【08】 陰口大会と公務員のスキル
春菜「自業自得よ! 毎回窓口でお客とバトルしてイライラしてるから胃に来るの。気にすることないわ」
歩み「そうですよね! 丹沢さんってバカだし、足は短いし、清潔感ないし、お金もないし、変なもの食べてるし、彼女もいないし、救いようがないですもんね!」
春菜「ふふふ、言い過ぎ!」
歩み「ふふふ!」
二人の容赦ない残虐トークを
近所で聞いていた若石元気が身震いした。
若石「うわぁ……女性って怖ぇ……席外した瞬間にこれかよ……」
若石の島には、
戸部考一、君本早苗、天満稔江がいる。
稔江「当たり前でしょ。男みたいに力がない分、言葉のナイフは2倍研いであるのよ」
若石「怖くてトイレも行けないですよ……」
早苗「あら、我慢は体に毒よ?」
戸部「だから言ったろ、結婚は慎重にしろって」
若石「あれ? 戸部さんって独身でしたっけ?」
戸部「……まぁな」
早苗「えっ、戸部さん独身だったの!?」
戸部「知ってただろ!」
早苗「都市伝説かと思ってた。今の時代、個人情報で未婚か既婚かも分からないじゃない」
稔江「本当ね。苗字だって旧姓使ってる人が多いから、本当の氏名すら怪しいわ」
若石「君本さんも独身なんですか?」
早苗「ええ、そうよ」
若石「なんで結婚しないんですか? やっぱり男性不信とか……」
稔江「はいストップ! 若石くん、それセクハラよ」
若石「すみません!」
早苗「仕事に夢中だったのよ。勉強したり調べものしたりしてたら、男と付き合う時間がもったいなくてね」
若石「だから君本さんは難読苗字とか詳しいんですね!」
早苗「公務員だっていつクビになるか分からない時代でしょ。生き残るために必死なの」
戸部「でも公務員の知識って潰しが効かないからなぁ。民間じゃ『差し押さえが得意です』なんて言っても不採用になるだけだし」
早苗「ふふっ、そんな面接受けた人いるの?」
戸部「収税課から転職しようとした奴の実話だよ」
戸部が立ち上がる。
戸部「さて、私もちょっとトイレ」
若石「気をつけてくださいね、陰口叩かれますよ」




