チーム2号!ソウシュにセキメ10-3
「くっそ!誰かこいつを抑えるのを手伝ってくれ!ギルドマスターの所へ連れ出し警備兵に突き出してやる!」
「がはっ、ごほっ、ごほっ、ま、待て・・・ミ、ミッド、ハイ・・・ごほっ」
後ろで聞き覚えのある声がしミッドハイはそ凄い勢いで振り向く。
「!?」
それは水球によって全身を水浸しになったバルザスだった。
正直ミッドハイはあの威力がある水球が直撃したバルザスは死んだものだとばかり思っていたからその思考も一瞬止まりかけていたが、その思考を呼び戻したのはバルザスだった。
「お、俺は無事だ、ごほっ、ごほっ!不思議なことにな・・・。何が起きたのか・・・これもお前がしたのか?」
「そうです、攻撃用に作った水球だったのですが、貴方が降参されたから残った水を回復が出来るように調整し貴方に放ったのです」
「「なっ!?」」
ソウシュの言葉に驚く二人、勿論周りの冒険者も同じ反応をしている。
「そ、それじゃ違う回復魔法を使えたのでは?」
「使えますよ?ただあの水球をそのまま使った方が早く傷の手当てが出来るではないですか?それにあの水球を一度解除し拡散させるの勿体ないではないですか!」
「勿体ない・・・俺、あの水球で一瞬とは言え溺れかけたんだがな・・・」
「次は私の番ですわね!」
「ちょっと待て!まだ話が!」
「私は体術を専攻しているから武器は使わないわ、だけどソウシュみたいに魔法も得意よ、私の試験管さんはミッドハイさんでしたね?手加減は必要かしら?」
勿論手加減などしたらその実力を測るための模擬試験など意味が無い、だが先程の試合みたいになるのは避けたいミッドハイだったが・・・
「くっ、む、無用だ」
意地とプライドが邪魔していた。
お互い向かい合い、先程瀕死だったバルザスが模擬試験の開始を告げる。
「は、初め!」
ミッドハイの武器はロングソードでセキメは素手での模擬試験、普通ならセキメが不利な試合なのだがソウシュの試合を見ていたミッドハイだけに勝利の確信は全く無かった。
先に動いたのはセキメの方であった。
「炎舞!」
セキメは炎舞で全身に炎を纏う、炎は不定形な形で纏われ見方によってはただセキメが魔法で自爆し燃えているだけにも見える。
炎の塊がミッドハイに接近しなければだが。
「ちぃ!」
ミッドハイは攻撃範囲にセキメが入った所でロングソードを全力で振り下ろす。
普通なら試験管は全力攻撃などせずに相手の力量を測るようにしないと行けないのだがそんな余裕はこの試合では無かった。
セキメは全力で振り下ろされるロングソードの腹を軽く触り軌道をずらす。
空いていた右手でそのままミッドハイの腹に打撃を入れる。
「ごふっ!」
その威力は相当でミッドハイの身体は地面を離れ吹き飛ばされた。
結果は一撃でミッドハイは倒され試合の終了をバルザスは告げる。
「そ、それまで!」
バルザスは慌ててミッドハイに近づく、ミッドハイの様子はセキメの一撃が入った場所はギルド員の制服は跡形もなく燃え中に来ていた鋼を編んで作り上げた服まで無残にボロボロになっていた。
「ソウシュ、お願いね。」
「任せてください。」
「アクアヒーリング!」
ミッドハイは水に優しく覆われ静かに試合で受けたダメージを回復させて行く。
その後ミッドハイの回復も終え目も覚ましソウシュ・セキメ共に試験の合格し冒険者ランクをHからFへと変更すると告げられる。
「私達にランクアップは今は必要ありません」
「「なっ!」」
ソウシュの一言で試験管の2人は口を開き固まるだけであった。
「それでは」
演習場から去ろうとする2人出会ったがその行動は止められる。
「ちょっと待つんだ、ランクアップしたらクエストで更に効率よく稼げる様になるんだぞ?特にランクHだとメルガイの中の雑用や手伝いしかなくて貰える報酬もほんの少ししか無い。断るメリットが無いぞ?むしろその力量だとデメリットでしかない」
「そう言われましても今はランクアップしたくないんですよ」
「したくないとは?」
「私達の主人のハンス様も冒険者に近々登録されるみたいでその時私達がランクが上の状態だと有り得ませんから。ハンス様のランクが上がれば同じく上げても良いのですが。だから今回はランクアップは御遠慮致します」
「筋金入りか、分かりました、では2人のギルドカードを提出して下さい。今回の模擬試験の内容を反映されますので、ランクアップは貴方の判断で出来るように致します」
「そんな事出来るの?」
「はい、貴族の従者にはこの様なランクアップを拒否る様な方たちが多いので仕方なく出来た対応策ですよ」
「そうなんですね」
その後無事にギルドカードの書き換えが終了し2人は2号が来るまでギルドの中で待っていた。
少し待っていたくらいに2号が到着し無事に合流を果たす。
メルガイでの買い物も終え素材の換金が終わった時点で、3号に無事換金が出来たことを報告したと2人に話す。
ギルドを出てメルガイの外に出るまで屋台で買ってきたパンや串焼き等を堪能しながら2人の試験内容を2号は聞いた、その内容に焦った2号は「死人は出なかったか?」それに答えたセキメは「かなり手加減致しましたわ」と報告していた。
ようやくメルガイの外に出た3人だった。
ここで一度4号のチームに連絡を入れる。
(4号、今どの当たりだ?)
(2号か、俺達は今マギシャル第7森林に居るぞ!)
(連絡して良かった俺達もそこに行く予定だったからな)
(そうか、それで2号達はどうするんだ?)
(そうだな、そこよりちょっと遠いけど第5森林に行ってみるさ)
(大丈夫だと思うが気をつけろよ?)
(お互いな!)
連絡を入れて良かった、狩場が被る所だった。
2号のチームはマギシャル第5森林へと足を進める。
時間の短縮を狙って馬車を抜くような速さで走って行ったこともあり、なかなかの早さで第5森林に到着する。
これまでの道のりに冒険者等が居たが見える範囲ではスピードを落としたりと途中で行っていた。
第5森林は第7森林と違い森の規模が小さいが大きな山に面していている。
森特有の素材から山特有の素材まで手に入れられる何とも美味しい所だったがそんな所には勿論他の冒険者達も集まって探索やクエストにやって来ている。
一般の冒険者はいくつかの稼ぐパターンが存在する。
まず一つは、クエスト出ない限り薬草やその他の資源何かは採取はしない、それより高額な魔物や獣の素材を手に入れた方が稼げる冒険者。
次には、ある程度の魔物や獣は討伐できるが自分の実力からして連戦は厳しく薬草や資源等を採取した方が稼げる冒険者。
なのだがここで一つ、普通の冒険者は素材など手に入れられたら自分で持たないと行けない。
その為大きな袋やバック等を皆持っている。
その中で二台何かを持って来ている冒険者にお金持ちな冒険者は馬に荷台を運ばしたり馬車出来てたりして、少しでもたくさんの素材等集めれる様にしている者達までいるらしい。
この世にはアイテムバック、ボックス等は確かに存在はしている、空間魔法を使える者もいる。が、どちらも望んで手に入るものでは無かった。
アイテムバックやボックスはダンジョンの宝箱で手に入れるしか方法が無く、売りに出されてもかなり高価な為に王族や裕福な貴族などが買っている。
空間魔法は使える者が限られていて習得している人は世界にあまり居ないらしい。
だからハンスのアイテムボックスは見せた人に驚かれていたのだ。
「第5森林着いたけどあらかた高額な薬草何かはもう取られてるみたいだ。まっ、俺達は安い薬草や果実等の食い物狙いだから大丈夫だとは思うが」
「2号様どうします?固まって動くよりバラバラに動いた方がより物を集められると?」
「普通はなただ、ソウシュにセキメはどれが食える果実に薬草何かもう分かるようになったのか?」
「いえ、そうでした・・・まだ分からないです」
「急ぐ事ではない、本体も量があったら喜ぶがまずは2人の知識や経験等積ませるのが目的だからな。だから2人には料理・剥ぎ取りとかを1人で出来るようになってもらわないと」
「「了解致しました」」
「ただ今日はあまり時間が無いから大体2時間くらいで拠点に戻るぞ!晩飯の準備や薬草や果実の栽培をしないと行けないからな」
第5森林に着いて探索する3人だったが時間も2時間しか無く、採取も成果が上がらず薬草も数種類でそれぞれ1~2掴み位の量のみだった。
拠点経由で農場へと来た3人は2号の指示の元薬草を植えていく。
今回農場に植える薬草は午前中にギルドで買い取りに出した時の物とは別で農場専用にとってあったものや、今日2号達が採取したものだった。
無事に育つことを祈り農場を後にし拠点へ戻って来る。
汚れたまま料理は頂けないと2号に言われそれぞれお風呂に入りさっぱりし、ソウシュにセキメ達は2号により料理を習う。
「この鍋、実際に使って見て便利ですわ」
「この包丁は色々切れて凄いよ!だけど皮剥き?はまだまだ要練習だね」
等、新しい事を覚える楽しさをソウシュにセキメは感じていた。




