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多分5万年くらい前のスンダランドに転移してしまったが結構大変な件  作者: 水源


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焼き畑を鹿などの食害から守るために柵と落とし穴を作ろう

 さて、磨製石器ができることで(きり)(ちょうな)(くわ)(くわ)などの木工や農耕、穴掘りなどの土木作業に使える道具の作成もできるようになってきた。


 元々は石槌や石刃と砕けやすい打製石器の石斧しかなかったのを考えると、やはり磨製石器というのは便利なものだと思う。


 子供も無事に生まれてきているし、餌付けしたセキショクヤケイも洞窟の中で無事卵をうんでいる。


「んじゃ、そろそろ鹿や猪に新芽とかをなるべく食われないようにしようか」


 フローレス人達はいつものように楽しそうに賛成する。


「するー」


「するー」


 でもってサピエンスたちは首を傾げている。


「ええと、どうやってやるのですか?」


「ああ、鹿とかイノシシが入れないように柵とか落とし穴を作るのさ」


「柵とか落とし穴ですか?」


 ん、ああ、そういえば柵という概念もないのか。


「要は木で畑を囲ってはいれないようにするってことさ。

 落とし穴はその名前の通り鹿なんかが落ちたら、出られないようにする地面に掘る穴だな。

 まあ、言うよりやったほうが早いし、道具を持って畑にいこうぜ。

 みんな斧か鍬、槌をもって俺に続いてくれ」


「いこー」


「いこー」


「あ、はい、分かりました行きましょう」


 俺は石斧を持って、他の連中は鍬や槌をもって畑に向かう。


「いってらっしゃーい」


 ここの集団では男女のどちらが上とか下とかというのはないが、子供ができたことで食料集めなどは男の仕事、道具造りや育児は女の仕事と大まかな役割分担はされている。


 ただしそれは画一的なものではなく子供の面倒を見る男もいれば食料集めに加わる女もいる。


 向いてることとやりたいことは違うし男だから女だからと役割を強制させることもない。


 小さな集団ではそのほうが効率もいいしな。


 人間やりたいことをやったほうが断然効率がいいのだ。


「じゃあ、まず木を切るやつと切った木を立てるための穴を掘る者に別れよう」


「わかれるー」


「わかりました」


 こうして木を切るかかりと穴を掘る係に分かれる。


 木を切る係にはこういう


「木を切ったらお前さん達」


 とフローレス人を指し示して、


「の背丈と同じくらいの長さに切っていってくれ」


「わかったー」


「わかりました」


 もう一方の穴を掘るかかりには


「穴の深さは親指と人差指を広げたくらいな」


「わかったー」


「わかりました」


 そう言って作業を行わせる。


「あと、槌を持ってきたやつはバナナとその葉っぱを取ってきてくれ。

 後ココナッツもな。

 で、みんなの腹減ったら食えるように葉っぱの上においてくれな」


「わかったー」


 石器で木を切ったり穴をほったりするのはそうとうな重労働でもあるので、疲れたら休みをとりバナナを食ったり、ココナッツウォーターを飲んだり寝転んだりしながらやる。


 別に工期があるわけでもないからのんびりやってもいい。


 太陽が登って沈んでまた登ったら一日とか夜空の星の形がおなじになったら一年とかある程度の時間の概念はあるが他の人間の集団との競争などはないからのんびりしたものだ。


 柵や落とし穴も別に作らないとやっていけないわけではない。


 ただ鹿なんかを槍で狩ろうとすると大変だが、バナナの新芽や芋の葉っぱなどおびき寄せる餌があるんだから罠もあれば捕まえることができるようになるはずだ。


 最も焼き畑の範囲はそこまで広いわけでもないからみんなで作業をすれば2日位で木材や木を立てる穴は出来上がった。


「じゃあ木の片側を削って尖らしてその尖った方を穴に入れ、それを槌で叩いて木を建ててくれ。

 で木が二本立ったら上と真ん中らへんに横木を渡して、蔦でぎゅと縛ってくれ」


「わかったー」


「わかりました、なるほどこうすれば、鹿なんかは入れなくなりますね」


 サピエンスが感心したようにいう。


「まあ、そういうことさ。

 手間はかかるけどな。

 で、後はその外側に横木と平行に細長い穴をほっておく」


「穴を?」


「ああ、前足が落ちたら鹿は穴から上がれないからな」


「なるほど」


 ま、穴に落ちた鹿を他の動物が襲って食べてしまう可能性もあるがな。


 そんな感じで焼き畑の周りに出入り口を残して柵を造り、その周りに細長い落とし穴も作った。


 結局全部で10日位はかかったが別に無理はしなかったしみんな結構楽しそうだった。


 こういった作業もある意味暇つぶしの娯楽であったりもするからな。


 何せ時間は余ってる。


 そして柵と落とし穴が完成した数日後、落とし穴に前足を落として這い上がれなくなっている鹿を狩ることが出来たので、頚動脈を切って川に投げ込みつつ冷やして、血液中の雑菌の繁殖を最低限に留めた後解体して内臓は捨てて、洞窟で肉をばらして焼いて海藻の塩だけ振って食べたが、なんかもう超久しぶりに食べた動物の肉は本当うまかった。


「いや、うまいなー」


「うまーい」


「本当美味しいですね」


 そして鹿の角や骨は石器作りにも使えるし、けずって釣り針にするにも貝殻を使うより楽だ。


 弓を作って積極的に狩ってもいいが、冬のために食料が不足するということもないしそこまで無理することもないな。


 ねぐらの発見や追跡や追い出しができる猟犬もいないと狩猟の成功率はかなり下がるはずだし。

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