EXEP1 佐藤美月のその後
後ろから聞こえる足音…
『いくよ。せーのっ!』
『「べー」』
呆気に取られたあたしは、走って行く2人を目で追うしか出来なかった…
あたしはあの日…
やっとひよりをいじめる事から解放された気がした…
白百合の会から数日が過ぎ、
あたしたちの日常は少し寂しさを感じながら流れていた…
そしてあたしは、真冬に呼び出され精蓮学園の生徒会室に居た。
『久しぶり、あいつ…楽しくやってるか?』
『あぁ、麗奈が居るからな。』
『そうだよな……なら、よかった…』
『今日は麗奈とひよりも呼んでいる。』
『まて!あたしはあいつらに会う気は無い。今日はもう帰ったんじゃなかったのか?』
『お前の意見なんて知らない。と、麗奈に言われてな。』
『くっ…』
『だから諦めろ。』
そうしてしばらくするとドアが開いた。
『真冬お待たせ。』
『真冬さん、遅くなりました。』
あの日とは雰囲気が少し違う2人が入って来た。
ひよりと目が合った瞬間、空気が変わったのがわかった。
『ごめん、やっぱあたし帰るよ。』
そう言って2人とすれ違うようにドアに向かった時、あたしは誰かに腕を掴まれたその手を振り解こうとした…
『みずちゃん待って…』
震えた声が私を止めた…
振り返るとひよりがあたしの腕を引っ張っていた。
『ひより…』
その両手はあたしを強く掴んで離さなかった…
『今日は…私がみずちゃんを読んだの…』
『私たち……もう…戻れないのかな?』
『あたしとはもう関わらない方がいい…』
『佐藤さん、ひよりちゃんの話くらい聞いてあげて。』
『佐藤さんも、ひよりちゃんに言わなきゃいけない事あるはずだよね。』
『わかった…』
逃げられなくなったあたしはひよりに連れられて机の椅子に腰掛けた…
『私はまだ、みずちゃんが怖い…でも、あの頃に戻れるなら戻りたい。』
『きっとそれは無理だ…ひより……ふぅ……』
あたしはあの頃の私のように、出来るだけ優しい声音で話した。
『ひよちゃん…ごめんね…』
『あっ…』
『いっぱい泣かせちゃって…いっぱい酷い事して……ごめんね…』
『うん…』
『ひよちゃんは優しいからそんな私を許してくれてるんだよね…でも、私が私を絶対に許せない…』
『大切な友達を…私を救ってくれた友達を裏切った私の事は絶対許せない。』
『みずちゃん、でも…』
『ひよちゃん…私はひよちゃんの隣には戻れないの…』
『だからせめて…私を…あの頃の私だけは、ひよちゃんの想い出の中に居させて。』
『うん…』
『きっといつか、私が変われたら、私からひよちゃんに会いにくるから…』
『だから待ってて。』
『うん……』
そう言ったあと、隣に居た九条麗奈さんに目線を移し、もしかしたら、あそこに座っている事が出来たのかもしれないと後悔しながらあたしは生徒会室を後にした………
…EXEP1佐藤美月のその後……END……。




