あとがき
2部仕立ての過去編、終わりました!
しっかしこの長いくややこしい苦労を、「人とは矛盾するもの(1)」で"かなり苦労したよ"の一言で済ますフォンスって……(苦笑) ま、サヤに長々と話しても仕方ありませんし、もし話してクレストの存在をサヤがバリオスに喋っちゃったら大変ですからねぇ。
この先がどうなるかは本編に書いてありますので、過去編はここまでです。
スカルに着いたフォンスは母親が既に亡くなっていて、また泣いちゃうんでしょうかねぇ。それから帰りはアメリスタ兵に見つからないようあまりウロウロせず、静かに関所を抜けて帰り、あとはコートルが司令官になると同時にフォンスは隊長に。男女交際がうまくいかなかったり何やらかんやらあって、そして29才くらいの時、街で強盗されかけていた某猪姉弟を助け、更に色恋沙汰で結婚も諦めていた頃に、アメリスタの動きが段々怪しくなってきて、戦争勃発! 上層部の寝返りや戦死が相次ぎ、司令官となったフォンスはバリオスのサヤ召喚に立ち会い……という感じですね。
因みに、お気付きの方がいるか分かりませんが、ロズアークは完全な冤罪です。
フォンスはロズアークが視察したからアメリスタがへそ曲げたと思っていますが、実は逆です。アメリスタ兵はクレストを帰らせる前から、エンダストリアをうろちょろしていて、他のアメリスタ出身者とも接触していた。それをロズアークは怪しんだから、アメリスタに行ったのです。で、そんなことされたアメリスタは思い切り警戒し、特に優秀だったクレストを無理矢理引き抜いた、というのが真相です。
ロズアークを引退させたがために、アメリスタの不穏な動きに対策を打つのが遅れ、エンダストリアは防戦一方のヤバイ状態になったという、裏の落ちに気付いた方はいらっしゃいますでしょうか?
コートルがこの真相を知ることはありません。バリオスとクレストが親しかったことは知っているんですが、元々軍と術師はあまり接点はないので、バリオスにうっかりクレストの話をする危険もないのです。でも戦争が始まり、軍と術師が話をする機会が増えた頃には、親友がいなくなった悲しみを忘れるために術をかけたからクレストの名前を出すな、くらいの説明はフォンスがするでしょうが……
アメリスタに帰ったクレストがどうなったかは、本編や番外編を基に想像していただけると思います。
女たらしで侍女から情報を聞き出すところなんか、某緑の配管工に似ていますね。最終話にクレストは特殊な仕事を任せられている、とあるんで、当時13才くらいのサイコ野郎に、そういう諜報のやり方を教えたのかもしれません。
女の口説き方を正しく使用したのが熊うさぎで、悪用してひねくれさせたのが某配管工……
ただ、某配管工がフォンスをアメリスタへ連れて行った頃(狂想散花の頃)には、既にクレストはいません。戦死したのか病死したのか、はたまた何らかの事情で消されたか……クレストの家族も本編に出てこないので、勿論いなくなっています。もしかしたら、フォンス奪還隊のサヤ達が最初に休憩した空き家なんか、クレストの元実家かもしれませんね。
狂想散花の時にアメリスタへ連れて行かれたフォンスは、クレストの母親らが既にいないことを知らないので、巻き込んではいけないと、クレストの話は一切しません。
とまあ、こんな感じで本編にはクレストが全く出てこなかったわけです。
どうですか、このこじつけ……いや辻褄合わせ!
我ながらよくここまで合わせたなぁと思っています。
一度完結して、長らく放置していた作品をまた読んでくださったことに、とても感謝しています。本編を読み返してくださった方もいて、嬉しい限りです。
さて、この度過去編完結と同時に、並行して書き始めていた新作をアップしました。
ジャンルは異世界ファンタジーです。真面目な話にしようかと思っていましたが、この過去編で真面目さに己の限界を感じまして、軽~いノリに書き直しました。(汗)
読んでやろうという方は、どうぞよろしくお願い致します。