35 防具を探して
俺の話が終わりトデイン様は少し考え込むような仕草をした。
「ハンス君、話してくれてありがとう。未だに腑に落ちないところはあるが分かったよ」
トデイン様は未だに話を信じられないのか時々ソウシュ達をチラチラと見ていた。
「・・・はぁ」
そして深い溜め息を吐いた。
「30点だな」
そして点数を付けた。
付けた?は、30点?意味がわからないんですけど?
「え、えーっと・・・」
取り合えず言葉を出そうにも言葉が出てこない俺。
「いや、40点位じゃねぇか?」
と、父さんまで?今度は40点?だからなにそれ?
「もぉ、オールったらハンスは可愛いから70点位じゃない?」
・・・母さん、貴方もか!待てよ?トーマスのおっちゃんも点数を言い出すんじゃないのか?この流れ的には。
そう思いトーマスのおっちゃんに視線を向けてみた。
・・・・・・。
ああ、なんだトーマスのおっちゃんは点数は言わないみたいだ。
うん、あれは言う雰囲気じゃないもんな。
ハンスがトーマスに視線を向けるとトーマスは「何言っているんだコイツら」って心で言ってそうな表情・・・まぁ、口を開け目をパチパチと閉じたり開けたりしていた。
「オールにローズも自分の子供だからって少し甘くないか?」
そう言ったトデイン。
「そうか?」「そう?」
答える二人。
「ちょっと!意味がわからないよ。父さんや母さんそれにトデイン様まで・・・」
本当に意味がわからない、何なんださっきまで喧嘩腰だったお父さんに、さっきまで恐かったトデイン様まで何だよ・・・
「すまないハンス君、実は君の能力の事は少しだけだが・・・もうオールに聞いていたのだよ。君の力と能力は一歩間違えれば危険な物何だよ・・・そして、信頼できる人以外には無暗に教えて良いものでもない。それに、俺個人としても君の事は信頼しているつもりだ。もし、君の能力を回りが知って、君を狙ってきても私はハンス君の味方であり続けると約束するよ」
「トデイン様・・・じゃぁ、さっきの質問とやり取りは?」
「んっ、いつかは似たような事があるかもしれないからな、オールと話し合い君にそう言った経験を積ませたかったのだよ」
「そうだったんですか・・・はぁ、不安だった」
「そこで、ハンス君に頼みがあるんだが?」
「頼み、ですか?」
「そうだ!良かったらハンス君の仲間の魔物を見せてほしいんだが?」
「また、変なこと言いませんよね?」
「ああ、大丈夫だ。実は昔にテイマーに憧れてたんだがなれなかったんだよ。素質がなくてね・・・」
仲間の魔物達を見てみたいと言われたハンス、流石にこの応接間には入らないだろのオールドの一声で一同は一端中庭へ移動した。
その中庭で空間を繋ぎ聖魔人達がそれぞれ下に着いている魔物達をつれて戻ってきた。
そこに現れたのは
ソウシュ部隊(料理・剥ぎ取り・農業・家畜)
コルト・コロマジ・コルジー・コチャ・コボルタ・コハナ
セキメ部隊(料理・剥ぎ取り・農業・家畜)
ココロ・コボマル・コジカル・コアスラ・ココリ・コトル
4号チーム(探索部隊)
ハク・コクセキ・ゴータ・ゴブト・ゴゴ
3号チーム(大工・鍛治部隊)
ゴルダ・トウカ
そして新しく仲間に加わったキラーエイプ・チビ率いるウッドウルフ3匹
仲間の魔物だけで総勢19匹、聖魔人は6名そして俺合計26名が初めてここ領主邸の中庭に勢揃いした。
「ふぁぁぁっ・・・」「・・・・・・。」
レインとトーマスのおっちゃんはあまりの多さに驚き、口が空いている。
父さんと母さんは一度会ったことがあるお陰でそこまでは驚いていない。
そしてトデイン様は・・・
「コボルトにゴブリンがこんなにも・・・あの、大きい魔物は・・・うぉ!もしかして、キ、キラーエイプか!?その横にはウッドウルフも・・・」
目をキラキラして仲間の魔物をなめまわすように見ていた。
仲間の魔物は拠点で作業していたのか手には鍬やエプロンや手には白い粉を着けていた者までいた。
まぁ、急遽事前に知らせずに集まって貰ったからそこは仕方がないとして・・・ゴータ君?君は探索チームで今日はお仕事がなかったのは分かる・・・だがてに持っているのは何かな?うん?1人、いや1匹だけ両手に焼いた肉を持ち一心不乱に食べている。
それを見たセキメが「なるほど・・・また勝手に調理場に・・・ソウシュまだ教育が足りなかったみたいですね」「そうみたいだな、帰ったら教育をするか」「ええ」などと会話をしていた。
その話が聞こえたのかゴータは「ひっ!」と短く叫び肉の塊を懐にしまう。
おい、おい、そこにしまったら体が・・・其にしてもゴータは相変わらずだなぁ。
「ハンス?俺の知らない魔物が増えてないか?」
と父さんが言った。
新しい魔物について俺は仲間に加わった経緯を話した。
そこで、問題が一点だけ発生した。
その問題とはキラーエイプの事だった。
まず、コープル町はイスタルアって言う山の麓にある。
イスタルア山とコープルの間には森が広がっているが問題のキラーエイプはそこから出没したんだと思われる。
だが、今までその森にはキラーエイプは出没した情報が無かったらしい。
居るとしてもキラーエイプの下位魔物でビッグモンキーと更に下位魔物のヒュードモンキーそしてウッドモンキーぐらいだった。
ハンスはモンキー種にはまだ会ったことないが、そこそこ出没すし縄張りに入った者には容赦がないから注意は昔オールドに言われた記憶がある。
話は戻るとしてキラーエイプの出現でコープル領主のトデイン様は冒険者ギルドに森の調査を依頼する事が決まった。
もし、他にもキラーエイプがいたら脅威になる。そんな存在だからだ。
因みに各魔物をランクを付けるなら下のようになる。
キラーエイプ:ランクC
ビッグモンキー:ランクD
ヒュードモンキー:ランクE+
ウッドモンキー:ランクE
そしてモンキー種は群で行動しているから群で現れた場合そのランクは一段落上がる。
冒険者でパーティーで行動をしているならまだしも1人で行動していたらまず、会いたくない相手だろう。
で、仲間の魔物達を舐めるように見ていたトデイン様は話を切り替え今回の誘拐事件解決をした俺達に御礼と報酬の話を切り出してきた。
また、今回の犯人達をどうするかと話は移った。
普通は犯罪者は犯罪ランクに基づいて処罰が下る。
今回は誘拐で誰も死んだりとかはしていないから奴隷落ちは免れない。
そこで、奴隷商に売るのだが1人銀貨5枚が普通だ。
俺達が捕らえた犯人は7名、ソウシュ達は4名、最後に父さん達は5名だった。
全員で16名になり総額は小金貨8枚で80.000貨円だった。
これを父さんやトーマスのおっちゃんと分なきゃいけないんだけど二人とも辞退した。
でも、父さんは報酬の金貨2枚は貰っていた。
今回の報酬は一件金貨2枚で200.000貨円貰えた。
そして俺はソウシュから金貨2枚を貰ったが今回頑張った聖魔人達に金貨4枚をわけて渡すようにする。
今は小さなお金がないので何処かで両替をしてからの話になるのだが・・・。
で、俺は犯人達はどうするか少し悩んでいた。
そうするとトデイン様は急がずに2~3日内に決めれば良いと言われ一端保留にした。
その後は再度トーマスのおっちゃんとレインにトデイン様は謝罪をし解散となった。
解散後に聖魔人や仲間の魔物達を拠点へと送り、分身を2号から4号を出し拠点へと戻って、何日もやってなかった各作業をしてもらう。
ソウシュやセキメは料理や農業それに解体の仕事へ。
ゴルダとトウカは大工の手伝いに。
コクセキとハクは探索の続きへ。
魔物達も各部隊に分かれ作業をする。
役割が決まってなかったウッドウルフとキラーエイプは探索部隊に組み込まれコクセキとハクで二手に別れて探索に出ていった。
その為分身を5号まで出し、それぞれに1名づつついていってもらった。
そして本体の俺は実家に2日泊まりその朝を迎えた。
「ハンスや、そう言えば防具の件は良いのが見つかったかい?」
そうミトお婆ちゃんが言ったが
「防具?」
「なんじゃ、忘れとったんかい!ほら、ハンスん所のダンジョンに行くのに防具が必要でコープルに来たんじゃなかったかい?」
「あっ・・・行ってきます!ミトお婆ちゃん」
完璧に忘れていた事だった。
そのあとバタバタで鉄心、トーマスのおっちゃんの所に走って出ていく。
「全く・・・人跳ねなさんなよ」
そんなミトお婆ちゃんの声が後ろから聞こえた。
そして鉄心へと辿り着いたのだった。
カラァンとベルをならし中に入ると珍しくカウンターにはトーマスのおっちゃんが居た。
「どうしたんだ?そんなに急いで」
「おっちゃん防具って置いて・・・無いよな・・・」
「防具?ここは知ってるだろ?武器や農具しか売ってないのを」
「そうだった・・・ごめん、おっちゃんまた来るよ」
「待った待った!防具何てどうするかだけ教えろよな」
そしてダンジョンの事と、そこに行くのに防具を探してることをおっちゃんに話した。
「知合いの防具屋なら教えてやろうか?いや待て・・・ちょっと待ってろ」
そう言って鉄心の2階に上がっていった。
2階は店ではなくトーマスのおっちゃんとレインが暮らす部屋と繋がっている。
少ししておっちゃんが戻ってきた。手には革で出来た鎧と靴を持ってきた。
「ほら、これをやるよ。若い時に使ってたやつだが、使い込んでいる分、装備しやすくなってる。新しい硬いやつよりはいいだろ?」
「いいの!?おっちゃん幾ら払えば・・・」
「金は要らねぇよ。レインを助けて貰ったお礼だよ。ほら、こっちに来なサイズを合わせるからよ」
「ありがとうおっちゃん!助かったよ」
「それは俺の方なんだがな!」
サイズを調整して貰らい、早速来てみるが何とか装備できた。
「何だ、一昔前のデザインだが、俺が小さいとき親父に作ってもらったやつなんだ。そこらの革の鎧と靴よりかは良い品だって保証はするぜ」
「それって大事な物だったんじゃないの?」
「んっ?良い品だったから捨てずに居ただけだ、気にするな」
「それじゃ、大事に使わせてもらいます」
ぬ
防具を手に入れた俺は普段着に着替え、実家に戻っていった。
実家に戻った俺は、新しく手に入れた防具達を鑑定で見てみた。
革の鎧 防御:11
魔物の革で出来た鎧。
装備しやすく行動を疎外しにくいように作られている。
主な素材にバシリスクの革と裏地にはオーガの革が使われていて、非常に頑丈で強靭な仕上げとされた一品。
革の靴 防御:6
魔物の革で出来た靴
素材は主にレッドバイソンの革で出来、耐水性と柔軟性に優れている。
靴底にはサンドスネークの革を用いられ非常に安定した動きが出来る。
鑑定での説明も、防御の数値も2号がメルガイで手に入れた防具の情報よりも大分良いものだった。
メルガイで売っている革の鎧は平均防御は7と低くく、使われている革も獣の革が多かった。
靴にしても同じようなもので、この装備を手に入れられたのは運が良かった。
無事にダンジョンに行くための準備が終わり、後は誘拐事件の犯人をどうするかという問題だけだった。
はぁ、どうするかな今回の犯人・・・奴隷に堕ちることは確定としてその後だよな・・・。
ハンスは奴隷制度について多少毛嫌いがある。
小さい時に自分の友達が生活にどうしようもなく、親から奴隷商人に売られるってことがあった。
まだ小さかったハンスにはどうしようもなくただ、ただ泣くことしか出来なかった。
その後その友達は違う町に連れていかれその後はどうなったかは分からない。




