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グロリオサ

次々と呼ばれる中、ひよりちゃんの名前も呼ばれた。


『ひよりちゃん、呼ばれちゃったね。先帰ってて良いからね。』


ひよりちゃんは重い口を開くように私に言った…


『多分…白雪姫先輩…この話をするんだと思う…』


そしてこっそり胸ポケットにしまっていたものを私に見せてくれた…


『…何でひよりちゃんがこれを…』


『それは…後で私から話させて。』


『わかった…』


白雪姫先輩は読み終え、退出する生徒が居なくなると人数を確かめた。

『雨宮ひよりさん?なぜあなたが居るの?他の方は帰られましたよ。』


『今から話される話に私も関係があるかもしれないからです。』


『白雪姫先輩、今からされるお話がもし、あの日…真冬に話せなかった話なら…ひよりちゃんは関係あります。』


白雪姫先輩は少し躊躇った後、口を開いた…




『……分かりました。麗奈ちゃんが言うなら…』



少し…場所を変えましょうか。


そう言って連れて行かれたのは音楽室の一角にある防音室だった…


道中防災扉を閉められ、鍵が掛けられる。

その瞬間、音楽室に続くこの先は、完全な密室になった…

そして、私の持つグロリオサの徽章の重みが変わった気がした…



『少し、この人数だと狭いわね。』


そう言って緊張をほぐしてくれる白雪姫先輩。


『皆さんもきっとお気づきだとは思いますが…今お集まり頂いたのは白百合の会の方々です。』


『わたくしは白百合の会を元の姿に戻す為に帰って来ました。』


『元の姿…?』


『皆さんもご存じのとおり、白百合の会は元々、私たち女性の悩みをみんなで解決する為に出来た組織です。』


『ですが今…白百合の会は中で分断され、グロリオサの徽章を持つものに支配されています。』


その言葉にざわつきはじめた…


『防音室って言っても完全ではないからあまり騒いじゃだめよ。』


そう言って唇に指をあてる白雪姫先輩。


『さて、話を続けるわね。』


『白百合の会は…本来とは真逆の組織になってしまったんです…』


『その不満こそが私たちを救う鍵です。』



白雪姫先輩は胸ポケットから何かを取り出してスクリーンに映した。


『これはわたくしが卒業してから苦労して手に入れたグロリオサの徽章です。』


『そして、麗奈に託したもので2つ…』

『白雪姫先輩。』


注目が私に集まった。


『グロリオサの徽章はもう一つあります。』


『私が…持っています。』


ひよりが徽章を掲げた…


『そんなのどこで手に入れたの?』


『桜台高校の校長室に…あったものです…』


『桜台高校、って…』


白雪姫先輩はひよりちゃんに駆け寄ると徽章をじっくり眺めた。


『ひよりちゃん…あなた…最高ね!』


『これ…グロリオサの幹部の徽章よ。』


また少しざわついた。



そして教場に戻ると、


『ここに、わたくしが入会してから調べた…』


『何も知らずに悩んでいる方々の名簿が約500名…中には卒業後も組織から抜け出せずにいる方々も居ます。』


白雪姫先輩は周りに居た先生方を見渡した…


『その方々に協力を仰ぎ、グロリオサの組織を破壊します。』


白雪姫先輩は少し躊躇うように…でも決めていたかのような顔で言った。


『罪は…私が背負います…だから…協力してください…』


白雪姫先輩はそう言って頭を下げた…


私とひよりちゃんはその姿を見た瞬間、白雪姫先輩の元へ駆け出していた…

そしてその姿を見た真冬も…


『私たちからもお願いします。』



きっと、同じだったんだと思う…

白雪姫先輩がしたように…

私たちは同じ罪を背負う事に躊躇いなんてなかった…


すぐに会場からは賛同の声が上がった。

そして詳しい作戦の概要が白雪姫先輩から伝えられた…


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