12 冒険者ギルド
「あっ、すみませんギルド登録お願いします」
俺は後の冒険者と会話を終わらせ再度受付にギルド登録をお願いする。
「わ、分かりました。それではこちらの紙に記入をお願いします」
「分かりました」
「代筆は必要ですか?」
「いや、大丈夫!」
えっとなになに?まずは名前次に年齢と出身地に種族っと!ここまでは問題ないな。
次は職業・・・えっと僕の職業は何だろ?
取り敢えず聞いてみるか。
「すみません自分の職業が分からないんですが?」
「そうですね年齢が年齢だけに職業は調べている方は少ないでしょう。別料金で銀貨1枚をお支払いいただけましたら別部屋で貴方がなれる職業を調べられますが?」
「適当に書く事は出来ないんですよね?」
「出来なくもないですがおすすめは致しません」
「出来るのは出来るんですね!」
「はい、ただ職業はこれから依頼を受ける時等重要です」
そお言うと受付の表情が引き締まる。
「もし、貴方が神官職を記入したとし、他の冒険者から回復魔法ができる者を探してあなたを見つけ声をかけられます。だけども貴方は魔法が使えないのでは貴方の信用も無くなりそれが広がれば冒険者活動もやり難くなるはずです・・・それでも適当に書こうとは思いますか?」
力説をした受付の女性、まぁ確かに適当には書かないほうが良いみたいだ。
「いえ、そしたら適正職業を調べて下さい」
「理解ある方で良かったです、ギルド登録に職業鑑定で合計銀貨4枚になります」
銀貨4枚で4000貨円か案外安くついたみたいだ。
俺は銀貨4枚を渡し職業鑑定をするために別部屋に案内される。
案内してくれるのは別の担当者らしくギルドの制服ローブ版を着た男性だった。
どうも職業鑑定をする部屋にたどり着いたみたいで男性職員が扉を開ける。
中は簡単にテーブルとうちらが座る椅子が設けてある他テーブルの上には人の頭ほどある石板があるだけだった。
説明を受けた俺は石板に手を当て魔力を通す。
魔力に反応してか石板は白い光に包まれている。
その上に紙を置き次第に紙に文字が浮かび上がる。
余談だが職業が浮かび上がるのは初め能力が低い時等でも少なく1~3つが平均だそうだ。
そして、これが俺の浮かび上がった適正職業だ。
〚戦士・鍛冶師・料理人・農民・薬師・調教師〛
うん、五つある・・・なんか思ってたのと違う、俺って魔法も格闘技も自信あるのにそっちの方は鑑定に無かったっという事は適正じゃないのかも、なんか自信無くすな。
「鑑定は終了いたしました。戦士以外にも適正職業は4つもあるから良かったですね」
はぁう!心にダメージが!
「は、はぁ」
「どうしました?」
「思っていた職業が表示されなくてちょっと落ち込んでました」
「そうなんですね、すみませんそれは知らずに」
「だ、大丈夫です。諦めますよその職業」
「そんな、これからなりたい職業があるなら頑張って修行せればなれますよ!この職業鑑定は現時点での本人の能力を見て決まりますから心配しないでください。それに、一度決めた職業はギルドでいつでも変更可能ですから」
「そうなんですね!!」
よっし!今の言葉でやる気が出て来た!
その後は受付に戻ると冒険者の列に並び直しから始まった。
今度の受付は短くシルバーの髪色をした男性の所に並んだ、待ってる冒険者が一番少なかったからね~。
「すみません、ギルド登録お願いします」
俺は男性職員に声をかけた。が、初めの女性の受付の方が話しかけてくる。
「ん?すみません、えっとさっきの新規登録の方ですね。先程の登録用紙はこちらです、カート、後はよろしくね」
男性職員はカートさんか、この登録があれば俺も冒険者か!待ち遠しいな。
「エルミ了解あとは任せて、あとの必須記入は職業欄ですね。職業鑑定に行ってきてらっしゃったんですね」
職業の事は正直触れないでほしい。
「はい・・・」
「それではこちらに記入をお願いします」
後からでも変えれるならと思い職業を記入し剣魔学校のライド・ハフ・リマザビさんから貰った紹介状を渡す。
「ん?誰からの招待状ですか?」
「!!学校のライド・ハフさんですか!すみません少々お待ちください」
そう言って受付のカートさんはカウンターの奥に消えていった。
少し経ってカートさんは白髪の体格の良いギルド員を連れて戻ってきた。
「君か?学校の理事の紹介状を持ってきたのは?」
「はい」
「紹介状にはギルド登録で模擬試験を受けれるようにって書いてあったが君は受けるか?」
「はい!お願いします」
「因みに君は何年生なんだい?」
えっと、一年生?んーっ、まだ入学してないしな、受験生?いや、合格はしたしな
「今年入学する一年生?」
「新入生か!それにしても合格が早い気もするがそれだけ優秀何だろう、だが冒険者はかなり危険だぞ?実際には学校で習うことが役に立たないことばかりだ実践はかなり違うからな!それでも模擬試験をやるか?」
「はい!お願いします!」
「返事はいいな!模擬試験で合格すればいきなりFランクになれる、がだまるっきしダメだったり微妙な所だったりFランクに届かないと判断した時はGにHランクになる」
「分かりました」
良し!ここで合格してFランクを目指すか!
「よし、俺の名前はラルジュラと言うよろしくな新人!それじゃ裏の演習所に移るついて来い」
ラルジュラの後をついていく俺。
演習場は受付カウンターから左の通路を抜けた所にある、演習場までの通路にはいろいろな役割の部屋がありハンスにとって初めて入る場所で少しワクワクしていた。
演習場にたどり着いた俺は少し驚いていた。
実際コープルのギルドには父オールドに連れられ中に入った事があり演習場なんかも来た事がある。
メルガイの演習場とコープルの演習場では違う所があり過ぎるのだ。
まずは演習場の広さだ実際コープルの演習場よりも2倍ではなく3倍は広いだろう。
次には冒険者の数だコープルの場合は下手したら1人居ればいいかの感じだがメルガイの演習場は何十人と武技の練習だったり周りを走ってたりしている冒険者が居るのだから。
勿論コープルだって多い時はあるがここまで冒険者の数が多いのは珍しいのだ。
最後は模擬戦専用のスペースが作られていたことだ。
模擬戦専用のスペースはここでしか見た事が無い、といってもハンスはコープルとメルガイの冒険者ギルドにしか来た事が無いのだが・・・。
男性ギルド員は模擬ち戦専用に着くなり広場に置いてあった武器を手に取りこちらを振り向く。
「よし、着いたぞ!まずは模擬試験を始める前に君の最も得意とする武器を選んでくれ」
この中から好きな武器を選んでいいのか・・・ショートソードは使い慣れているからこれでいいかな?
ギルド員が選んだのはロングソードでハンスが選んだのはショートソードだ。
もともとの身長差や腕の長さで負けていたハンスはロングソードとショートソードで更にリーチに差が開きかなり不利な状態だ。
もともと子供は大人に比べて体力も力も勝てるわけがない。
だから初め受付のエルミさんや髭もじゃドワーフは注意してくれた。が、それは普通の子供ならの話だ。
また二人の選んだ武器は模擬戦用、刃は丸く潰され斬れなくなっている。勿論、全然怪我が無い訳では無い。
重たい一撃で骨が折れたり下手したら死ぬ恐れがあるから。
「ん?君はショートソードを使うんだね、準備がいいなら早速始めるぞ?」
「はい、大丈夫です」
「よし!それではギルド登録模擬試験を始める」
やっと模擬試験が始まった!
ギルド員は動く気が無いようでまずは俺の出方を見ているんだろうが、こっちもいいランクに成れるように頑張らないといけない。
様子見ではなく本気で殺さないように相手を無力化しなければならないのだ。
その際には多少の傷は問題無いだろう。
少しづつだが模擬戦用スペースの周りには周りに居た冒険者が集まり始めているらしい。
気配で感じ実際にはギルド員のみに今は集中している。
相手との距離は10メートル位か、先ずは相手の視界を奪ってみるか。
「ファイヤーアロー!」
自著を知らないハンスの攻撃魔法が発動された。
ファイヤーアローは火魔法の初級で使えるようになる魔法だがハンスはその初級魔法を自分が使いやすい様にその都度アレンジしていた。
普通のファイヤーアローは矢をイメージした魔法で、スピードも早く直線的に飛んでいき相手に当たるとその衝撃と炎が小さいながらも爆散しダメージを与えるといった物だが、ハンスがアレンジしたファイヤーアローは数から違った。
初級のファイヤーアローなら1本が普通なのに対して
その数は20本と多めだった。
一気に20本を放つのではなくて今回は連続性を持たせ若干のタイムラグで放つ。
より相手に回避や防ぎにくい様にと。
「なっ!?」
相手のギルド員はファイヤーアローに一瞬だが多さにまずは驚き、身体を硬直させるがそんな状態で一撃目のファイヤーアローが襲い来る。
「ま、まて・・・下手したら、俺、死ぬんじゃ?」
ギルド員はハンスに聞こえないくらいの声でそう呟き、ギリギリで一撃目を交わすと目の前には二撃目が迫っていた。
「う、うお!!」
二撃目は体制を少し崩しながらも避ける。
流石は模擬試験をするギルド員。
だからか三撃目・四撃目までギリギリまで交わしていたが五撃目からそうはいかなかった。
今までハンスはその場を動かず、ファイヤーアローを放っていたがより相手が避けにくいように走りながら放っていく。
「はぁはぁはぁっ・・・」
まだ、模擬試験が始まって一分もたっていない。
だがギルド員は汗をかきながら息も切れていた。
極度の緊張と休む暇がなく全力で避け続けた結果だった。が、そんなギルド員は今までにない状態にあう。
「くっ、これなら!」
今まで直線的に放たれていたファイヤーアローが何故か八撃目から変な起動を描きながら襲って来たのだ!
流石に避けられないと悟ったギルド員は、ロングソードに魔力を込め何とかファイヤーアローを打ち払う事が出来た。
ここで良かった事は威力だけは一般で使用されるファイヤーアローの威力しかなかった事だけだった。
でもこのまま行けば模擬戦用の武器は全てを打ち払へば使い物にならなくなってしまう。
時には避けて避けきらない分は無理な体制から打ち払うことしか出来なかった。
「なんだと!?」
そんなギルド員に対して最悪の事態が起こる。
十四撃目から避けた筈のファイヤーアローがギルド員を追尾する様に再度向かってきた。
「ぐっ!!」
流石に避ける事が出来ず背中に初めて着弾する。
それを引き金に十七激目まで着弾していたが何とか十八激目をかわし今放たれる二十激目のファイヤーアロー
「ちぃ!」
ギルド員はフラフラになりながら何とか最後のファイヤーアローを避けた。
だがそれがいけなかった。
避けたはずの十九激目と二十激目がギルド員の腹の横で衝突しそれを中心として爆炎と爆風が襲い来る。
「ぐあぁっ!」
流石のギルド員もその衝撃で体制を崩し地面に背中を強打する。
「ぐはっ!」
何も無ければその後も立ち上がり戦闘を再開するのだが、この場はそうもいかなかった。
「俺の勝ちだ!」
ギルド員が倒れた瞬間にハンスは距離を縮めショートソードをギルド員の顔の前で止める。
「ま、参った・・・そして合格だ」
まさか負けるとは思っていなかったギルド員は模擬試験を行った数分を思い出していた。
「む、無詠唱・・・」
ギルド員を追い詰めた魔法は間違いなくファイヤーアロー。
そして違いは放たれた数とその軌道だった。
周りに集まっていた冒険者も初めは今度の新人の腕を見るため軽い気持ちで見学していたがファイヤーアローを見てからは表情が変わっていった。
野次馬の冒険者達は
「何者だあいつ?」
「俺が知るかよ!こっちだって知りたいくらいだよ!」
と言っている声がちらほら聞こえた。




