白雪美姫
『今駅に着いた、もうすぐ着く。と…』
『急がなきゃ。』
『(きっと怒っても可愛いんだろうな〜)』
ーピコン。
真冬のスマホが鳴る
『美姫さん、麗奈もう来るみたいです。』
『じゃあ、はじめましょうか!』
誰もいない校舎、生徒会室前。
『ふぅッ…よし、』
コンコン…
『失礼します。』
ガサガサッ
何かを片付ける音がした…
開けた瞬間に伝わる冷たい空気…
聞こえるのは筆音だけ…
一瞬、白雪姫先輩と目が合う。
『白雪姫先輩…おはようございます。遅れて…』
バン、机を叩く音が響く
『真冬、わたくし気分が悪くなったから帰るわね。これ、片付けておいてください。』
『あっ…はい。お疲れ様でした』
『白雪姫先輩…遅れてすみません…』
私の横をすり抜ける先輩。
バンッ!!
生徒会室のドアが閉まる音が静かな部屋に響き渡ったー
そして私は、時が止まった音がしたー
『麗奈。』
『麗奈、こっち。』
『座って。』
生徒会のソファー、目の前にはさっきまで白雪姫先輩が残していった書類があった…
『あっ…ごめん…』
『紅茶しか無いけど良いよね。』
『うん…』
『美姫さん、めっちゃ怒ってたよ。』
『…』
『大事な用事すっぽかして始発で来たんだって…』
『はい、』
カチャッ
『うん…ありがと…』
私の後ろに居る人の気配がソファーの上に腰掛けた…
『でも、あの怒り方は無いよね。何様って感じ』
少し真冬の声色が変わった気がした…
『そんな事…』
『性格わるいんだよ。本性わかって良かったじゃん。』
『やめて…』
『みんなにバラしちゃおうよ!』
『白雪姫先輩の悪口はやめて!聞きたくない…』
『ごめん…冗談…』
『でも、麗奈、美姫先輩の事本当好きだよね。』
『どこがそんなに良いの?』
『憧れなの…』
『遅刻したくらいであんな怒るのに?』
『それは私が悪いから…』
『麗奈、あの人の事好きなの?』
『可愛いもんね。髪型も似せてるし…』
『顔赤いよ?』
『もぅ、真ふ…』
振り返った先には笑顔の白雪姫先輩が居た…
『お仕置き…成功ね。』
『あっ…』
『美姫先輩、私にめっちゃ似てたでしょ?』
『真冬…いつから…』
『悪口言う辺りから…さすがの私も本人の前で悪口言う勇気ないよ…』
『さぁ、時間もないし勉強はじめるわよ。』
『とりあえず、あなたには3学期までに高校卒業レベルまでにはなってもらいます。』
『そ…そんなの無理ですよ…』
『出来るわよ。今日からわたくしの家で泊まり込みで教えますから!
勉強以外の事はわたくしと居れば自然と身に付くわ。』
『泊まり込み⁈』
『わたくしが卒業するまでになんとかしないと…あなたには必ず必要になるんですから』
私の身体を白く暖かい光が包み込む…
『心配しないで。あなたは必ずわたくしが生徒会長にしてみせるから』
ー私はその言葉の意味の深さを、まだ知らなかった…




