第12話 僕たち、恋人じゃないんですか?
この物語が、降り止まない雨の中にいるあなたの一本の傘になれますように
シウとさらはふなばしアンデルセン公園のハートのアーチの前で、家族連れの父親らしき人に頼んで写真を撮る。
二人とも順調さを示すように、満面の笑みである。
少し歩くと、白いメルヘンチックなテーブルと椅子があった。
「さらさん、あそこに座りましょう」
「うん」
シウはカバンから二つのお弁当を出す。
「もしかして私のもあるの?!」
さらは歓喜の声を上げた。
「さらさんが料理苦手だって言ってたから作りました」
「苦手って言うかね、得意なんだけどちょっと……色々あって」
「?」
「いいから、いいから。それより、何作ってくれたの?」
お弁当のふたをあけるシウ。ハンバーグにミートボールが添えてある。
「シウくん、私どっちも大好き」
「はい、材料は一緒でした。肉ばかりになったので、青汁もあります」
カバンから紙パックの青汁を出すシウ。
「凄い!気が利くー」
照れているシウ。
「こんなに喜んでくれる人は初めてです」
「私もお弁当作ってもらったの初めて」
さらはそう言うと、ミニトマトを口に入れた。
「僕はトマト苦手なので僕の分も食べてください」
「苦手なのに自分の弁当に入れたの?」
「はい……」
さらは、ヘンテコなところがあるシウに心がくすぐられた。
「色が、入れた方が綺麗です」
「そうだね、確かに。これから、シウ君が嫌いなもんはなんでも食べてやるよ」
「ありがとうございます」
「私は食べられないものないからね」
シウはさらを頼もしく感じた。
公園の端にあるジェラート屋さんへ行く二人。いくつかの味があるが、シウは塩味、さらは小松菜のジェラートを頼んだ。
外のベンチに並んで座る。
「シウくんの塩って、どんな味なの?」
シウは、自分のスプーンでジェラートを掬ってさらに食べさせる。
「おいしー、不思議な味ー」
シウも食べてみる。
「うん、美味しいです」
さらも緑色のジェラートを差し出す。
「小松菜も食べてみる?」
「はい、よろしければ」
さらは自分のスプーンで掬ってシウに食べさせる。
「うん、美味しいです」
さらはにこりとして言う。
「私たち恋人同士みたいなことしてるね」
シウは驚いた。
「僕たち、恋人じゃないんですか?恋人だと思ってました」
シウは悲しそうな顔をした。
「だって、良いの?!私が恋人で良いの?私だよ?」
さらは驚いて言った。
「もちろんです。さらさんがよろしかったら」
「私はさ、時計直してくれた時から好きだもん。じゃ、恋人ね」
「はい。恋人です、嬉しいです」
シウは優しく微笑んでジェラートを口に入れた。口の中の甘さが幸福感を示しているようだった。
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