EXEP3 結菜と琴音とひより
私が桜台高校から、また精蓮学園に戻ってひよりちゃんと麗奈先輩が2人で生徒会長として認められてからしばらく経った…
『ねぇ、琴音ちゃん、』
『な〜に?』
『放課後、ひよりちゃんに会いに行かない?』
『ひよりさん?生徒会長だから忙しいでしょ?』
『わかってる。でも、ひよりちゃん多分まだ麗奈先輩と真冬先輩しか頼る人居ないと思うんだ。』
『ひよりちゃん、多分無理してるから…』
『わかったよ。じゃあ今から行こ。』
『えっ?今から?でもお弁当…』
『友達が困ってるかも知れないんでしょ?私なら1秒でも早く何とかしたい。』
『一旦閉まって一緒に食べれば良いじゃん。』
そう言って琴音ちゃんは食べかけのお弁当をしまいだした。
私も急いでお弁当をしまって二年生の教室へ向かった。
『失礼しま〜す。』
『ひよりちゃ…雨宮先輩居ませんか〜?』
『1年生?どうしたの?』
『雨宮先輩居ますか?』
『ひよりさん?ひよりさんなら麗奈と居るよ。』
『麗奈〜!』
『1年生が雨宮さんに用事だって!』
『1年生?あっ、結菜ちゃんに琴音ちゃんだ。』
『えっ?結菜ちゃん?』
『あの…麗奈さん、ひよりちゃん。一緒にご飯食べませんか?』
『今食べてるところだよ。』
『じゃあ後で言っておくからそこの机使って。』
『はい。』
『ひよりちゃん、久しぶり。』
『久しぶりです。』
『あっ…うん…』
『私の事覚えてますか?』
『あっ…はい…結菜ちゃんのお友達の琴音さん…ですよね…』
『歳上なんですから敬語なんて…』
『それは…』
『だったら私の事も、友達なんだから敬語は無しにして欲しいな。』
『麗奈先輩…それとこれとは違いますよ…』
『きっと一緒だよ。』
『私ね、敬語ってちょっとした壁だと思ってるの。』
『みんな、歳上の人に失礼にならない様にって敬語使うでしょ?』
『はい…』
『でも、私は、そんな失礼も受け入れたい。』
『そりゃ、知らない人からいきなりタメ口で話されたらムッとしちゃうけど、友達とはタメ口で…本音で話したいな。』
『わかった…でも、少しずつでお願いします。』
『私も…麗奈ちゃんと同じように思ってた…』
『私、あまり知らない人とは話せなくて、ついタメ口になっちゃった時に怒られるんじゃないか?って…だから、歳上歳下関係なく敬語にするようにしたの。』
『それでも私は、結菜ちゃんの友達の琴音ちゃんとは友達になれたら…って思ってた…』
『本当ですか?』
『えっ…あっ…うん。』
『琴音ちゃん、ひよりちゃんが困ってる。』
『あっ…すみません…』
『ふっ…ふふっ…』
その日私たちは友達になれた。完全にタメ口で話せるようになるのに時間はかからないと思う。
『それはそうと…私ずっと気になってたんだけど、』
『あっ、多分私も。』
『麗奈さんとひよりさんって付き…』
『ちょっと、琴音ちゃん、声大きい!』
私は急いで琴音ちゃんの口を塞いだ。
『2人とも何言ってるの?』
麗奈さんは明らかに動揺していた。
『(そうかまだ言ってないんだ…)』
『な、仲良いな〜と思って、ね、琴音ちゃん。』
『えっ…だって…』
私は2人に聞こえない様に小声で琴音ちゃんに囁いた。
『ひよりちゃんはくまの事知らないんだよ。』
『あっ…』
ひよりちゃんの方を見て察した琴音ちゃん。
『琴音ちゃん、もうそろそろ教室帰らないと…』
『えっ…もうそんな時間?』
『じゃあ私たち帰るね。』
『うん、またね。』
『結菜ちゃん、琴音ちゃん。また…生徒会室にも遊びに来てね…』
『わかった。ひよりちゃんに会いに行くね。』
『私も。じゃあね。ひよりちゃん。麗奈さん。』
『あっ…そうだ。麗奈さん。』
『何?琴音ちゃん。』
琴音ちゃんは小声で麗奈さんに囁くと麗奈さんの顔がほんのり赤くなっていた。
『じゃあね。』
そう言って琴音ちゃんは私の手を引いて2年生の教室を出た。
『琴音ちゃん、麗奈ちゃんになんて言ったの?』
『「ひよりちゃんと付き合ったらちゃんと報告してね」って』
私たちにその報告が来たのは案外はやく感じた…
EXEP3…結菜と琴音とひより…END




