12恋~Smile meet in the sea―海で出会う笑顔~後半戦
じゃあ誰かと振り向くと声の主は......
* * *
「翔! 何で?」
後ろには翔を始め生徒会メンバーがいた。
「紗綾せんぱーい!」
手を大きく広げながら紗綾の名前を呼び、そして抱きつく。
「凛!?」
「せんぱいっ! お会いできるなんて運命感じますね」
頬をすりすりとしてくる。
凛はこうすると、とても落ち着くらしい。
にしても、さすがに密着しすぎて暑くなってきた。
終わりにしてほしいと言うと素直にやめてくれたが、これが学園だったらと思うと正直面倒だった。
じっと紗綾の水着を見て凛が言う。
「紗綾先輩! 水着とても似合ってますよ」
「本当に? ありがとう~。凛の水着も可愛くて似合ってるよ」
凛の水着はフリルつきの薄オレンジ色の水着で恥ずかしいからか、パーカーを羽織っている。
そして「そうですか」と紗綾に受け答えして、はにかんだ後悟史とどこかへ行ってしまった。
* * *
「ねぇ、ねぇお二人さん。勝負はいかがです?」
凛がどこかへ行って数分後、百合が冬斗と翔に勝負を提案してきた。もちろん二人は「勝負」という言葉でスイッチが入ったのか、やる気満々。百合は、顔がにやけていて企んでいるのがバレバレ。
そして勝負内容を決める。
勝負するのは「腕相撲」になった。
なぜ腕相撲なのかはわからない。
せっかくの海なのにどこでも出来る腕相撲をチョイスしたのか。
百合は内心ウキウキしながら顔に出さないようにルール説明をする。
「え~、いいですか? ゴッホン、勝負は五回戦。五回中三回勝てばその人の勝ちです」
一通りルールを説明した後二人に、こそこそっと耳打ちする。
「ここで紗綾にかっこいいところ見せちゃえ」と。
その一言で二人のやる気が増す。
(ぜってー勝ってやる。小さい頃から好きだったこの想いは誰にも負けない)
(あの頃に会ったキミはとても女神様のようだった。その時から俺の人生が変わった。勝って想いを伝えようかな...)
「では、一回戦始めまーす。......レディ~ゴ!」
最初の方は両方とも動かずだったが結果的に冬斗の勝ちだった。この後、順調に勝負して二回戦、翔。三回戦、冬斗で四回戦、翔とここまではどっちも譲らず。
だが、冬斗の粘り強さで五回戦、冬斗となった。
「しゃーあ! 勝ったぜ。見てたか? 紗綾。どうだった俺の戦いっぷり」
「ごめん、見てなかった」
「嘘だろ、紗綾......」
この勝負、とても長かったので紗綾はあまり見ていなかった。
「本当ごめん」と謝ったら、ちょうど真里と優の二人が帰ってきた。
二人は満足した顔で紗綾たちに「今何時かな? 僕たち四時には帰らなきゃいけないんだ」と言った。
百合はスマホの電源を入れ時間を確かめる。
「今三時四十分、もうすぐで四時だね」
「そっかじゃあ帰るよ。家に四時に着くのはギリギリかな~」
「四十分か、私は間に合うかな。でも急ぎめの方が.....」
パチンッ
手を叩くと同時に「よし」と言って紗綾と冬斗に言う。
「真里と優が帰っちゃうとさ楽しくないから私たちも帰ろう」
「え? まぁいいけど」
「俺も」
二人の同意を確かめた後、翔に生徒会たちはどうするか聞くと、翔たちはまだ残るというので紗綾たちは海を後にした。
* * *
「楽しかったね、海」
「だな」
海での帰り道。
紗綾と冬斗は二人で家に帰ることになった。
それは百合が「私はバスで帰る」と言ったから。
「来年、このメンバーで海行きたいね」
紗綾は後ろにいた冬斗に微笑み、そして前を向く。
(その笑顔反則だろ......)
冬斗は顔が真っ赤になっていた。
(よかった、こいつが前で。この顔見られるところだった)
風が吹いて紗綾の腰までの髪がなびく。
(涼しい。毎日こんな日だったらなぁ~)
そんなことを考えながら背伸びをする。
さて、次の恋のページはどんなお話し?




