41 コープルからメルガイに
晩御飯を食べた後は各自部下達に明日やることの内容を決めたり、今日の反省のミーティングをしていた。
食事中はあの後皆ゴータに対抗意識を燃やしていた。
と、言ってもダンジョンの地下5階まで一気に行くのではなくて、様子を見ながら慎重に行くって言っていたから安心はした。
それにしても、あのダンジョンはずっと大きくなるって大丈夫何だろうか?
もし、ダンジョンから魔物が大量に拠点へ出てきても困るし・・・定期的にダンジョンには潜った方がいいかもしれないな。
農場で食料の確保が大量に出来るのなら仲間の魔物を増やしダンジョンを管理する部隊を作った方がいいか・・・。
何気に課題は山積みなんだよな・・・。
奴隷達はビクビクしながらだったけど、真面目に仕事をしてくれたみたいで安心した。
そう考えハンスは眠り次の日の朝、早速実家に着いた。
「あっ、母さんおはよう。書類を貰いに来たよ」
家についたら母のローズと会う。
「あら、ハンスおはよう。書類を持ってくるわね」
ローズは朝食の後片づけをしていた手を止め、奥の部屋から書類を持ってきてもらい、書類の内容を確認する。
「えっ?剣魔学校の出席にトデイン様の名前があるんだけど・・・」
するとコープルの領主のトデイン様の名前まで出席欄に記入があった。
「そうよ。トデイン様が出席するか確認するために、1日もらったのよ?」
「でも、何でトデイン様まで?家族だけじゃないの?」
「何言ってんのよ・・・剣魔学校の推薦はトデイン様からでしょ、誘うのは当たり前じゃない」
トデイン様の名前あったのを疑問に思い、聞いてみたらあきれた感じでローズは言葉を返してくれる。
「あ、当たり前なの?」
「でも、当日は領主邸まで私たちを迎えに来てね?そうしないと間に合わないから」
「あー、そっか・・・こっからだと1ヶ月は掛かるからね」
「そう言うこと」
迎えに来るのは簡単に出来るが、メルガイに空間を繋ぐのは毎度ながら慎重にやっている。
人にはあまり見せれないスキルだから。
それよりも、父さんの姿が見えない。
「父さんは?畑?」
「そうよ、今日はソウシュさん達も一緒だから昼からはハンスの農場に行くって言ってたわ」
「もうソウシュ達来ていたのか・・・だから拠点に居なかったんだ」
流石父さん、面倒見が良いのは今に始まった事じゃないけど、農業に本気で取り組んでいる、冒険者って父さん位だよな・・・。
あっ、今ではソウシュもか!でも、おかげで俺は無事にここまで育ったんだから、そこは感謝しないとね。
ソウシュも皆の為に頑張ってくれているから、本当に頼りになるよ。
「ハンスは今日どうするの?泊まっていく?」
「いや、書類を提出したらメルガイの図書館と本屋に行く予定だよ」
「図書館に本屋?調べものでもあるの?」
母さんにダンジョンの宝箱の事、魔法の事で調べに行くと説明した。
「ふふふっ、バルベリア様って案外イタズラっ子なのね。私はトラップの解除はサッパリだから教えれないわね。魔法なら自信はあるけどね」
「イタズラっ子って・・・母さん・・・。トラップは仕方ないとして、魔法は、そっか母さんは職業魔術師だったね」
「あら?ハンス私の事何だと思ったのかな?」
「えっ?俺の母さん」
「・・・そっか、小さい頃に下級魔術教えてそれっきりだったわね・・・」
「因みに母さんは魔術どの位まで使えるの?」
「風魔法だったら上級まで行けるわ。その他は・・・水と土は初級までだよ」
「ちょ、母さん!上級魔法扱えたの?」
「失礼ね!風魔法の上級なら得意よ」
「でも、冒険者ランクはCだったんだよね?」
「そうよ、私は率先的にはランクは上げなかったし、Bランクのランクアップ試験も受けてないのよ」
「えっ、試験に合格したらランクBに直ぐにでもなれるの?」
「試験に合格したならね」
聞いた話、母さんはランクBのランクアップ試験は受けるつもりは今のところ無いそうだ。
その理由として、家族が出来たことであまり無茶をしたくないとの事。
一方、父さんのオールドはランクBで、これについてはコープルの領主トデイン様の依頼をしていたらいつの間にかランクが上がってたとか・・・。
まぁ、父さんは気にしない事にして、母さんはもう1つランクアップ試験を受けない理由があった。
その内容はぶっちゃげ【貴族】に対していい思い出がないらしく、試験を受けたくないらしい。
何でランクアップ試験に貴族が関係しているのかは、ランクBからは貴族等の要人警護も含まれた依頼も多く、貴族の扱いが上手くない冒険者は、いくら実力があってもランクアップはさせれないらしい。
その貴族もピンからキリまで、質の悪いもの当たらないようにするには、依頼書を良く読み、誰からの依頼かを確認し、依頼者の評判や情報を的確に知らなければ、冒険者は痛い目を見てしまうみたいだ。
その後もハンスは母ローズと世間話をし、良かったのがローズが扱える風魔法の上級魔法までを、今度時間があったときに教えてもらう約束をした。
その後はメルガイに行き、剣魔学校に書類を提出し、本屋に立ち寄っていた。
「本屋は始めてきたけど、本当に本だらけだな・・・」
コープルにも本屋はあったのはあったのだが、メルガイの本屋に比べても店舗は小さく、置いてる本の数も少なかったし、ハンス自体も本をあまり読んでなかった。
理由としては、まず本自体が高価なことと、コープルの本屋には自分が見たい本があまり無かったことだった。
そして、メルガイの本屋には幾つか読みたい本が何冊もあった。
のだが、やはり高く今のハンスには買う事を諦めた。
実際には、その本を買う事は可能だ。
メルガイに着く前に退治した盗賊の資金を使えばだが、このお金は仲間も増え、その仲間達の為に使うお金と決めていた。
実際には聖魔人達を召喚してから勝手に決めた事で、何かあったときのための資金として、ハンスのアイテムボックスの空間に眠っている。
お金と言えば、皆の頑張りのお陰で日に日に資金は貯まってきている。
ハクとコクセキのチームが討伐や魔物を、ソウシュとセキメのチームが解体し、薬草に木の実等の採取した物で俺達が使わないもののみを冒険者ギルドや、素材を買い取ってくれる店に売りに行っている。
因みに、俺も含め全員冒険者ランクはFだ。
ソウシュにセキメは特に模擬試験を合格したのにもかかわらず、聞いた時はランクHだったのは焦った・・・。
その後もバタバタと、ゴルダにトウカも冒険者ギルドに行ってもらい、模擬試験を終えてランクFになって帰ってきてくれた。
ハクとコクセキは模擬試験を受けずにランクFとなっていたが、二人の実力なら当然と言える。
そして、この本屋で気になった本は【魔物図鑑Ⅰ】【初級ポーション作成】【鉱石大全集】【薬草と木の実・果実図鑑】の5冊だった。
【魔物図鑑Ⅰ】と【初級ポーション作成】は続編もあるまたいだが、今はこの本屋には置いていなかった。
いつかはそう言った本を集めてみたいと思うが、この本たちは1冊に金貨10枚と馬鹿高かった。
まぁ、それも理由があって高いのだが。
まずは紙自体が高いのもあるが、全ての本は直筆で書かれている。
本屋に売っている本は模写製品がほとんどで、本を書いた本人のオリジナルは中々に置いてはいない。
それでも高く感じるのは、本には劣化防止の魔法がかかっていて、そのせいで値段も高いのだった。
安い本には劣化防止の魔法は掛かっていないか、不人気の作品のどちらかだった。
仕方なくハンスは本屋を出て、図書館へとたどり着いていた。
結論から言うが、本屋に置いていた本や、トラップについての本を簡単に見つけた。
本を読むのは苦にはならない。
何故かって?それはハンスには【神格】があるから、流し読みでも、ちゃんと内容を理解し、覚えてしまうからだ。
図書館に辿り着いて2時間でやることを終えて、ハンスは拠点へと戻ってきた。
拠点に戻ってきたハンスは今日はこれといってすることはない。
何故かはもう少し時間がかかると思っていた図書館での本探しだったが、あまり時間を使わずに調べたいものは調べれた。
その後は、ふと農場が気になり足を運んでみると、2号やソウシュとコボルト達に父さんや奴隷等がせっせと働いていた。
時偶で父さんが奴隷達に耕し方や、道具の扱い方、種の巻き方を教えていた。
その後ろでは、ソウシュが居てその話を真剣に聞いていた。
昨日分身2号を解除するときに、2号の経験が俺に記憶として入ってきたが、順調に農業は進んでいるようだった。
初めは、奴隷にさせる事で多生の不安はあったが、心を入れ換えたかのように真面目に働いてくれていた。
そんな2号が奴隷のリーダと話した記憶もあり。
何故人攫いをしていたか聞いていた。
その時の盗賊団の人それぞれ理由もあった。
街や村で、元々力が人よりも強く、態度も悪く村や街で過ごしていたが、回りの視線も冷たく次第に仕事もなくなり、スラム街で過ごす羽目となったものや、小さい頃から元々スラム街で育ち、生きていくために、スリや物取り等を仕方なくしていたもの達。
傭兵として働いていたが、ミスをし傭兵稼業が出来なかった者。
手に職をつけ真面目に働いていたが、働いていた所が破産し、普通の生活をすることが余儀なくされたもの達。
本当に理由はバラバラだった。
そして、そんなもの達を束ねた元盗賊団のリーダだったヴェルド。
そんなヴェルドも小さい頃からスラム街で暮らしていた者の一人だ。
他の者よりも体格に恵まれ、初級だが魔術まで扱え、奴隷達からの人望もあつかった。
だが、やっていた事は犯罪であり、同情を覚えるがそれだけでは奴隷契約を解除出来ない。
犯罪奴隷はそこまで軽いものではないし、ましてや盗賊団だったのだか尚更である。
だが、もしこれから何年かこうやって働き、更正するならその奴隷契約も解除してもいいんじゃないかとハンスは考えていた。




