チーム2号!ソウシュにセキメ10-2
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
2号達は午前中の内に調達器具を揃え、魔物等の素材を冒険者ギルドで買取してもらい残りは食材の買出しに薬草の採取・栽培準備のみとなり、ここ冒険者ギルドを出ていこうとしていたら先程買取を担当してくれたギルド員に呼び止められた。
「あっ、すみません待ってください」
「ん?どうしたんですか?素材に何か問題ありました?」
「素材に関しては問題はありませんが、皆さんに質問があります」
「質問?どうしたんですか?」
「はい、あの魔物の素材はいったいどちらで討伐されたんですか?」
「あの魔物達は昨日マギシャル第7森林とここまでの間に討伐してきました」
「それにしては剥ぎ取り今日の午前中に持ってくるのは早すぎでは?」
確かに昨日この量を討伐して次の日の午前中に持ってくるのは早すぎたか?
やっぱり、この量をいきなり持ってきたのがいけなかったのかな?
「その事なら他に剥ぎ取りが早い仲間がいますので問題ないです」
「そうなんですね・・・そして貴方は冒険者登録はしないのですか?」
冒険者か、確かに本体はなりたいと言ってたが分身の俺が登録してしまうのもな・・・。
「今自分は剣魔学園の受験中何で終わってから来ますよ?」
「受験生だったんですね、それではそちらの・・・セキメさんとソウシュさん2人にお願いがあるんですが?」
「私達にですか?」
「はい、2人は登録したてで今のランクはH、それは良いんですが持ち込まれた素材はランクHの冒険者には有り得ない量と解体知識でした。例えばゴブリンの素材から見ても30匹くだらない量がありました。中にはメイジの素材まで・・・コボルトもそうですメイジにリーダーの素材まであったと言う事は群単位の討伐されたんですよね?」
「確かに1度に何十匹と相手にしていたが?」
「はい、コボルト・ゴブリンの討伐ランクはFランクの魔物で群れていた場合はEランク、上位存在のメイジ・リーダーが群れに入っていた場合は更に上のDランクの冒険者がチームでないとクエストで受理出来ませんし、討伐も難しいのです。それを討伐出来るからと言ってランクHのお2人がこれから同じ様に買取を依頼すると他の新人冒険者が簡単と思って正規のクエスト外の討伐をする事があり、良くても重症悪くて亡くなったりする事があるんです。」
結局、俺達はどうしたらいいのか・・・
「えっと、と言う事は?」
「取り敢えず模擬試験を受けて貰いたいのです」
「受けないと不味いみたいだな・・・ソウシュ・セキメ2人は模擬試験を受けててくれ、俺はその間に残りの買い物と昼飯を買ってくるから。もし、戻ってくる迄に模擬試験が終わった場合はここで待っててくれ」
「「畏まりました」」
そう言って2号は冒険者ギルドを後にする。
「ソウシュさんにセキメさん模擬試験場所まで案内します、こちらにどうぞ!それから試験管の準備が出来次第模擬試験開始しますのでそれまでお待ち下さい」
少し時間が空きソウシュ達が案内されたのはギルドの奥にある演習場だった。
今はもうそろそろ昼に近い時間であり、この時間ここを使用している冒険者は20人ほど居た。
居たといっても冒険者たちは武器手入れや演習場を走ったり模擬戦なのかお互いに戦ってたりとやっていることはバラバラであった。
そんな彼らを観察していると先程の買取受付に居た白い髪の兎の獣人女性が二人の体格の良いギルド員を二人連れて来た。
「お待たせしました。こちら今回の模擬試験を担当してくれる試験官のバルサラとミッドハイのお二人です」
紹介された試験官のバルサラはスキンヘッドでギルドの服を着ているせいかどことなく似合ってない。
受付達とは制服が違うのかこの服は試験官専用なのかもしれない。が、似合ってない。
「今回試験を担当するバルサラだ、俺の武器はバトルアックスを使う」
もう一人の試験官はバルサラほど体格は良くないが普通の冒険者よりは体格がいい黒髪の試験官だ。
「紹介された試験官のミッドハイで武器はロングソードをつかいます。準備がいいならどちらから模擬試験始めますか?私たちは先にバルサラから試験をしますが」
「そうですね、ここは私から行きますがセキメはそれで大丈夫ですか?」
「そうね問題無いわ」
「決まったみたいだな、ではお前の得意とする武器をその模擬専用の武器から選んでくれ」
「なるほど、相手が怪我しないように刃先が潰れているんですね。それでも当たったら相当痛そうですが」
「あら、ソウシュ怪我なんかしたらハンス様に心配かけられますよ?」
「ははっ、私の事ではありませんよ相手の事を思って行ったんですから」
そう言われて流石に試験官の二人はイラッとしたらしい。
「そお言って新人冒険者は直ぐに調子に乗るから怪我をする。あの大量の素材を手に入れられたと言ってもまだまだひよっ子だな」
「あら、私たちをひよっ子とは、ふふふっ。ソウシュあの試験官さんには全力でも問題無いみたいですわよ。私たちがひよっ子だから」
「そうみたいですね、では行ってきます」
もしハンスが居たら二人とも挑発には弱くすぐ根に持つタイプなんだと思う一面だった。
更にこの言葉で試験官の二人は更にイライラするのであった。
「お互い準備はいいですね?それでは模擬試験始め!」
「覚悟して下さい、私本気で行きますので!」
「・・・」
ソウシュと試験官のバルサラの模擬試験が始まった。
バルサラはバトルアックスに対しソウシュはショートソードを両手に一本ずつ持つ言わば二刀流だった。
先陣を切ったのはソウシュの方であった。
「水よ・・・水暴檄!」
ソウシュは水魔法が使え尚且つ水属性の精霊魔法が使える。
ソウシュ自体がハンスが召喚した精霊なのだがギルドの登録は人間で完了している。
精霊には基本肉体が無く精神体なのだがもし肉体が存在した精霊は今まで神話や伝承に出てくる者たちで現時点で存在が確認されてはいない。
ただ確認がされていないだけでどこかに存在しているのかもしれないが現時点では調べる手段もなく誰にも分からない。
おかげで単に精霊魔法や属性魔法と言っても一般が使うそれとは威力も精度も桁違いの力をソウシュ達は秘めている。
そしてソウシュが今使っている水魔法なのだが、ソウシュのオリジナルで作り上げられたものの一つだ。
自分の頭上に作り上げられた巨大な水の塊その大きさは直径4mもありそれだけ見てもソウシュの能力を判断できるのだが・・・
「バルサラさん、負けを認めるなら今のうちですが?」
「た、確かにその水魔法の大きさと精度は認めてやるがそれはできない相談だな!」
バルサラは挑発までして引くに引けない状況にあったから
「そうですか・・・残念です、それでは避けて下さいね、そうしないとただではいきませんから」
その時水の球体が高速で縦に回転し始め回転が一定の速さになったのには1秒もかからなかった。
水球から水で出来た矢が放たれる。が、その矢は一般の水の初級魔法のウォーターアローに類似していた。
ヒュン・・・
一つ違ったのはそのスピードだった。
ヒュンっと不思議な音が聞こえたと思ったら突然試験官のバルサラの足元に直径5㎝ほどの穴が開いていた。
「えっ・・・」
それは間抜けな声しか出せないバルサラであった、バルサラには水球から何かが発射されそうしたら突然に足元で変な音がしたと思ったら穴が開いているのだから。
もし、バルサラが水球に意識と目を集中していても本当に何が起こったか理解出来ていない。
それほどそのスピードは早かったのだ。
「まず初めは様子を見てわざと外しましたが次は当てますから」
ソウシュは笑顔でバルサラにそう告げる、一方バルサラはその笑みに軽い恐怖を起こしていた。
ヒュン・・ヒュン・・・
続けて発射される水の矢、その矢に対しバルサラは一歩足を下げ運良くバトルアックスの腹で受け止めようとしたのだが頑丈なはずのバトルアックスの腹に穴を開けバルサラの左肩に直撃する。
バトルアックスに当たり大分威力は落ちていたのだがそれでも声が咄嗟に出るほどの衝撃が体に走る。
「ぐっ!」
ヒュン・ヒュン・ヒュン・ヒュン・ヒュン・ヒュン・ヒュン・
それからも立て続けに放たれる水の矢は同じくバルサラの武器を貫通しながら体へ直撃している。
「ぐっ、ぐぁぁぁぁぁっ!」
バトルアックスが半壊しながらもバトルアックスを盾にしたのは良い選択だったのか貫通することによって威力が落ちなかったらバルサラがさらに酷いことになっていたかもしれない。
実はソウシュがわざとバトルアックスにぶつけて威力を弱めてバルサラの体に魔法を当てるといったこうどうをしていたのだ。
「ボロボロですね・・・まだ降参しませんか?こちらはまだあいさつ程度の攻撃なのですが?」
「ぐっ・・ま、参った」
バルサラは地面に膝をつかせたままの態勢になり、あまりのダメージで動くことが出来ないみたいだ。
そんな、バルサラにミッドハイが急いで駆けつける。
「バ、バルサラ!大丈夫か!!」
「す、すまんミッドハイ、し、しくじった」
「くっ!!」
近づいて更に魔法の威力を確認できたミッドハイは驚くしかできなかった。
「衛生員!衛生員!誰か近くに回復魔法使える奴はいないか!」
その声を聴いた演習場の冒険者達はこの模擬試験を遠くで見てたのだろう固まって動けなかった。
それは無理はないここに残っていたのはランクが低い冒険者達しか運悪く居なかったからだ。
「バルサラ!ちょっと待ってろ!すぐに衛生員を連れてくるから!」
近くに回復魔法が使える物が居ないと確認するとミッドハイはバルサラのもとを離れた。
「ミッドハイさん、その必要はありませんよ?」
ソウシュはそう言い水球をバルサラに向けそのまま飛ばした。
周りから見ればソウシュが今正にバルサラにとどめを刺そうとしているようにも見えた。
「なっ!ソウシュ!貴様!」
ミッドハイの心の叫びはソウシュには通じなく、水球はバルサラに勢いよくぶつかってしまった。
「ごぼが!」
バルサラはあっけなく水球に飲まれ一瞬溺れかける。
「やめろーー!」
ミッドハイはその攻撃を辞めさせようとソウシュの胸倉をおもいっきり掴むのだった。
「ミッドハイさん何をするのですか?」
真顔でミッドハイにソウシュは尋ねるがミッドハイは完璧にキレていた。
「何をではない!バルサラは酷いダメージで動けなかったんだぞ!!それをお前は!!何をした!」
凄い剣幕でソウシュを責める。
ミッドハイの近くに居た冒険者もただ事ではなくなり近くに集まってくる。
「くっそ!誰かこいつを抑えるのを手伝ってくれ!ギルドマスターの所へ連れ出し警備兵に突き出してやる!」
「がはっ、ごほっ、ごほっ、ま、待て・・・ミ、ミッド、ハイ・・・ごほっ」
後ろで聞き覚えのある声がしミッドハイはそ凄い勢いで振り向く。




