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【09】 個室越しの「ゲリトモ」同盟

北側の男子トイレ。


丹沢はウォシュレットの

ボタンを押したが、


冷たい水が噴き出して

跳ね上がった。


丹沢「つめたっ!! なんだよ、コンセント抜けてるじゃないか! 節電だか何だか知らんが、役所はケチくさいな……」


ズボンを下ろしたまま震える丹沢。


丹沢「寒……ズボン脱がないで下痢する方法ないかな……」

年金課長「お尻のところに穴開けときゃいいんだよ! ハハハ!」


隣の和式個室から

ダミ声が聞こえた。


丹沢「うわっ! 誰かいたんですか!?」

年金課長「いるよ!」


丹沢「その声は……国民年金課の井手課長!?」

課長「おう、丹沢か!」


二人は壁一枚隔てて用を足していた。


丹沢「課長が和式なんて珍しいですね」

課長「足腰鍛えておかないと、いざという時戦えんからな。だが俺も過敏性腸症候群でね」


丹沢「私は機能性ディスペプシアです。じゃあ私たち、下痢友達ですね」

課長「略して『ゲリトモ』か! ハハハ!」

丹沢「ハハハ!」

課長「そろそろ出そうか?」

丹沢「私はもう出切りました。課長は?」


課長「ダメだ、今日は逆に固くてな」

丹沢「伊達政宗(片目)ですね」


課長「しょうもないギャグ言うな!」

丹沢「キレのあるツッコミですね」


課長「あと5センチでスッキリしそうなんだが……あ、切れちゃった」

丹沢「細かい描写ですね」


課長「俺は便も神経も細いんだよ。……おい、一回流すぞ」

丹沢「あ、匂いを扇いでこっちに送らないでください! 水を流してください!」


課長「ハハハ! バレたか」


課長がレバーを引くと、

豪快な水音が響いた。


課長「俺は肉・ニンニク・キムチ系男子だからな。臭かったろ?」

丹沢「はい、目に来ました。……あ、私も流します」


丹沢が「おしり」ボタンを押すと、


今度は温かいお湯が

勢いよく局所を直撃した。


丹沢「あぢっ! 切れ痔に沁みる!!」

課長「大丈夫か? 後で俺の机にある痔の薬塗ってやるぞ」


丹沢「滅相もない! 管理職に薬塗らせたらバチが当たります! それより『あと5センチ』はどうなりました?」

課長「諦めた。体内にもう一泊させてやる」


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