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無風の中で揺らめく紋太の姿に、誰もが一瞬言葉を失った。
―これが、“内霊使い”・・・
初めて見るその姿に、星喇も驚きを隠せない。
「・・・お前、“内霊使い”か」
「そうだよ。まだまだ、中途半端な力の借り方しちゃってるけどな。だけど、お前にはそれで十分だ」
いつものような笑顔を浮かべながら言った。
「・・・は。馬鹿にしやがって。そいつのされた事、もう忘れたのか」
「ああ、忘れてないさ。だからこそ、だよ。―プラントリバイバル」
手を振りかざす。その瞬間、低いざわめきが聞こえた。
植物の葉と葉が擦れて鳴る、ざわめき。この丘が忘れていたその音が、今確実に星喇の耳に届いた。
「―・・・!!」
―幻を見た。
最初は確かにそう思った。
あれだけ死んでいた植物が、全て蘇っていたのだから。
茶位徳萎れていた草達の色はもうどこにも、影も形も無く、そこにある丘は生き返っていた。
「なっ・・・」
「悪いけど、プラントリバイバル―・・・植物の蘇生魔法を使わせてもらったよ。俺の内霊は植物系なんでね」
「っ・・・蘇生したところで何になる」
「わからない?禁忌の黒魔法を使って植物が枯れるのは、植物の力を黒魔法が吸い尽くしちゃったからでしょう。それが蘇生したということは、植物の力が植物の元へ戻ったってことだよ」
「・・・・・・!!貴様!」
―成程
星喇は堂々と立つ紋太を見つめ、感心する。もちろん、黒魔法おw作るために使った植物の力はほんんの一部だから大して黒魔法の力は減っていないが、やはり男にとってダメージは大きかっただろう。
「くそっ・・・、アイシクルブリザード!」
男が大きく振りかざした左手の軌跡上にの地面から、次々と結晶のような形をした氷が姿を見せた。そのお水晶が見る見るうちに欠けて行き、輝く粒となり・・・
「!!!」
「わっ」
いきなり、突風となって襲ってきた。
「―っ」
体中に、氷の欠片が突き刺さる。一個一個の傷は大したものではなくとも、目に入りそうなので目も開けられず、しかもこの量だ。ちくちくと痛んだ。
―くそっ・・・
星喇は心の中で舌打ちをする。
本格的に、戦いが始まった。
彼らが一番嫌う、魔法同士のぶつかりあいが、始まった。




