生徒会長と副会長
『(緊張するな〜。)』
『(もう出番が回ってきちゃった…)』
『(あっ…そうだ、あの子に貰った最後のチョコ…』)
『(…勇気もらうね。)』
終業式も終わりに近づき…
生徒会長の話が始まった…
『続いて、生徒会長の挨拶』
『えー…はっ、初めてまして、
私が新しく生徒会長になりました九条麗奈です。』
『二学期が今日で終わると言うのに、
私は今、生徒会長という一学期が始まりました。』
『白雪美姫先輩…いえ…白雪姫生徒会長は私の中学の頃からの憧れであり…目標であり。私は『白雪姫になりたい』と、ずっと願っていました。』
『そして昨日、まさか一年生である私が、憧れの白雪姫生徒会長からこの校章と生徒手帳を引き継がせて頂き、朝を迎えるまでその責任と重圧に負け、この場で辞退する事だけを考えて居ました。』
『ですが、私は今、ここに、『生徒会長九条麗奈』として立っています。』
『私は手を伸ばしたい。』
『私は、私が憧れた白雪姫になりたい。』
『でも…私1人じゃ…私なんかじゃ…白雪姫にはなれない…』
『だから私は彼女を…』
舞台袖から1人の少女が現れる。
『黒崎真冬さんを、生徒会副会長に選びました。』
講堂がざわめいた…
『嘘でしょ。黒崎真冬って…』
『あの子中学で不登校だったらしいけど…』
『私の妹、あの子達に酷いことされたらしいんだけど…』
『(真冬の悪口はやめて…)』
気づけば怒鳴るような声が出ていた…
『真冬は…!!』
一瞬。講堂から色が消えた…
『真冬が嫌われてるのは知ってます。』
『怖いって思う人もいるでしょう。』
『これは私のわがままです…』
『私の隣は真冬じゃなきゃ嫌だ!!』
麗奈はゆっくり前に出て膝をついた、と同時に講堂からざわめきが聞こえた…
『真冬は、優しくて、賢くて、頼りになって…何度も私を励ましてくれた…側に居てくれた…』
『私は、皆さんにも本当の真冬を知って欲しい。』
『だから、真冬に…私の友達に…』
『(麗奈…)』
『生徒会副会長をさせてあげて下さい。』
『麗奈!!ダメだ。頭を上げて。あなたは生徒会長なんだから…』
『私なんかのためにそんな事…私は何言われても良いから…』
真冬の瞳からは涙が溢れていた…
『私は嫌だな…』
『真冬…私が憧れた白雪姫はね…友達の為に…泣くんだよ?』
真冬を見つめる麗奈も泣いていた…
『言ったでしょ?私は、真冬となら白雪姫に近づけるって。』
講堂に白雪美姫の拍手が響いた…
拍手の音は次第に大きくなり…
暖かい空気が流れた気がした…




