10 第一次試験アピール?
くっそー!何なんだアイツは!
この俺に対してあの態度とは。
くっ、しかも何かがおかしい・・・あり得ない。
何かカラクリがある筈だ。
あの動きといい、魔力操作といいあり得ない。
この、ワープス家の名に懸けてあのインチキを暴いてやる!
実技試験を終えたハンスは、第一次試験最後の試験アピールの試験場所まで行き、ここにも並ぼうかしたが、今並んでいる受験者で本日の試験は終了との事でそのまま拠点へと戻って来た。
戻って来てビックリなのは、広い範囲で田や畑が完成している所だった。今日の朝までなかった川も田の奥には流れており、畑の方にも水を与えてやるにはちょうどいい感じで造られている。
まぁ、流れは2号が川を造り3号・4号のチームが、魔法を使い田や畑を耕し、2号のチームが形を整えて行き、作業は昼過ぎには終わった為、既に幾つか森や草原・メルガイから農作物を手に入れ植えている。
メルガイで食料調達をしていた5号は、神格からメルガイでの作物の購入をお願いされ。
2号から4号は昼から拠点を出て、自然の作物や果実などを探していた。
果物がなっている木や植物なんかは、状態が良いものを選び抜き、そのまま移植したらしいが。
その途中でゴブリンやコボルトなど、その他の獣とも戦闘になっていた。結果は圧勝だったらしく、そのままアイテムボックスに入れてあるみたいだ。
こっちも大変だったが拠点組もなかなかイベントがあったんだな。
分身を1度解除をし情報の整理をする。
そのままハンスは手に入れた食材を簡単に調理をし、晩飯へと移る。
料理をして気付いたが調理器具が揃ってなく料理と言っても、焚火の周りにに串を刺し野菜や肉等を焼いていくだけしか出来なかった。
良し!調理器具は明日、分身2号チームのソウシュやセキメ達に任せよう。
残りの二チームはどうするか・・・いかん、全く考えて無い、本当にどうするか?
とりあえず皆が住めるように家を増築してみる?
うん、それで行ってみよう。
んーっ、今は一人で住むにはちょうどいい感じ何だけどみんなで住むにはちょっと狭い、大きい家を創造してもいいが、自分達で作ってみるのも良いかも?
建て方なんか全く分からないが・・・よし、創造するか!
ん?創造するなら今から出来るか?まだ寝るには時間あるしな。
そうと決まれば。
「ソウシュ、セキメ!」
「はっ!」
「今から皆で住める新しい家を作るから、明日は料理に使う道具と具材いをメルガイで買ったり、採取したりお願いできないかな?」
「「喜んで!」」
「もし出来るなら、薬草等の役に立ちそうな物をここでも栽培出来ないか試してくれ。どんな物か分からない時は2号に聞いてくれ」
「「わかりました」」
「次はゴルタ、トウカ!」
「「はっ!」」
「2人は明日3、号と今から創る家に家具等を揃えてきてくれ。揃え終わったら大工道具や鍛冶道具も揃えてきてくれないか?」
「「お任せを!」」
「うん、後ちょっと難しいかもしれないが3号と建築の事をこれから学べないかな?これからずっと建物等創造して行くのもつまらないから。」
「「分かりました、必ずやものにしてみます!」」
「最後にハク、コクセキ!」
「「はっ!」」
「まず、この拠点じゃなくて新しく空間を作成するから、そこで家畜や獣なんかを放牧できないかな?野菜や果物は拠点で作られてるけど肉なんかも手に入れられたら良いかもね。」
「「分かりました、メルガイの周辺等あたってみます」」
「4号と一緒なら、遠くに行っても拠点にはいつでも帰ってこれるから頑張ってみて」
「「分かりました」」
「あっ、そうか!今日皆が倒してきた魔物の剥ぎ取りも残ってるか、素材なんかどっかで売れたら良いんだけど」
「ハンス様!」
「どうしたソウシュ?」
「はっ、私達のチームはそこまで時間がかからないので、剥ぎ取りに売却はお任せ下さい」
「そうか、ありがとう、ならお願いするよ!」
「とりあえず、暫くはこんな感じでやって行く!どんどんここを開拓していこう、もし、こうしたらもっと良くなるとか案があったら出し合っていこう」
「「「かしこまりました!」」」
「よし、そうと決まったら新しい家を創るか!」
新しい家を創る時、メルガイで見た建物が役に立った。
メルガイの家で印象に残ったのは商店や民家の建物でなく、貴族が住んでいるような立派な二階建ての豪邸。
それに負けじと外装を決め、次に細かい内装を決める。
今から創る豪邸はこんな感じにイメージをする。
二階建ての豪邸で、地下室を完備し、入口は石柱の柱を2本建て屋根も付け大きな扉の玄関。
一歩入れば中は広く大きな空間で、左右には中位の広さで部屋を2部屋ずつ。
正面には更に奥へと続く広い通路、その通路の奥に付くまでに、左右に中位の部屋を2部屋ずつ。
その先にはかなりの大きさの空間、その左右は大きな部屋が1部屋ずつ、その横にも通路が左右にあり奥には部屋。
まぁ、1階だけで風呂、キッチンやトイレに作業場を含めたら21部屋、2階はそれより少なく10部屋とテラスが4つ二階に上がるための階段も全部で4つ、地下への階段はまぁ一つとなったが。
ここまで具体的に決めれるのは神格のサポートがあるお陰だ。
後は庭にそれを囲む塀をイメージ、豪邸が真ん中に来るようにし、外にも作業場を作るためその面積もかなり広くなる。
イメージが纏まったら魔力を流し創造を実行する。
そうして出来上がったかなり広い庭付きの大きな豪邸、まぁ、今日行ってきた剣魔学校のグラウンドの2つ分の大きさになったがそこは自分でもやりすぎた感はある。
「流石主様、素晴らしい能力と立派な建物です」
「ああ、ちょっとやりすぎた感じはするが、ありがとなコクセキ」
「主様の住む場所ならこういった所でないと!」
「ハクありがとうな」
「そしたら私達の部屋は、あの家を使わせてもらっても?」
「あの家?」
ハクが示す方は豪邸では無く石造りの小さな方だった。
「違うよ?これから皆で今造った建物に住むんだけど?」
「「「!?」」」
「そんな!」「私達があの立派な所に住むなんて!」「!?」「私達には勿体ないです!」「私達は主様に・・・」
皆一斉に騒ぎ出す、このままだと召喚魔法により呼び出された者達はあの豪邸に主であるハンスと一緒に住むのは難しいみたいだ。
「逆に、あの広い建物に住むのが俺1人だとかなり厳しいけど?そもそも、皆で住むために建てたんだからな!とりあえずあの建物に皆で移動する、簡単な荷物はあっちにみんなで移すよ!」
「「「り、了解しました」」」
どうやら納得し、石造り家の中を片付け豪邸へと移動する。
造った本人の自分さえ、豪邸に近付くにつれその建物の大きさと敷地の面積に圧倒される。白を基調とした色で造られて中に入ると更にその広さと凄さにソウシュ達一同驚くが、直ぐに冷静になる。
屋敷に入ってからは皆で部屋を周り、造りが甘いところ等を探す。
そして、部屋割りを決め、荷物を取り出し引越しの仕上げを終わらせる。
その日の食事はアイテムボックスに入れていた物で終わらせた。
(うん、明日からちゃんとした食事しなきゃな)
風呂に入り今日は早めに眠る。
次の朝はハクとコクセキの4号チームが、家畜を連れてくる為の新たな空間を造り牧場と名付けた。
因みに牧場は広い草原に深い森をいくつか創り、適度に川や湖を創っていたが、後は連れてきた家畜によって地形の再構築等が必要になるかもしれないからそこは3号に任せた。
ハンスはメルガイに戻り3日目になる試験へと向かう。
最後の試験はアピールだ、さっさと終わらせようと受付開始より少し早い時間に目的の場所まで辿り着く。
まだ受付前と言うのにやはり受験者が集まり列をつくっている。
俺も列に並び受付も始まる、早く来て正解だった少し待っただけで順番が回ってきた。
ここでは試験管が居なくて受付担当の上級生徒が声を掛ける。
「おはようございます、受験プレートをお願いします」
「はい、これです」
「!?こちらの紙を持ってアチラの個室へ」
アピールの試験は一人づつ個室で行われるみたいだ。
受付に貰った紙が何なのか気になったが言われた通りに個室へと向いドアの前に立つ
「失礼します!」
「うむ、入って来てくれ」
帰ってきた声は渋い声をした男性だった。
ドアを開け中に入るとやっぱり渋い感じの試験管だ。
「良し!アピールの試験を始めるがまず、入学の動機、次に君の長所と短所を聞く。最後はここで出来る最も得意な事をやってもらう」
(アピールって面接だったんだ、ちょっと苦手だなって、この受付で貰った紙はいつ渡すんだろ?)
「分かりました、あの・・・受付で貰った紙はどうすればいいんですか?」
「紙?見せて貰っても?」
「はい、これなんですが」
「!?」
(ん?どうした?渋い試験管の人固まったみたいだけど?)
「あ、あのー」
「は?あ、ああっ、君がハンス君か、合格だ」
「えっ?」
「アピール試験合格だ、受験者プレートを出してくれ」
「えっと・・・動機に長所短所は・・・?」
「大丈夫だ、合格だ」
(ちょっとまて、意味が分からない!何をした俺?嫌、何もしてない!今日は朝早くここに来て早目にアピールを終わらせようとしたくらいだ・・・なぜ?)
「じゃあ、このまま2次試験に移れるんですよね?」
「普通はそうだが、すまない1度この部屋まで行ってきてくれないか?」
試験管は学園の地図を取り出し、その場所に行くように指示するが、その場所は2次試験や3次試験とは全く関係ない場所だった。
その地図が指されている所は応接室と書かれている。
「応接室?」
「そうだ、ハンス君がもしアピールの試験に来るようだったら、合格させ直ぐにその場所に案内するよう言われてるんだ」
「すみません、意味が分からないんですが・・・」
「急ですまないが、詳しい内容もそこで聞いてもらうとありがたい。取り敢えず案内役の者を呼ぶから少し待ってくれないか?」
(本当に何をした俺!?入学もして無いのに呼び出しか?いや、ちょっとまて!もしかしてドドリゲス何たらの件か?例えばすごく偉い貴族で、学園に告げ口して入学出来なくなるとか・・・なら何故アピール試験は合格に?)
考えても答えが出ない俺。そうこうしてる間に、ここの職員らしい人に案内され応接室へとついてしまった。
いろいろな悪いことを考え半端なくドキドキしながらだったが。
そのためここ迄の道や廊下等あまり覚えていない。
「ハンス君、すまないまさかこんなに早く試験受けに来るなんて分からなかったから、君を呼んだ方はまだここには居ないんだ。急いで呼んでくるから少し中で待っててくれないか?」
「は、はい・・・」
(やばい、考え過ぎてちょっと疲れたかも、はぁ・・・)
中に入ると立派なテーブルに豪華な椅子が置いてあり、職員らしい人にそこに座って待つように言われた。
もう、どうにでもなれの感情しかない。今回がもしダメなら諦めるか来年も受験せればいい。
そうなってくると剣魔学校を推薦してくれたコープルの領主トデイン様を初めとする見送ってくれた叔母のミト、鍛冶師のトーマス、トーマスの娘で幼馴染みのレインそして両親のオールドとローズに申し訳なさを感じる。
(はぁ、もしこのまま駄目だったら、合わせる顔がないよな・・・って、か、帰りにくい!)
そこから少し時間が経ってドアがノックされる。
トントン
「入るぞ?」
ノックされ入って来たのは白い法衣を着た、白ヒゲが特徴の老人だった。
「待たせたの?呼んでおいてすまないね」
見た目優しそうな雰囲気のある老人に見えるが、ハンスが見た中でだか、身体を流れる魔力がほかの人と比べると綺麗にゆったり流れている。
魔力を感じたり見たり出来るのは誰でもとは言えない、魔力感知があるレベルまで達している者でないと見ることが出来ない。
また、魔力が綺麗にゆったり流ていると言うことは、魔力操作に長けた人物という事になる。
魔力とは身体の中で作られるが、個人差によって身体に蓄えられる量や作られる早さが決まっている。
魔力は絶えず身体で作られその身体の保持出来る量を超えた魔力は身体の外に放出され魔力は拡散する。
拡散した魔力は使うことが出来ず、少し時間が経過すれば魔力でなくなる。
要は氷から水になりそれが蒸発し無くなるものと似ている。
身体の周りに魔力を流し貯めているのにはいくつかメリットがある。
まずは魔法への耐性が上がる、言わば魔力のバリア、次には身体の中の魔力に頼らず、周りの魔力を消耗させ魔法が行使出来る。
小さな魔法なら良いが大きな魔法などは外と内の魔力を使った方が疲れないで済むし、結果的に貯めれた魔力分まで魔法が使えるから魔力の総量が増えたと同じになる。
まぁ、デメリットと言えば気を抜くと折角溜めた魔力が拡散してしまう事だが・・・拡散した瞬間は悲惨だ。
なにせ苦労して留めた魔力が一瞬で無くなるんだから。
魔力操作を覚えた頃は俺も苦労した。
何度も拡散させ、また溜めて、拡散させ、また溜めて、、、
毎日やっていたからお陰で魔力操作も大部レベルが上がって今では自然な感じで溜めれる様にはなった。
まだ、暇な時はその溜めれる量も増やせるように努力は続けている。
最後は気絶したり、寝たりすると魔力操作自体が出来ず拡散する。
毎日朝から魔力の溜め直しだ。が、それは普通の人ならばの話で俺には神格がある。
寝てる時?勿論神格が一日中サポートしてるから大丈夫!ずるいと言われればそうかもしれないがそう、神格だって俺の能力だ。
よし!言いきった。
何かすっきりした気分だ。
「ほれ、聞いておるのか?」
しまった、考え事して聞いてなかった次から気をつけねば
「す、すみません、少し考え事してて」
「ほっほ!まぁ良い、まずはハンス君、君にここに来てもらったことを再度説明する」
何気に重要な所聞き逃していたのか・・・危なかった。
この人は只者じゃないのは分かる。
だが、俺をここに呼んだのは何でだろうか?
・・・俺なんか仕出かしたかな・・・?
4/3句読点等の見直しをしました。




