聞いてみたが危険なスキルでもあった。

【上位進化種】はそのままの上位種族へ進化するためのスキル。

【進化種】は次なる進化の際により強力に進化するためのスキル。


 本来ならこのスキルは同時に所持している魔物はそうは居ない。と、神格からの言葉だった。

 ゴブリンの進化は通常、職業持ちで次にその職業別で進化先も変わる。

例えば、ゴブリンの時により剣の技能を取得し、経験がたまればゴブリンソルジャーに。

魔術の経験がたまればゴブリンメイジにと進化する。


 ゴブリンやコボルト等の亜人種と言われる魔物は、魔物の中では進化先が多い種族である事はこの世界の一般常識で、勿論進化先によって魔物のランクが高くなりそれ相当の強さを身に付ける。


 ただ、その中でもゴブリンやコボルトは魔物の中では最弱とも言える分類に居るため、数が少ないうちは余り脅威とは言えない。が、それは騎士や、ランクのある程度高い冒険者が相手するにはと、言葉を付け加えないといけないが。


 駆け出しの冒険者でランクHならゴブリンを2匹相手に勝てる者は余りいない。

 それこそ冒険者登録前にみっちり武術や魔法を鍛えた者は別だ。


 ランクFで初めて討伐の依頼が発行される。

 ゴブリンは弱いが侮れない。

繁殖率が高く余り1匹では遭遇できない。

 ただのゴブリンでも力だけなら一般人の軽く2倍以上の力があり、武器を使う知能まで持っているのだから。


 目の前のゴブリンはソルジャーが2匹にメイジが3匹と1段階は進化している。

 その内の1匹は【進化種】を持っている。

【属性魔法耐性V】を持っている俺は、メイジの3匹はたいして脅威ではない。

攻撃魔法が当たれば痛いのは痛いのだが、我慢できないほどではなく、その威力によっては無視できるほどだ。


「ギグゥゥ!」


 ゴブリンソルジャー1匹から警戒しているような声が聞こえる。

 ゴブリン達の立ち位置は、前にゴブリンソルジャーが2匹、後衛としてゴブリンメイジが3匹でお互いの距離は少し離れている。

 1匹を倒すついでにもう1匹とは繋げにくい立ち位置だ。


 なんだ?ダンジョンの魔物は外の魔物と違って知能でも良いのか?


 そうハンスは思ってゴブリン達を監察する。


「グガガガガァッ!」


 ゴブリンソルジャーの1匹が咆哮と供に飛び出しハンスに向かってくる。


「なんだ!陣形っぽい立ち位置は偶々だったのか?」


 相手から向かってくるなら此方から向かわなくてもいい、そう思ったハンスはゴブリンソルジャーを迎え撃てるように構える。


「グルガァ!」「グルルギィ!」


 突然ゴブリンメイジの2匹がハンスに魔法を放つ。

 どちらも初級の魔法でファイヤーアローとウォーターアローが1発づつハンスに向かって放たれた。

 ゴブリンメイジの放った魔法は、ゴブリンソルジャーを追い越し同時にハンスに飛んでくる。


「はっ!」


 ハンスは短く息を吐き出し両手のショートソードに魔力を込め、飛んでくる魔法を内から外に腕を振り払い斬る。

 払い斬られた魔法は、その場で破裂しその効力を失っていった。


「「ギィ!」」


 ゴブリンメイジは自分の魔法が斬られ消滅したのを見て多少動揺していた。

 向かって来ていたゴブリンソルジャーは動じた様子もなくハンスに接近し、手に持ったロングソードを上から振り下ろしてくる。


 そのロングソードの一撃は、斬るのを目的とした攻撃ではなくて、叩き潰すのを目的とした事は剣の造りからも見てわかる。

 一方のハンスは魔法を切り払った為に両腕は横に広げていて、始めに思っていたゴブリンソルジャーを迎え撃つには多少無理な態勢だった。


「くっ、これが狙いだったのか?」


 その時ボスフロアにはギィーンと金属がぶつかる音がこだまする。

 何とかハンスのショートソードによる防御が間に合った。

 ショートソードを頭上でクロスさせ、ゴブリンソルジャーの攻撃を受け止める事が出来たのだ。


 ゴブリンソルジャーは受け止められはしたが更に力を込めロングソードをハンスに押し付けてくる。


「力勝負なら俺にも自信がある・・・ここでか!」


 ゴブリンソルジャーの力に負けないようにハンスも力を込め押し返す・・・そんなハンスの視界にもう1匹のゴブリンソルジャーの動きが目に入った。

 もう1匹のゴブリンソルジャーはあろうことか唯一の武器でもあるロングソードを振りかぶりハンス目掛けて投擲しようとしていた。


 何処まで的確に飛んでくるかは分からないが、このタイミングで投擲を選ぶくらいに命中率は高いのかもしれない。

 そうしている間にもその手からロングソードは離れ勢いよくハンスへ飛んでくる。


「コントロール案外良いのかよ!」


「グギィ?」


「グガガガガァッ!!」


 飛んでくるロングソードに合わせ腕の力を抜き、接近していたゴブリンの態勢を崩し、ゴブリンを自分の盾として使ったハンスは、ゴブリンに蹴りを入れ蹴り飛ばす。

蹴り飛ばされたゴブリンは肩にロングソードが刺さったまま何メートルも吹っ飛んでいく。


「残念、当たらなければ意味はない、武器もなくなったしね。」


 蹴り飛ばされたゴブリンは一端放置し、武器を投げ飛ばしたゴブリンソルジャーに向けハンスは距離を詰める。


「グギギィ!」


 ゴブリンソルジャーの一声で、ゴブリンメイジは再度魔法の詠唱を始める。


「遅い!」


 ゴブリンメイジから魔法が放たれる前に、ゴブリンソルジャーに接近できたハンスは、右のショートソードで斬り付ける。

 ゴブリンソルジャーは咄嗟に腕に力を入れ胸の前で、腕をクロスさせる。


「グググッ!」


 腕から吹き出る鮮血、ハンスは攻撃が失敗したことを悟る。

ハンスの頭の中ではショートソードで切り裂かれたゴブリンソルジャーをイメージしていたが、ただのゴブリンと違い腕一本切り落とせなかった。

進化しているせいなのかゴブリンとこのゴブリンソルジャーとで防御力が全く違っていた。


「くっ!」


 既にゴブリンソルジャーは腕を盾にし、後退しショートソードの範囲から逃れていた。

それを見たハンスは、追撃する為にもう一歩踏込み左腕を振る。


「ぐっ!」


 その時、ハンスに不意に襲ってくるダメージはゴブリンメイジ3匹の初級魔法だ。

 ゴブリンソルジャーに集中したために、ゴブリンメイジの魔法を忘れていたのが仇となった。


 魔法は火と水、両方ともハンスに直撃しハンスの視界を遮る。

 ダメージは【属性魔法耐性V】のお陰で差ほどではないが、視界が遮られてしまった。

 その焦りからか、【万能感知】の発動を忘れているハンス。

 戦闘の経験が少ないハンスの弱点でもある、焦ったら取得スキルを忘れてしまう。のが出てきた。


「くそっ!ソルジャーは!」


 もう既に目の前にはゴブリンソルジャーは居なかった。

 ゴブリンメイジも後退しハンスから距離をとっている状況だ。


「グガガガッ!」


 その叫び声がした方を見ると、武器を失ったゴブリンソルジャーは、ロングソードをもう1匹のゴブリンソルジャーから抜き取っている所だった。


 ロングソードが刺さった場所は右肩辺りで、もう1匹は武器を右手では扱えないようになっているが、戦いを諦めた様子ではない。


 本当にゴブリンか?再度ハンスにそう思わせるには十分だった。

 ゴブリン達の戦い方を見れば、誰かに訓練されている様な戦い方と思ってしまうが、じゃぁ誰が?と聞かれれば全くわからない。

 そもそもダンジョンの魔物を鍛える存在などハンスは聞いたこともない。

 まだハンスが子供だからそう言った知識自体持ってないだけかもしれないが・・・。


「んーっ、そう連携されるとメイジも厄介だな・・・。」


 ハンスの今の状況は、目の前にはゴブリンソルジャー2匹、後ろにはお互いの距離を離れているが、ゴブリンメイジが3匹だ。

 戦闘を始めて何分か経ったものの、ゴブリンソルジャーが怪我をした以外に後変わったものはゴブリンメイジが幾らか魔力を消費しただけだった。


 正直ゴブリン相手にここまで苦戦をするとは思わなかった。

 ※※※ハンス様の強さがあれば・・・やはり経験が・・・※※※

 ハンスの中で神格もそう考えた瞬間だった。


「やはりスキルや魔法を使わないだけで、こうも時間が掛かるなんて・・・でも、やれそうだ、頑張ってみるか!」


 もし、スキルや魔法を使っていたら瞬殺。とはいかないだろうが、ここまで時間は掛かっていなかっただろう。

 そこまでして何故スキルや魔法を使わないかは、この部屋に入る前の神格からのアドバイスでもあった。

 ここ最近は能力に頼りっきりで、本当に必要な技術を疎かにしていると・・・。

 そのアドバイスもあり、武器に魔力を込める以外には、危険にならない限りボスフロアには能力に制限をかけ挑んでみよう!と、現在に至る。


 現在の立ち位置は、ハンスはゴブリン達に囲まれている状況で、ゴブリンメイジにしては再度魔法の詠唱をし始めていた。


「また、メイジの魔法を放つタイミングでソルジャーも動くんだろうね・・・」


 今までの戦闘を思い返してみれば、メイジの魔法を頼りに戦闘が行われていた事に思い至る。


「ここはソルジャーじゃなく、メイジから倒した方が良いのか?」

















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