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ぎこちない空気が漂う。
―この会話の流れでこんなぎこちない空気とか、やめてほしい・・・
暖香が肩を落とした。
「はぁ、一からって言ってもなあ・・・。じゃあ暖香、魔法の性質ってわかる?」
「魔法の・・・性質?」
「そう。・・・わかってなさそうだね。性質て言うのは・・・例えば一番わかりやすいのが星喇の炎の奴かな。魔法っていうのは五大元素からできていて、まあ俺も実際詳しいことは知らないけど、それでその五大元素―風、火、水、土、氷からなるんだけどね。それで、星喇の“炎使い”っていうのはそのうちの火から成り立っているのはわかるよね。そういう、五大元素から成り立つ魔法を、“自然魔法”っていうんだ。―ここまで、わかる?」
「な・・・なんとか」
暖香は必死にかじりつくように紋太の話に耳を傾け、目をぎらぎらと光らせて答える。肩が上下していた。
「よし。それで、そのほかにも暖香みたいな、五大元素からは成り立たない魔法があるでしょ。そのことを、“特殊魔法”っていうんだ。最近はそっちの方がなんか増えてるみたいだね。それで、黒魔術っていうのは“自然魔法”に分類してるんだよ」
「えーとつまり、五大元素からなる魔法の中に、黒魔術がふくまれてるってこと?」
「・・・まあ、そんな感じだね。そんで、普通の“自然魔法”っていうのは使っても何の影響も無いんだけどね。黒魔術になると、使いすぎるとたとえば元素が水だったら近くの川が干上がっちゃったりするんだ。禁忌の黒魔法っていうのは、もう使っただけで大変だよ。近くに五大元素に含まれるものがあればそれは全滅、酷い時はそれにさらに病気が流行ったり」
紋太の言葉に、暖香が目を見開く。
「だけど、五大元素に含まれてない自然物は平気なんだよ。それこそ雲、石、植物等。まあ、ある程度離れていれば、ね。そういうものは逆に、黒魔法の力を吸ってくれるんだ」
「あ・・・だからこの森は平気なの?」
「そういうこと。わかった?」
「うん、納得・・・」
はあ、と疲れたように息をついて伸びをする暖香。
その姿を見てほっとしているのは、暖香以外の全員だった。
―ていうか暖香、小さいころから毎日皆勤で学校行ってたのに何をしてたんだろうね・・・
ははは、と紋太が苦笑した。




