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こぼれた魔法  作者: 亜架 耀太
第三章 ヒーロー気取り
22/32

♢22♢


 それからどれくらい経っただろう。


 彼らはロンレイを先頭に、街を縦横無尽に駆け回っていた。同じところを二回通ったり、何度も立ち止まったりするロンレイは、かなり混乱しているようだった。

 星喇が歯痒そうに舌打ちする。自分の相棒を手助けしたいのにできない、悔しい気持ちでいっぱいなのだろう。


 誰もが黙って走っていた。

 まだ街を歩いていた人たちの注目の的になっていたが、そんなことは気にしている余裕もなかった。何しろ、ロンレイのスピードと表情についていくのに必死だ。


「ちょ、ちょっとロンレイ・・・」


 暖香は一度落ち着かせようと、遠くからロンレイに声をかける。


「待て・・・、近いんだけどわかんねえ」


 ロンレイは噛みついて来ず、逆に歯痒そうに言った。

 それだけ、集中力が落ちている証拠だ。


「ロンレイ、落ち着け・・・。そうじゃないと“魔読”だってやりづらいだろ」


 そう言った星喇の目をしばらく見つめていたが―、ロンレイはすぐに尻尾を垂らした。

 目を閉じる。


「・・・わかった、つかめたぞ。もうすぐそこだ」


 ロンレイがきっと前方をにらみつけ、石畳の地面に爪をたてる。


「こっちだ!!」


 その声と共に、四人は勢いよく駆けだした。



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