11 ライド・ハフ・リマザビ
「ほっほ!まぁ良い、まずはハンス君、君にここに来てもらったことを再度説明する」
何気に重要な所聞き逃していたのか・・・危なかった。
「と、その前に自己紹介がまだじゃったな!すまぬ、すまぬ、急ぎすぎたようじゃ、ほっほっほ」
「は、はぁ」
「ワシはこの剣魔学校の理事長のライド・ハフ・リマザビと申す。さて、ハンス君に来てもらったのは入学試験の話しじゃ」
急に冷汗をかき始めた
だって、理事長本人がまだ生徒でも無い自分を呼び出してるんだから何かやらかしたんよ、嗚呼っ、やっぱり駄目だったんだ
「ま、まさか!俺、嫌、僕は退学ですか!」
「ほっほ、まだ入学しとらんのに退学何てありゃせんよ、これから話す事はハンス君にとって悪い話じゃない」
「ほ、本当ですか!」
「ああっ、安心せい、でじゃ剣魔学校の入学試験は普通は一次試験5つの試験科目の内2科目合格で二次試験に移れるのは知っておるな?」
「は、はい!その事は初めの方で聞きました!」
「うむ、では、次に二次試験5つの試験科目の内3科目合格で三次試験に移れるのは知っておるか?」
「はい、その事も途中で聞きました!」
メルガイで昨日買い物していた5号にだけど
何気に役立つ情報をあの時の買い物で少し仕入れていて助かった
***ただいま2号が買い物しながらその他の役に立つ情報を集めています***
そうか!流石我が分身だ、頼りになる!
「そして、三次試験は7つの試験科目の内五科目合格で晴れて剣魔学校の生徒となれるんですよね?」
「うむ、そうじゃ!で、剣魔学校の試験期間は2月頭から3月末日の2ヶ月間もある。そして二月も2日で終わり残り試験期間は二日も合わせ33日じゃ。1ヶ月も過ぎようかすると実力のある受験者は合格し始める頃じゃて」
んーっ、結局俺は何で呼ばれたんだ?
「因みにハンス君は何処に宿を取っておるんじゃ?昨日ハンス君の宿を探したんだが見つからなくての?確かにメルガイは広い、探してない宿もまだまだかなりある。が近場の宿は全て当たったんじゃが、もしかしてハンス君メルガイに知り合いでも?それなら宿しか探しておらんから分からないも当然じゃな」
うわぁ・・・一番聞いて欲しくない話を聞いてくるな・・・何日かかけてでも泊まる所を確保しとくべきだったな
さて、どうするかな、秘密は駄目かな?
「えっと、秘密で・・・」
「むぅ・・・秘密か、それは困ったのう、宿泊先が分からんと通知や伝言が送れないからの・・・」
ううっ、それは困った、でも拠点を教えても通知や伝言は結局届かないよなぁ・・・
「すみません、今殆ど野宿みたいな物でして・・・正直恥ずかしくて」
「な、何と!野宿じゃと、幾ら大都市メルガイとて治安が完璧に良いとは限らん、危険じゃったの!どれ!うちの寮にでも入るかの?」
***ハンス様、剣魔学校から少し離れてますが宿を3号が準備しました、安心下さい***
マジか!良くやった!みんな!
「知り合いが朝から宿を探してくれてますから寮の事は大丈夫です。宿が決まり次第宿泊先は伝えます」
「そうじゃったか、もし見つからなかった時は言うんじゃよ?」
それにしても
「あの、ただの受験生にどうしてそこまでしてくれるんですか?」
「ああっ、そうじゃった、そうじゃった!君は受験生なんかじゃないのじゃよ」
「え、えっと・・・?」
「ほっほっほ、合格おめでとう!君は4月からうちの学生じゃ!」
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・すみません、考えても意味がわかりません、僕はまだ一次試験が今日終わったばっかりなのですが?」
「そうじゃな、君は今日で一次試験の五科目を合格し終えよったの」
「ですよね?まだ二次・三次試験が残ってるんですが?」
「確かにまだ二次・三次試験が残っておるが、何せ君は一次試験を今までに無い基準値で合格しよったからの特例で剣魔学校の教官と重役職者で話し合って決めたんじゃ」
「えっと、と言う事は本当に僕は再来月から剣魔学校の学生に?」
「うむ、そういう事じゃ、さてハンス君は再来月まで時間が空いてしまったが何かする予定でもあるんかの?」
「もし、試験が早く終わった場合はメルガイの散策にギルドの登録を予定してました」
歩けば歩く程スキル万能マッピング感知のマップが埋まって便利なんだよなぁ
「なるほどの・・・それにギルドとな?それはどのギルドかの?商業ギルドではないから産業ギルドかの?」
「えっと産業ギルドはいつかは入ろうかと思いますが、まずは冒険者ギルドに入ります」
「冒険者ギルドとな!?試験結果を見てみたら確かにやれるじゃろうが、年齢的に早くないか?」
「いえ、大丈夫です、もう決めてますから」
「むぅ、そうか、ならここでちょっと待っていなさい」
そう言って応接室を出ていくライド・ハフ・リマザビ理事長、少し経って応接室へ戻ってきた。
「待たせたの、ほれこれを持っていくとええ」
そう言って手紙をハンスに渡す。
その手紙は剣魔学校ライド・ハフ・リマザビ理事長の焼印まで入った手紙だった。
「あの・・・こちらは?」
「なあに、手紙があれば冒険者登録試験も受けれて尚且つメルガイからの出入りする時に使う門で貴族、とかまでは行かないが商人みたいに速く手続きを終わらせるようになる手紙じゃよ」
「なっ、良いんですか?そんな事までしてくれて?」
「良いんじゃ、良いんじゃ、ハンス君には期待して居るしその実力も資格もあるからの、だが気を付けるのじゃぞ?」
「すみません!ありがとうございます!」
***
応接室を出て今だに俺は驚いていた駄目かもと思っていたのに結果は反対の合格だったものだから。
それにまだ午前中で試験を受け始めてもまだ二日目だ、試験は2月の頭から始まっていたがハンスが受験登録したのが二日前、過去最速で合格である。
だから剣魔学校に合格したのが実感がない。
まぁ、そうこうしてる間に冒険者ギルドへと辿り着いたんだが。
ギルドとは
商業ギルド・産業ギルド・魔法ギルド・冒険者ギルド等で例外に盗賊ギルドに暗殺ギルドなんかもあるがその二つは犯罪者集団となっていて表舞台には出てこない。
その他のギルドも有るのだが今は上の4つだけの紹介だ。
何故かって?ただの変態の集まりが殆どだからだ。
1例に例えるなら【ゴブリン愛好ギルド】・・・うん!関わりたくない。
【商業ギルド】
商売をする際に登録をする、商業ギルド自体でギルド会員限定でもいろいろな物を売っている。
店を開いている物は商業ギルドで商品を買い自分の店で販売するところが多い。
店を開くと言っても必ず加入する必要は無い。
冒険者ギルドと同じランク制でもあり商業ギルドでのお買い物がランクによって安くなる。
開示された情報の共有が可能。
利益が出たうちから税を収めなければならない。
【産業ギルド】
鍛冶師・大工・料理人等他にもある。
また、自分で店を持つ人は商業ギルドも合わせて入いる。
冒険者ギルドと同じランク制でもありランクに応じて
開示されたレシピや技能の共有が出来る。
利益が出たうちから税を収めなければならない。
【魔法ギルド】
魔法を扱う者達が入るギルド。
開示された魔法や技能を学ぶことが出来る。
錬金術師等は合わせて商業ギルドに登録し店を出している者もいる。
魔法ギルド限定で依頼を授受することが出来る。
冒険者ギルドと同じランク制でもありランクに応じて依頼難易度も変わり収入も増え、魔法や技能もランクに応じて学ぶことが出来る。
【冒険者ギルド】
冒険者ギルドと言っても幅広い、地域のお手伝いから魔物の討伐に護衛にと一番の広いジャンルで活動出来る。
ギルドで荒くれ者から騎士や魔術師に貴族それに平民等加入者も一番多く登録している。
ランク制でもありランクに応じて依頼難易度も変わり収入も増える。
人気でもあり死傷率もかなり高い。
***
冒険者ギルドにたどり着いた俺は扉があったであろう入口から中に入る。
メルガイの冒険者ギルドはかなりの大きさだった。
コープルのギルドは二階建の木造の立派な建物でそこも大きかったが流石は大都市メルガイ三階建ての広さも倍くらいはデカい後ろに設置されている練習場なんかも相当広い。
中に入り内部を見渡す、ギルドの中には冒険者と思われる者達が騒いでいたり、落ち込んでいたりかなりの人数が居た。
「登録はどこでするのだろ?」
正面には受付がありその両脇には2階への階段がある。
「登録だからあの受付だよな」
左を向くと素材の引取り場所や装備やアイテムなどが販売されているスペースがあるみたいだ。
「で、あっちが買取等で」
右を向くと酒場とかした場所がある。
「あっちは今は関係ないか、今はさっさと登録を済ませるか」
俺は受付がある方に歩いて行く、大都市だからか受付をしている窓口が多くどこも何人もの列ができている。
受付している者は皆若く、男性はカッコよく女性は綺麗だったり可愛いかったりしている。
「はぁ、レベル高いなここのギルド、コープルの受付はおっちゃんにおばちゃんだったのにな」
それはハンスが小さい時の記憶だ父オールドに連れられてたまにコープルのギルドへと行った時の記憶だ。
「ん?あの受付だけ並んでる人いないや!運が良かったな、あそこにするか」
一番右奥の受付だけが何故か誰も並んではいない少し疑問も感じたがその受付へと向かう。
受付に座っている者は白い髪の兎の獣人で女性だった。
「あのすみません、冒険者登録をお願いしたいんだけど?」
「えっ・・・あなたは?」
この受付の人の顔を見て首をかしげてどうしたんだろ?
「えっと、冒険者登録を・・・。」
「いえ、失礼しました。こちらは買取専用となりますのであちらの列にお願いします」
さっきのは何だったんだろ?しかも何のことは無いクエスト完了専用の受付だった。
昼過ぎのこの時間には誰も並んでないはずだよ!隣の列では笑い声が聞こえるし、恥ずかしいな、もう!
「あっ、すみませんあちらに並び直します、ありがとうございます」
「こちらこそすみません、ここ登録してあげたいのですが、何分決まり事でして」
とりあえず、恥ずかしいしさっさと並び直そう!
「だ、大丈夫です、すみませんでした」
はぁ、恥ずかしい、列に並んで居るものには笑われるし早く登録出来ないかな・・・
それから少したってやっと順番が回ってきた。
こちらの受付は金色のロングの髪の人間の女性だった。
「すみません」
「あら?あなたは?やっぱり新規登録ですか?」
「えっ、は、はい。登録をお願いします。」
「すみません、冒険者登録するにしてもまだ若い様に見受けられますが?本当に登録されますか?」
何だよ!受付の方から登録を言ってきたのに!
「がははははっ!おぅ、オメーはまだ若過ぎる!冒険者ってかなり危険な職業よ!悪い事は言わねーから帰りなよ、仮に登録出来ても魔物に殺されるか痛い目にあうかだな!」
突然後から声をかけられ振り向くと俺より若干身長が高めのヒゲもじゃのおっさんが立っていた。
「今、おっさんって思わなかったか?俺はこれでもピッチピチの21歳だ!」
なに!心を読まれたのか!筋肉ムキムキのどう見たってビッチビチのおっさんしか見えない。
心なしか周りの冒険者達も驚いている様に見えた。
「まぢか、俺よりも年下だったのか!てっきりおっさんだと思ってたぜ!」
「あ、ああっ、俺もだ」
「何!お前ら!ワシのことそう思ってたのか!」
「仕方が無いゼフ、何せ若い時からおっさん顔のドワーフの七不思議だからな」
「こ、こら!おっさんではない!ナイスガイと呼ばんか!」
「ははははは!」
どうやら後に並んでいた自称ナイスガイのヒゲもじゃドワーフは悪意があって声をかけてないみたいで悪い冒険者では無いみたいだ。
その後ろでヒゲもじゃドワーフをいじっている冒険者達もいい人そうだ。
「俺は大丈夫ですよ、魔物や盗賊とかの戦闘経験もありますし、まずは簡単な依頼しか受けませんから」
「むぅ、その年で魔物や盗賊の戦闘経験って俄には信じられんが、冒険者に成るのは本人の自由・・・だがまだ若過ぎる。無理な依頼は気をつけろよ!」
「ありがとございます、分かりました」
結局最後は心配迄してもらえて何か嬉しいな。
「あっ、すみませんギルド登録お願いします」




