26 街道の闘い
本日は快晴で、只今俺は街道を走ってます。
昨夜何者かに連れ去られた、レインとミリルを助けにコープルの東門から、真っ直ぐ街道を行った所にあるラザト村に向けて爆走中!
父さんからの情報だと東門を出た犯人の馬車は、ぼろぼろの幌馬車、その時引いていた馬は1頭の黒毛らしい。
その馬車を追って街道をただ真っ直ぐひたすら走ってきただけなんだが、ちょっと困った事になっている。
俺は悪くわない・・・と思う。
だが、俺の後、というかかなり後の方から魔物の群れが追って来ている。
そんなに俺って魅力的なんだろうか?
このままラザト村まで行けば、村に被害が出るかもしれない。
ラザト村まであともう少しなんだが、それまでに魔物の群れをどうにかしなければいけない。
幸い今確認できる範囲には、俺以外街道には人の気配はない、それだけでも救いなのだがどうするか・・・。
「神格、後の魔物何だけど倒さずに魔法で驚かせて逃げさせるのはどうかな?」
※※※可能ですが、一旦バラバラになった魔物がラザト村を襲う可能性もあります※※※
むぅ、それもそうか。
「なら魔物はどのくらい居るか確認出来るか?」
※※※確認できる範囲には27匹で範囲外にもいると思われます※※※
「追って来ている魔物の中で諦めた奴は?」
※※※範囲外の者は確認出来ませんが、追って来ている数は増えつつあります※※※
「まぢか・・・最悪分身に任せるしかないか・・・」
※※※分身に馬車を追わせ、ハンス様が魔物を討伐した方が魔力の消費が少なく終わります※※※
「討伐は俺、追跡は分身か・・・そっか、討伐が終わったら分身達の所に空間を繋げ追い付けば良いのか、流石神格だな」
神格の言葉通りに早速分身を一体だし並走させる。
「じゃ、2号追跡は任せたよ!」
「ああ、任せろ本体!」
そして俺は徐々にスヒードを下げ後ろを振り向く。
こうなったらなるべく魔物全滅させないと、生き残りが回りに悪さをしたら目も当てられないか。
そう言えば、2号が打ってくれた2本のショートソードは、これが初めてのデビュー戦だな。
そう思いながらアイテムボックスから2本のショートソードを腰に装備し鞘を抜く。
素人とは思えない出来の、そのショートソードは太陽の光を浴びて刀身を輝かせていた。
この2本のショートソードはある意味特別な代物に出来上がっている。
それを可能にしたのは神格に投合されたスキル【錬金術】に【鍛治】のお陰だろう。
小さい頃からトーマスのおっちゃんの所に行っては修行?勉強?まぁ、手伝いをしていたから【鍛治】は今でやっとレベルはⅤまで上がっている。
流石に2号がショートソードを打ち終わっても、レベルは上がらなかったがそれは仕方がない。
元々レベルが上がるにつれて上がりにくくなっているから。
そしてレベルⅤはどのくらいかと言ったら、一人前を軽く越えて熟練の職人の仲間入りのレベルだ。
ここでレベルを簡単に言うなら
Ⅰ初心者 Ⅱ初級 Ⅲ見習い Ⅳ中級 Ⅴ熟練
Ⅵ上級 Ⅶ達人 Ⅷ特級 Ⅸ国宝級 Ⅹ伝説級
となっている。
ちなみにトーマスのおっちゃんはその中でもレベルⅦの達人と呼ばれるレベルで、レインはまだまだレベルⅠの初心者だ。
俺よりも確かに鍛治を始めたのは遅いが、自宅が鍛治屋鉄心だけあってほぼ毎日手伝いをしたのにも関わらず、そのレベルで俺は何故こうも高レベルかは神格が前に言っていた成長補正の効果だろう。
何処で成長補正が掛かっているかは未だに謎のままであるが、お陰でかなり助かっているのも事実だ。
そして、熟練の域まで達した鍛治で出来上がったショートソードを鑑定した結果はこうだった。
ショートソード 攻撃:13
品質が極めて高いの金属である鉄を使い最高の一振り。
刀身は普通のショートソードよりも若干だが短い。
刃が欠けても魔力を与えることによって再生可能。
ある程度の魔力を吸収出来る。
柄には魔石がはめられショートソード自体に魔法がかけられている。
【再生】【吸魔】
ショートソード 攻撃:14
品質が極めて高いの金属である鉄を使い最高の一振り。
刀身は普通のショートソードよりも若干だが短い。
刃が欠けても魔力を与えることによって再生可能。
雷(小)属性が付与されている。
柄には魔石がはめられショートソード自体に魔法がかけられている。
【再生】【雷】
柄には取り付けた魔石によってマジックアイテムとなった二振りのショートソード、一番悔やまれるのはショートソードに使用した魔石は下級の魔石だが文句は言えない。
何故ならまだ俺達はゴブリンやコボルト達位の低レベル魔物しか討伐してないから・・・マギシャル第7森林にもそれ以外の魔物は居たのは居たがランクの低い魔物達だった。
そのほかと言えば魔石がない獣しか居なかったので仕方がない。
魔物達との距離は、うん、まだあるな。
それほど距離が離れているのに追ってくるなんて諦めたらいいのに。
えっと、先頭はキラービー10匹その後はウッドウルフ4匹その少し後はコボルトにゴブリンか・・・見えずらいな!その後にも何かが居るみたいだが分からないか。
ハンスは待ち構え数の確認をするが、直線で追いかけられているためどんな種類が居るかまでは分からない。
聞き流してはいるが神格が数が増える度に報告はしてくるが種類は分からないみたいだ。
※※※反応数25・・28・29・・・30・・・31・・・※※※
うん、数は増えてるよ・・・すれ違った魔物は10何匹位なんだが・・・
「はぁ、仕方ないやるか!」
魔力体力共に十分にある。
待ち構えてる分体力も徐々に回復しているし、戦闘は問題ないはずだ。
心配があるとすれば初めて戦闘する魔物なんだが、どんな攻撃をしてくるかも分からない為油断は出来ない。
既にお互いの距離は近い。
先手必勝!
「ライトニングアロー!」
ハンスが放った雷の矢はキラービーの群れへと突き刺さり、まず一匹を焼け焦がす。
放った魔法は一つだが、その余波で近くのキラービーもその勢いのまま墜落していく。
「まずは3匹脱落!フレアビット!」
キラービーとの距離も残り7m、その距離で放たれた炎で出来た無数の火の玉だ。
その火の玉がハンスを起点に扇状に広がりキラービーに当たっていく。
当たったキラービーは一発では少し怯むくらいだが、何発も襲い来る火の玉に撃墜されていく。
運が良かったのか最後の一匹は仲間の後にいて魔法のダメージは無いみたいだ。
「ギチギチギチキヂ!」
キラービーは怯むことなく尾の針でハンスを襲って来る。
右手のショートソードで針に当て攻撃を反らすとギィィィと金属の摩れる音が聞こえた。
攻撃を反らすと同時にキラービーの飛んでいる下に潜り込み、左のショートソードで羽の半分を切り落とした。
流石に飛べる状態ではなくなったキラービーはそのまま地面へ墜落した。
ハンスは羽がなくなったキラービーやその前に地面へと墜落した、キラービーを倒そうと向かおうと思ったが次なる魔物が接近したことで断念せざる得なかった。
現状キラービーの羽を切り落としたせいで群とは背を向けていた為、ウッドウルフは果敢にハンスへと2匹飛び掛かっていた。
ウッドウルフは大きな口を開け飛び掛かって来るが、振り向き様に右手のショートソードを投げる。
投げられたショートソードはそのままウッドウルフの口腔から入り頭を貫くと、その勢いのままハンスを通りすぎ墜落していく。
同時にショートソードを投げた反動を利用し、左手のショートソードでもう一匹に対し横一線に振るう。
「ガッ!」
その剣は首筋を大きく切り裂き同じく地面へと落ち暫く動いていたが、次第にその動きは止まった。
ハンスはじっと見ている時間も無く次に襲ってくるウッドウルフに対し地面に手を着き。
「フォールニードル!」
地面から突如現れた極太の針によって残りのウッドウルフの2体は一匹は頭部もう一匹は胴体と突き刺さる。
その姿は針の塔に突き刺さるウッドウルフ、頭を突き刺された一匹は即死だが、胴体を刺された一匹は辛うじて生きていた。
すかさずアイテムボックスから短剣を取り出し投擲、短剣はそのままウッドウルフの額に突き刺さり絶命した。
次に襲ってくるのはコボルト達で、少し遅れてゴブリン達だがまだ距離は離れている。
其までに素早く投擲したショートソードを取りに行き、キラービーの生き残りを始末していく。
そうしてやっとコボルトの群れがハンスへと近付いて、その手には多種多様な武器や防具を身に付けていた。
その武器や防具は使い古しボロボロであったり、まだそこそこ使えそうな装備をしていた。
予想では人を襲いその装備を手に入れたのか、人が捨てた装備を手に入れたのかは分からないが、普通の魔物よりも達が悪い。
元々魔物はどの種族も一般人よりは身体能力が高いのだから、その魔物が武器防具を装備していたら危険度は上がる。
そして武器防具を装備している魔物は何もコボルトに限らず、後から追って来ているゴブリンもその分類に入る。
勿論全員が装備している訳じゃないが危険は危険だ。
改めてこの群が旅人や商人それに、村や町を襲ってきたらかなりの被害がでるだろう。
「サンダーライン!」
まだ少し距離はあるものの、ハンスは雷属性のオリジナル魔法とも言える【サンダーライン】はショートソードの切っ先から放たれる帯状で一本の雷、それに触れた者はそのまま感電死。
良くて身を焦がし雷により体の自由が奪われそのまま気絶していった。
その雷の帯はハンスを起点に真っ直ぐと魔物達に広がっていきコボルトだけではなく、その後に迫っていたゴブリンやその他の魔物達まで被害が及び、追ってきた群れはほぼ全滅していた。
それにしても未だこれだけの魔物が殺られているのにも関わらず誰も逃げないのが不思議だった。
ゴブリンにしても知能が低く、基本は群れで行動するような魔物だが、ある程度仲間が殺られたら見捨てて逃げるような奴等だ。
コボルトにしたって警戒心が強く途中で逃げ出す者も普段はいたりする。
街道には沢山の魔物の死骸が散乱してあり倒れている魔物で動いている魔物は居ない。
要るとすれば【サンダーライン】の範囲外に居た残り1匹の魔物だ。
「グルガガガガガガァッ!」




