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くまのストラップ

あんな騒ぎを起こしてしまった私は足取りが重く感じたが、隣に居るひよりちゃんを見て先に職員室へ向かう事にした…


ひよりちゃんを見て駆け寄る先生たち


『何があったの?』


『先生、ごめんなさい…ひよりちゃんが居たクラスのガラス…割っちゃいました…』


それを聞いて教室へ向かう先生たち…


『先生、今日の転校式の為に綺麗にしてあげたいので椅子をお借りできませんか?』


『じゃあ、保健室へいらっしゃい。』


そう言われて私たちは保健室へ向かい、ひよりの身支度を始めた。


麗奈は自分のメイク道具でひよりにメイクをして…


『ひよりちゃん…もしよかったらだけど…前髪少し切っても良い?』


『えっ…でも…』


麗奈はひよりの髪を櫛でとかしながら聞いた。


『去年の冬の事覚えてる?』


『私ね、駅でひよりちゃんと会ってるんだよ…』


『うん…(チョコレートの…)』


『その時もう少し前髪短くて…』


麗奈はすごく小さな声で囁いた…


『可愛かったな…』


その言葉をひよりは聞こえなかったフリをした…


『うん…良いよ…』

『でも、少しだけね?』


『うん。私が可愛いくしてあげるね。』


麗奈は持っていたメイク用ハサミでひよりの前髪を整え髪をピンで留めた…


『ひよりちゃん…昨日の手紙読んでくれた?』


『くまのストラップ?』


『うん。実は私、ひよりちゃんにお願いがあって…』


『私も麗奈ちゃんにお願いがあるの…』


『何?』


ひよりは取り出したくまのストラップを眺め少し考えた後答えた。


『これ…貰ってくれませんか?』


差し出されたのはあの日ずっと私が持っていた…

迷って、勇気が出なくて掴んだ黒のくまのストラップだった…




『えっ…』


麗奈はまさかひよりちゃんからその言葉が出るとは思っていなくて驚いた…



『ごめん…要らないよね…』


『あっ!!違うの!』


『その……実は私も…欲しいって言おうとしてたから…』




『でも…私は…』



顔が熱くなるのがわかった…



『白がいい…』



『えっ?』



『白が欲しい…です…』



私は知ってる…



でもひよりちゃんは知らない…



だから、どうしても…



ひよりちゃんが持つ白のくまのストラップが欲しかった…






『麗奈、もう時間だ。準備は出来たか?』


真冬に呼ばれた私たちは手を繋ぎ、2人の胸ポケットにはお揃いのくまのストラップを覗かせ、転校式の会場に向かった…


そして、私が握ったその手はいつもと違うような…


そんな気がした…




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