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自作の異世界の味はどうですか?  作者: ベータ版
              [現実世界3]

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17話 思わぬ招待状



 「ふふっ、ありがとう、天宮くん。でも....」


 彼女は口に優しく手を当て、微笑んだ表情でお礼を言うが、すぐに彼女はその表情を少し曇らせた。理由はすぐにわかった。このとんでもない事態が本当に正しいのかと考え、困惑しているのだ。


 彼女はたぶん半信半疑なのかもしれない。ノートのルールも。そして...僕の言っていることも。


 全ては虚言、あるいは空想、果ては妄想と言ってしまえば、それまでだ。


 しかし、僕の身の回りに起きている数多くの事象。今思い返しても夢物語と割り切るにはあまりにも煮え切らない選択肢だ。


 だが、これだけは言える。最悪の事態だけは免れなくてはならない。ルールの5番目ペルーシュになるという約束事は最も残酷で最も絶望的な人生の末路に他ならない。ぬいぐるみにされる?冗談じゃない。なったら最後おわりだ。


 このルールが嘘であろうと本当であろうとやるべきなのはもし本当だったら、そう考えるのが懸命なはずだ。


 何せこの無茶苦茶なノートにはペルーシュになった時の「解除の仕方」や「直し方」等の情報が一切記されていない、いやこれはあえて記していないのかもしれない。結局のところ、ルールを破った後ではどの道、もう後の祭りということだ。


 覚悟を決めろ。ここで何としてもノートに書いてもらうように彼女と約束を交わすんだ。


 「お願いします...どうか、どうか小説を書いてください」


 彼女に向き合って、まるで告白でもするのかと思うほどに僕は真剣な顔で彼女に迫った。どうにか伝わってほしい。これが彼女に対して出来る精一杯だ。

 「う、うん...そこまでいうならやってみる」 


 彼女は目を丸くして驚いていたが、どうやら信じることに決めたらしい。心のうちで思わず安堵した。これで最悪の事態に直面することはない。


 「でもなんで天宮くんは、私にそんなにも、あれこれ言ってくれるの?」


  何か裏があるんじゃないかと、少し不安そうな表情を浮かべる彼女に、僕は自分の好意について明かそうかと一瞬考えたが、すぐに却下した。彼女は非の打ち所がないクラスの紅一点だ。そんな黒崎さんにどうして本音を言えるだろうか。不幸末期の僕にそんなことをいう資格はない。


 そんな結論を導いた僕は急に頭の中が突然真っ白になった。その本音とやらをここで言わなかったら一体この場でなんと言ってやり過ごせばいいのか、全く思いつかなかったのだ。


 「そ、それは…」


 「それは?」

 「くっ、クラスメイトだからだよ、見過ごせなかったんだ。ただそれだけだよ...」


 咄嗟とっさだった。だから、頭で整理して答える前に訳のわからない理由を僕は口走っていた。やばい。僕は何を言っている?これじゃ、変に思われるだけだ。撤回だ。すぐに撤回しなければ。でも、撤回してなんていえばいい。


 きっと目の前のクラスメイトは戸惑っているだろう。そう思って頭を下げていた僕はそのクラスメイトの返答を聞くために顔をあげなくてはと、徐々に視線をあげてみる。


 「ふ〜ん、ならクラスメイトじゃなかったら声もかけてくれないの?」


 「い、いやそんなことはないけど...」


 僕の様子を見かねた彼女はとんでもないことを言い出した。


 「じゃあさ、今日私のうちに来てよ」


 「へ? いやいやいや、ちょっ、何いってるんですか」


 困った僕の顔をみて彼女は楽しんでいるようで、いたずらっぽい笑みを浮かべて自分のノートの1ページを破くと、自分の住所を書き記した。


 「はい、これが私の家の住所ね。着替えたらここに来て」


 「そんな急に言われても」


 「私がペルーシュになってもいいっていうの?」


 うっそれを言われると、何も言い返せない。黒崎さんって案外横暴なところがあるんだななどと胸の内でこっそり思いつつも仕方なく了承の返事を伝えた。


「それじゃあね、天宮くん。って、そうだ、忘れるところだったわ。例のあれもちゃんと持って来てね〜」


 そう言って、僕のノートを返すと僕の進行方向とは反対に歩き出して行ってしまった。


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