徽章
下級生から手渡された百合の花の徽章…
真冬はその落とし物に見覚えがあった…
『副会長?』
『あっ…あぁ…すまない…ちょっと見覚えがあったんだ…どこに落ちてたんだ?』
『1年生の下駄箱の下です。袋に入ってたから大切なものかな?と思って…』
『そうか!やっぱりあの子のだ。ありがとう。渡しておくよ。』
『いえ。では失礼します。』
少女が帰った後真冬は徽章を見つめていた…
『(見つけた…これは白百合の会の徽章だ。前に麗奈が私に見つかって挙動不審だったから間違いない…
きっと今必死に探してる子が居る筈だ…)』
真冬は急いで帰り支度をするとすれ違う生徒の行動を伺いながら1年生の下駄箱へと向かった…
『(居た。きっとあの子だ)』
『何か探してるの?』
少女は目を背け、明らかに挙動がおかしかった…
『いっ…いえ…』
真冬は確信し、耳元で囁いた。
『白百合の会の徽章なら私が預かってる…』
少女は今にも泣きそうな青ざめた表情で真冬を見た…
『ここでは話せない…音楽室に来い。あそこならゆっくり話せる。』
少女はうなづきゆっくり真冬に着いて行った…
音楽室の奥にある防音室…
真冬は少女を中にいれ鍵を閉めると少女に近づいた…
『白百合の会には…何も言わないでください…』
少女の声は小さく、震えていた…
『君の返答次第だ。』
『なんでもします。ですから…今日19時までに見つかったって連絡しないと私…』
時計を見る真冬…
『18時50分…あと10分しかない…』
『連絡先は?これだけ厳重な組織だ、君の顔や声は知られてるのか?』
『いえ…いつも薄暗い部屋ですし、発言する時はみんな変声機をつかうので…顔も知られてないと思います…』
『わかった。なら私がうまく言ってやる。そのかわり…白百合の会についてお前が知ってる事を全て話せ。それがこの徽章を返す条件だ。拒めばこの徽章は…』
『わかりました…だから早く連絡してください…』
ついに彼女は泣いてしまった…
『連絡先は?』
彼女が差し出したのは警察庁本部の連絡先だった…
『ふざけるな!そんなはず…』
泣きながら震える彼女をみて嘘はついていないと確信した…
『(まさか…警察まで動くなんて。こんなに大きな組織なのか?)』
『すまない…君のそれを借りるぞ。』
『こういうのは気配で勘づかれる…』
そう言って泣いている彼女を防音室出るように促した…




