22 コープルへ
日曜日に予約投稿されていませんでした。
申し訳ありませんでした。
二話連続で投稿致します。
バルベリアさんとベルナートさんの使い魔が転移してきた。
どっちがどっちの使い魔かは分からなかったが、両方とも鳥の使い魔だった。
低ランクな魔物なら勝てるほどの強さは持っているらしいが、見た目はそんなのは感じられなかった。
少し時間が経ち、ダンジョンの変化は無かったみたいで、これから俺がダンジョンに向かう事がやっと出来る。
ダンジョンの外見は平原に1つ大きな岩山、遠くから見ていた時すでに入り口が分かる位でかい。
いざ近付いてみると、入り口はまっすぐ延びているのか、階段があるのかも分からない。
まさか、入り口は見えるがそれ以外の中は真っ暗で、使い魔が入っていった時も、入り口の闇に溶けるように入っていった。
ふむ、ゴータが潜っていたダンジョンはこんな感じだったのか。
確か、ダンジョンはバルベリアさんが創ったとは言ったが、中はどんな感じなんだ?
「このダンジョンはバルベリア様が創ったんだよな?・・・まっ、それならば安全とはいかないが安心だな」
「そうね、潜ってみたいけど時間もないしね」
父さんも母さんもやっぱり冒険者。
新しいダンジョンには興味があるみたいだが、俺が産まれてきてからはダンジョンに潜っていたという話は聞いた事がない。
クエストで聞いた話は、確か主に採取系や町中での依頼が多かった。
採取系ではどの場所にあの薬草が群生してるなど、町中では行方不明者の捜索や、町でイベントがあったときなんかの臨時警備員だったり、各所の清掃など誰でも出来て面倒な依頼ばかり。
それでも新人冒険者優先で依頼は受けさせている。
まぁ、ぶっちゃげ余り物の依頼なのだが・・・それを回りの冒険者やギルドが文句や陰口を言ったり等は全くない。
逆に回りからは重宝されているし、依頼者にも同じく感謝されていたりもしている。
そのお陰かは知らないがやたらと両親に声をかけてくる人は多かった。
小さい頃はそれが嬉しかった俺だが、そんな両親を誇りに思う。
実際に俺がダンジョンに潜り安全が確認出来たら二人を誘ってみようかな。
「父さん、母さん、そろそろコープルまで送るよ」
「んっ、宜しくなハンス!にしてもいくらバルベリア様が創ったダンジョンであっても油断はするなよ?ダンジョンはダンジョンなんだからな」
「そうね、最初の1回でも良いからダンジョンから帰ってきたら報告してくれたら嬉しいわね」
「分かったよ、最初は無理せず短時間だけ潜ることにするよ」
「そうだな、それで装備やアイテムは大丈夫なのか?」
「ポーションとかなら幾つかは持っていってるよ、装備はショーソードで後は普通の服しかないけど・・・」
「防具がないのが不安だな・・・」
確かに防具がないのが痛い、完璧にダメージを受けないとは言えないし、防寒の意味もある。
今は2月でまだまだ寒い時期でもあり防寒は必要だ。
さて、どうしたものか・・・メルガイやコープルの防具屋は開いている時間で買うことには問題ない時間であるが、正直なところ余りお金を使いたくはない。
ある程度のお金は残っているけど、質の良い防具を買う分には全く足りてはいない。
「防具か・・・仕方がないか、先にメルガイかコープルの防具屋に行ってみるか・・・」
ダンジョンにすぐにでも潜るつもりだったのでテンションも下がってしまう。
「ハンス、そんなに落ち込むもんじゃない、ダンジョンは逃げやしないからな!はっはっは!」
無事ダンジョンを見てきたハンス・オールド・ローズの三人は豪邸まで戻ってきた。
戻ってきた理由は親達をコープルに送り届けるためで、結局どっちの防具屋に行くかは決まらないまま戻ってきたのだった。
「帰ってきたようじゃの、でっ、ダンジョンはどうだったかい?」
庭で待っててくれたのはミトお婆ちゃんだ。
ダンジョンの外から見た内容を伝え、結局すぐ潜れない件も伝えた。
「なんじゃ、それならばコープルの防具屋にするとええんじゃないか?移動の手間もメルガイ程かからんしな。しかも、今の時期は値段も上がってるだろうからの」
「値段上がってるの?」
それは初耳だった。
ミトお婆ちゃん曰く、メルガイの剣魔学園の試験期間から入学期間は人口も一時的にだが膨れ上がり、品物の品薄状態から物価が上昇するのだとか。
それは食料品から雑貨、装備品と至るものが毎年上昇するのだとか。
人口が膨れ上がるのは流石に身をもって体験してある。
正門からメルガイに入る際にどれだけ時間が掛かったか・・・。
結局、ミトお婆ちゃんのお陰でコープルの防具屋に決まり、ハンスは一緒に帰ることとなった。
一日ぶりにコープル経戻ってきた一行、ローズは昼飯と夕飯の買い出しに、ミトは薬草の手入れに、オールドはソウシュ・コボルト立ちと畑に出かけて俺一人だけ実家に取り残されていた。
ふと思い、自分の服や雑貨が収納されている引出しから自分の服や、小さくなり自分では使わないような洋服をアイテムボックスに放り込みあるものを発見する。
「これは・・・」
それは複数のシルバー色のネックレスや指輪だった。
剣魔学園に旅立つ前に、幼馴染の鍛冶師の一人娘レインに餞別として渡す為、その父親トーマスと一緒に作成した品々だった。
少しづつデザインを変えて作成した物たち。
前日までどのデザインが良いか迷ったあげく、やはり渾身の出来が良かった物を別れる時に渡した。
指輪は渡すときに気不味いと行った理由で渡すのが没になったわけだが・・・。
トーマスは娘のプレゼントということでノリノリで作業を手伝ってくれ、必要な材料は破材を再利用した為に金銭的な物は払わなくて良かった。
「あの時はおっちゃんに感謝だったな」
しみじみとネックレスを眺めていると何かが頭に引っ掛かる感じがした。
「おっと!ゆっくりはしてられないな、防具屋、防具屋っと!」
アイテムボックスの収納は終わり実家を出る。
家から右に行けばオールド達がいる農耕地区で、左に行けば町の中心部は商業地区で正門から続いているメインストリートだ。
「久しぶりにおっちゃんに挨拶しに行くか」
トーマスの店は実家からまっすぐ行ったメインストリート通りの角に建っている。
【鉄心】それがトーマスの鍛冶屋の名前で鍛冶ギルド公認の金槌と剣のマークが店先にぶら下がっている。
店舗事態は広く、綺麗に掃除されていて品物など整理されている。
【鍛冶屋】
いろいろな職種で使われる道具から冒険者愛用の武器まで幅広く扱う。
武器専門又は、防具専門と鍛冶屋で別れるが大手の鍛冶屋は武器防具と両方取り扱うところもある。
武器専門だから防具は取り扱わないではなく、きちんと防具は防具専門の鍛冶屋から商品を下ろしている所もある。
逆も然りだが、やはり防具を買うなら防具専門で買った方が安く、サイズ調整等が出来る。
武器専門も同じく武器は安く、武器の調整も依頼できる。
その他の物も刃物なら武器専門、アクセサリーなら防具専門 の方が安く手に入る。
その他は余り変わりはしないが。
因みに防具専門の公認のマークは金槌に鎧のマークだ。
そうこうしている間に見慣れた建物が見えてきた。
実はこの鍛冶屋鉄心は俺が産まれる前からあるのだが、定期的にメンテナンスがされて建物事態の古さは全く感じられない。
鉄心の扉を開け中に入るも最後に訪れた時と差ほど変わらない店内に何処か安心する。
変わらないなぁ、まっ、俺が最後に来たのも約1ヶ月前だからか。
その短期間で逆に変わってたら驚くだろうな。
全て変わらないのではなくて、実際に変わったところと言えば店内に置いてある品物の数や種類と言った物だけであった。
中に入ってみるもカウンターには誰もいない。が、鉄心ではほぼ当たり前の光景だった。
カウンターに殆んど居ない店の店主のトーマスは奥の作業場に一日の大半をそこで過ごし、依頼品の武器や店に並べる品物を作っている。
最近は、幼馴染のレインがカウンターに居ることもあるが、今日は居ないみたいである。
昔し、ここの防犯は大丈夫なのかと心配もしたことがある。
だが、それは心配は要らなかった。
強盗や窃盗対策も防犯専用のマジックアイテムを幾つも備えていているって聞いたことがあった。
「おっちゃん中にはいるよ!」
俺がカウンター裏の通路に向かって叫んでみる。
これもいつも道理の光景で、そしていつも奥からおっちゃんの声が帰ってくるのだ。
「・・・・・・」
いつもならだが、たまに疲れてか作業場で寝ている時もあってその時は流石に返事はない。
だが、たまにと言ってもハンスが記憶している間にほんの数回程度だけであった。
よっぽど前日は遅い時間まで夜更かしをしたのかもしれない。
「おっちゃん?珍しいな、今日は寝てるのか?」
寝ているのなら仕方がないと思い作業場まで入っていくが、おっちゃんの姿は作業場にも居ないみたいだ。
「ん?本当に珍しいな、ここにも居ないだなんて」
鉄心の建物は住居兼鍛冶屋だ。
住居スペースの方に行ってみる。
「おっちゃん!レイン!居るー?」
「・・・・・・」
誰も居ないみたいだ。
これは少しおかしい、店が開いている状態ならどちらか常に何処かには居る筈なのに、今日に限って誰も居ないだなんで今までで初めての事だった。
二人が鉄心を出るときは店休日として店を閉めていくのが普通だ。
この状態では帰れるに帰れなくなってしまった。
もし、二人に何があったのか心配になってしまう。
そして、少し考え込みながら。
「さて、どうしようか・・・取り敢えず心配なのはそうだが、そっか父さんにも伝えた方がいいか。そして、俺が伝えに行っている間におっちゃんやレインが戻ってきて、すれ違いにならないようにしなくちゃな」
久しぶりに分身4号を出しオールドがいる畑へと急がせる。
ハンスは4号を使いに出し暫く待ったが、まだトーマスやレインは帰ってこない。
待っている間に、客らしき人が入ってきたが店が開いていたのに店主達が居ないと知り、がっかりして出ていくものや、怒って帰る者が少なからず居た。
再度、鉄心の扉が勢いよく開かれ又、客だろうと思ってたハンスだったが。
「んっ、ハンス、トーマスはまだ戻ってないのか?」




