『救いたい』という“私”の想い
遅くなりました
「悪いけどそろそろ本題に入って良いかしら?」
突然、話を切り上げるようにライムは話し始める。
「……」
「レクティアさん。お願いです。兄を助けて下さい!!」
深々と頭を下げるライム。
「……」
「これは私だけではどうにも出来ない、だから……だから!!」
しかし……
何度言っても……
返ってくるのは沈黙だけだった。
「どうして……何も言ってくれないのよ!?」
気が付けばいつの間にかライムは涙目になっていた。
その時だった。
「……何を言ってるのよ」
「え……?」
突然の彼女の言葉に言葉が詰まるライム。
レクティアの声は籠もっていた。
「あなた達が……やったんでしょ? これを」
レクティアが視線を向けた先、それは火に埋め尽くされたイニティアムの街だった。
「……そ、それは」
レクティアの見ている街の姿を見て彼女の問いかけに対して思わずゾッとするライム。
「私は……知らない。そんな事。私は何もやってない!!」
「『何もやってない』……ね」
ライムの返答の一部をそっと繰り返して言うとレクティアは、早歩きでライムの側に近づき、
その直後、
パチンッ!! と――
彼女の右手はライムの頬を叩き付けた。
ライムはあまりの痛みに頬を押さえつけながら地に片膝を付けてしまった。
怒り、恨み、悔しさ。彼女の放った平手打ちには三つの感情が均等に入り交じったかのような一撃だった。
「……それってあなたは、この時まで誰も救おうという事はしていなかったって訳なのね」
「ッ!?」
ライムの唇からには『セミ=ブラッド』がポツポツと垂れていた。
「私がここに来るまで、沢山の原人種の死体を見た。……その中にはまだ私たちよりも幼い子供だっていた!! 私が見ても分かる。あなたは私たちと比べて圧倒的な差がある。だけど、もしもあなたが襲われていた原人種を助けていたとしたらまだこの子達には希望があったかもしれない!! なのにどうして……!?」
「ち、違う!! 私はただ――」
「違うったらこの有様は何だって言うの!?」
「――ただ……大切な友達を助けたかっただけなのに……」
ライムの一言に、怒りに満ちていたレクティアは一瞬表情が歪む。
「……『友達』?」
気が付けばライムの両目からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。
首を下へと俯き彼女はそっと何かを思い出したかのように言葉を口にする。
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