せっかく子供が生まれたのに早逝してしまったので墓を作ってやったぞ。また、サピエンスの集団から人がすてられたらしいので仲間に加えたぞ
さて、焼き畑のバナナや芋の芽などを水鹿やイノシシから守るために落とし穴や柵を作ることで、バナナなどが伸びる前に食われたりすることは少なくなり、猪や鹿を落とし穴で捉えることができるようになったため肉などを食べられる機会も増えた。
骨は石槌で砕いて骨髄を煮物に加えることで栄養補給もさらに捗ることになった。
人類の先祖である霊長類はは長い年月フルーツと昆虫をメインに喰いついないできたが、樹上から追放された後は肉食動物の食い残しである脳みそや骨髄を骨を石で叩き割って食べることで食いつないできたし、それが脳の容量が増える理由の一つでもあったはずだ。
「んまー」
「んまー」
フローレス人も当然脳みそや骨髄は大好物だ。
「本当美味しいですよね」
「そうよね」
そしてサピエンスたちも好物であるのは変わりない。
現代人が出汁として鶏ガラや豚骨を好むのもそれと無関係ではない。
赤ん坊も月に一人くらいの割合で生まれてきたが、残念ながら生まれてきた5人のなかで一人は生まれてすぐに死んでしまった……。
「わた、私にも赤ちゃんがやっと生まれたのに……」
サピエンスの女性は泣き通しだったがこればかりはどうしょうもない。
死んだ子供は土に埋めてやった。
「再び生を得て人として生まれ変わるために死したものは土に戻るのだよ。
縁があればまたきっと出会えるであろう」
亡骸を抱えて泣いていても前には進めない。
墓というのは死者のためのものではなく死んだものに対して生きているものが決別をするためのものだ。
「本当にもう一度、出会えるのでしょうか?」
「お前さんが忘れない限りはきっとな」
「わかりました、あの子のことは忘れないようにします」
それから彼女は時たま墓にフルーツを添えるようになった。
「生きていればあの子はきっと喜んでたべていたでしょうから……」
やはり死者に対しての執着はそうそう断ち切れるものでもないようだが、周りに子供が出来て無事に育っているのに自分の子供だけ命を落としたのであるからのその心痛は相当なものなのだろう。
そしてある日焼き畑でバナナなどを取っていると西側からやせ細ったサピエンスの男女がやって来た。
「こ、こんなところに俺たちの仲間が?」
と西から来たサピエンスたちは驚いてるようだ。
俺は俺と一緒に生活しているサピエンスに聞いてみた。
「彼等はお前さんたちの集団にいたのか?」
サピエンスは頷く。
「はい、どうか彼等彼女らを助けていただけないでしょうか?」
「ああ、もちろんかまわないぜ」
彼等は顔見知りみたいだしここで見捨てるのも気分が悪いしな。
「すまないがバナナとココナッツを取ってきてくれるか?」
俺はフローレス人たちに頼む。
「いーよー」
「いーよー」
フローレス人達は楽しそうにそう答えるとバナナの木をスルスル登ってバナナをもぎ取って降りてきたし、周辺から落ちているココナツを拾い集めてきてくれた。
それを受け取ったもとからここにいたサピエンスたちは追放されてやせ細ったサピエンスたちに自分の過去を彼等彼女らに重ねているらしい。
「焦らないでゆっくり食べてくれ」
「あ、ああ、本当助かる」
しかし、サピエンスと出会って一年ほどったのだな。
焼き畑があってよかったかもしれん。
西から歩き続けて疲れ果てていたらしい彼等彼女らをハンモックに寝かせてこれからのことを俺は考えていた。
人が増えると糞尿や生ゴミなどの処理をキッチリしないとだめになってきたりするし土器なども増やさないいけないからな。
この時代だと普通に狩猟を行ってる人類は腹が減ったら必要なだけ狩猟を行ったりやフルーツを採取し、象や鹿、フルーツなどが減ったらまた別の場所へ移動して生活をするのがふつうだ。
そうすれば生ゴミや糞尿などがある程度溜まっても移動すれば自然によって浄化される。
もちろん黒曜石の算出する場所には定期的に戻らないといけないけどその程度でも十分だったりするわけだ。
しかし、移動生活をするには身軽さが必要で土器などを使うには定住をせざるを得ない所もある。
10人程度が数として加わるだけなら洞窟は広いから問題はないけどな。




